2018.06.06
#面白法人カヤック社長日記 No.41移住者と地域の出会い系サービスをはじめました。
![画像](https://www.kayac.com/uploads/current_user/576/news/2018-06-06/30131b0e-7703-44ce-8d4b-02d0068a6720.jpg)
さて、今回の社長日記は、カヤックの子会社であるカヤックLivingが始めた「地方創生」の新サービスについて紹介したいと思います。6年前、カマコンという新しい形の地域活動を鎌倉で立ち上げました。今では、その仕組みが全国数十か所に広がっています。そのおかげで日本全国の多くの熱い地域とのネットワークができましたので、そこをうまく活かした新しいサービスを立ち上げてみました。そのサービスについて、事業責任者が書いてくれましたので、今回は寄稿としたいと思います。
カヤックLivingの松原です。カヤックLivingは、地域と住まいの分野で新しいWeb事業を生み出していくカヤックの子会社。6月4日、地域と地域へ行きたい人をつなぐ、移住促進のためのスカウトサービス「SMOUT」をリリースしました。
今回はリリースしたばかりの「SMOUT」を紹介します!
簡単にいうと、どこかに移住したい人が自分のプロフィールを登録すると、地域からその人にスカウトが届くというサービスです。
つまり、移住者と地域の「出会い系サービス」です。
どこか面白い地域はないかなと探している人、何かその地域に関わりを持ちたいと思っている人が、自分のスキルや得意なこと、気になる地域を登録しておくと「来てほしい」「手伝ってほしい」と地域から声がかかるWebサービスです。必ずしも移住しなくても、二拠点居住だったり、一年のうち時々滞在する地域を探そうということでもよいのです。
実際、どこか別の場所に住んでみたい、でも今、どこが面白い地域なのかわからないという人は多いのではないでしょうか。
そこで「SMOUT」が、全国約1700の自治体の中から、話題性がある地域や、移住をはじめ街の活性化に力を入れている地域に絞って紹介します。現在は約30の地域が参加しています。
そして、このサービスにおけるもうひとつの挑戦は、関係人口の数値化と可視化です。
話題になりつつある「関係人口」という言葉、ご存知ですか? 関係人口の創出のために、総務省では平成30年度に2.5億円を予算化しています。関係人口とは、ざっくりいうと、定住でも観光でもなく、ルーツを持ったり、関心を寄せたり、年に数回訪れたり、その地域に投資するなど、なんらかの中長期的な関係を持つ人のこと。関わり方は人それぞれです。
移住というのは、やはりハードルが高いものですから、地域に対しての関わり方は多様であっていいと思います。だからこそ各自治体も、移住者だけを増やすのではなく、関係人口の増加に着目しつつあります。
そこで「SMOUT」では、関係人口の中でも、インターネット上における地域への関心を可視化しようと、「SMOUTネット関係人口」というものを独自に定義しました。盛り上がっている地域であれば、インターネット上でも、さまざまなやり取りや情報収集が行われているはずで、その数字がKPIになるはずです。地域ごとに「SMOUTネット関係人口」をスコア化し、可視化しようというものです。
![画像](https://www.kayac.com/uploads/current_user/576/news/2018-06-06/acb10d7b-021a-47de-9904-43afea57df39.png)
これは現時点でのスコア。今後サービスを運用しながら、より納得感のある数値に寄せていきたいと思っています。
そして、カヤックは「地方創生」をキーワードに何をしようとしているのか?
「SMOUT」のリリースと同時に、もうひとつのニュースをリリースしました。
地方創生事業に本格参入!自治体シティプロモーション支援を開始します!
シティプロモーションとは、地域の魅力を世界に発信していく仕事です。
カヤックはこれまで、たくさんの企業のプロモーションやブランディングのお手伝いをしてきました。「バズる」企画はカヤックが得意とするところです。ですが、地域においては、バズることはきっかけにすぎず、もう一歩踏み込んだ仕掛けが必要です。
カスタマーとリレーションを構築して、素敵な顧客体験を設計すること。その世界観をデザインすること。カヤックでは、ゲームや受託をはじめ、株主総会や従業員を対象とした組織戦略においても、常にこれまでにない顧客体験の設計に挑戦してきました。
住民や行政が一体となって、世界観をつくりあげ、その地を訪れる人の顧客体験を設計すること。そのために、カヤックが培ってきた手法を活かしていきたい。そう思うのです。
ここからは余談です。
私は正直にいうと「地方創生」という言葉が好きではありません。それは、私が富山という北陸のいわゆる「地方」出身であることも関係しているかもしれません。「地方」という言葉は都会の対義語のようだし、「創生」って言われても、そもそも昔から存在して、みんなそこで生活しているし。
人気漫画『ちはやふる』の中に、こんな言葉が出てきます。
君は東京生まれ 東京育ちで 地方に故郷とかないやつだろう だからいやなんだ 都会の人間の発想とか 価値観とか 持てるものの無邪気な『邪悪さ』が君にもちゃんとあることを自覚するといい」
「地方創生」という言葉、ここ近年のムーブメントを見ると、この台詞を思い出すのです(地方出身者のひがみでしょうか笑)。
一方で、私は長く広報という仕事を担当してきました(カヤックでも10年ほど)。そして広報という観点で、「地域」「行政」のPRに興味を持っていました。地域は、ほかでは手に入らないユニークな資産を持っています。
企業広報でやっていることを地域の発信に応用したら? 何かが起きそうです。自分たちの強みを吟味して、それをしっかりと発信しながら、リレーションをつくり、中長期的なコミュニケーションを行なっていく。その継続がブランドをつくる。そんなPRが地域でも盛んになったらいいなと思っています。
もちろん、話題になる面白いことを考えて!と言われれば喜んで。そして「行政・企業・住民を巻き込んでいくきっかけをつくりたい」、そんな時にも、どうぞお声がけください!
まだまだスタートしたばかりの「SMOUT」をどうぞ使ってみてください。
カヤックLiving 松原佳代
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