2025.05.01
#面白法人カヤック社長日記 No.144命日をきっかけに人がつながる “命日SNS” を思いつきました。 形にしてくれる人求む!

今回は、僕が以前から「こういうのがあったらいいのになぁ」と思っていたサービスのアイデアについて書いてみたいと思います。
それは、「故人の命日で人と人がつながるサービス」です。
ちょうどこの社長日記を書こうと思った日は、2019年に急逝したカヤックの役員の命日でした。
大切な人の命日は、忘れたくないものです。
忘れたくないので、Googleカレンダーに登録するようにしているのですが、年齢を重ねるにつれてそういった人が増えてきて、カレンダーに収まりきらなくなってきます。そうなると、命日専用の別のカレンダーがあると便利だなと思うようになりました。
ただ、命日を管理する機能だけでは、サービスというよりは管理ツールのようになってしまいます。そこで、これにソーシャル機能を追加したらいいのでは、と考えました。
どういうことかというと、大切な人の命日には、その人を思い出し、偲びたい。できれば、自分ひとりではなく、その人を大切に思っている他の人たちと語り合いながら偲びたい。そんなふうに、人と人がつながるようなソーシャルな機能があるサービスがあればと思うのです。
イメージとしては、大切な故人をフォローしておくと、命日になるとお知らせが届き、フォローしている人同士が、それぞれの故人にまつわる思い出やエピソードを投稿できたり、それに対して一言二言コメントし合えたり、写真を投稿したりといったことができる仕組みです。みんなで黙祷したり、追悼の言葉を交わしたりすることもできる。
亡くなってもなお、その人を通じて人と人がつながる──そんなあり方はとても素敵だと思います。
もしかしたら、これからはAIがどんどん進化していくので、故人とおしゃべりできる機能があってもいいかもしれません。あえて、いつもではなく、命日だけ話せるようにするという制限を設けても面白いかもしれません。
このサービスでフォローする相手は、必ずしも家族や身近な人に限る必要はありません。
自分の好きなアーティストや、二次元の漫画キャラであってもよいのです。僕にとってのロールモデルである『北斗の拳』の雲のジュウザの命日には、僕は手を合わせたくなります。
ちなみに僕たち面白法人は、葬儀会社も経営しています。葬儀に参列するたびにつくづく思うのは、葬儀というのは故人のためというよりも、残された人たちのためにあるのだということ。だとすれば、命日に故人を偲ぶという行為も、きっと同じ意味があるのだと思います。
ところで、Facebookでは友達承認の上限数が5,000人と決められています。これは「リアルな人間関係の延長」として設計されたSNSであり、人が本当に意味のある関係を築ける人数の上限が5,000人程度であるという思想に基づいているそうです。
ですが、実際に使ってみると、5,000人の中には本当に意味のある関係かと問われると微妙な、非常に希薄なつながりの人も含まれてくるのではないでしょうか。
一方で、この“故人でつながるSNS”(と、便宜上書きます)は、本当に必要な人だけをフォローするサービスです。それでいて、誰にとっても使ってほしい。幅広いユーザーに使ってもらえる可能性のあるサービスです。
しかも「日本発のサービス」として展開することも狙えます。
というのも、日本には他国と比べて、死後の世界や死者との関係をとても丁寧に、長く、大切に扱う文化があるからです。「亡くなった人は仏様になる」「祖先になって見守ってくれる」といった考え方があり、「お盆」や「お彼岸」といった、先祖を迎え供養する年中行事も日常に根付いています。これは世界的に見てもかなり頻繁なことだそうです。
欧米では「死者は墓地に眠る」で終わるケースが多く、家に霊を迎えるような文化はあまり見られないようです(ChatGPT調べ)。
つまり、日本では、死者を「過去の存在」ではなく、「今もどこかで続いている存在」として捉える文化が強くあります。こうした精神性は、神道・仏教・民間信仰が重なり合って生まれた、日本独自のものとも言えるでしょう。
このように、死後の世界を丁寧に扱い、「死んだら終わり」とは考えない価値観を広げていくことは、どこかで世界の平和にもつながっていく──そんなふうにも思えるのです。
また、日本には「初七日」「四十九日」「百か日」「一周忌」など、死後何日目に何をするかが細かく決まっている文化もあります。これも日本特有だそうです(ChatGPT調べ)。
だとすれば、リマインダー機能が重宝されるのも日本ですし、世界に平和を広めていくという意味でも、日本発のサービスとして世界に展開していく意義があるのではないでしょうか。
ということで、以前から温めていたアイデアを紹介しました。
ちなみに、すでにこういったサービスがあるか調べてみましたが、今のところ存在していないようでした(3回目のChatGPT調べ)。
もし「これはいい!」と思ってくれた方がいたら、社内外問わず、一緒に作りましょう!
あるいは、どなたかに作っていただいても構いません。場合によっては出資も検討します。
このサービスが登場したら、僕自身もぜひ使いたいと思っています。
今回の社長日記は以上です。
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