格言を深く突き詰めてみるシリーズ 「覆水盆に返らず」 | 面白法人カヤック

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2025.06.19

#面白法人カヤック社長日記 No.145
格言を深く突き詰めてみるシリーズ 「覆水盆に返らず」

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久しぶりに、「格言を深く突き詰めてみる」シリーズです。
今回は「覆水盆に返らず」について考えてみたいと思います。
その前に、僕の社長日記の、過去の格言シリーズが下記になります。読んでみてください。

格言を深く突き詰めてみるシリーズ「ピンチはチャンス」

格言を深く突き詰めてみるシリーズ「背水の陣」

格言を深く突き詰めてみるシリーズ「類は友を呼ぶ」

格言を深く突き詰めてみるシリーズ「継続は力なり」

どの格言シリーズにも共通しているのは、
「その格言を“本当に自分のものにする”とはどういうことなのか?」
「その格言を追求すると、どういう状態になるのか?」
そんなことを深掘りして書いています。

皆さんは、「『覆水盆に返らず』とは本当にこのことだなぁ」と実感した体験はありますでしょうか。
僕には、朧げながらそう思える出来事があります。
突き詰めていくと、それはやはり人間関係の中にあるような気がしています。
まず、「覆水盆に返らず」の由来を調べてみました。

――
周に仕官する以前のこと、呂尚はある女と結婚したが、いつも仕事もせず、呑気に本ばかり読んでいた。それを見た女は呂尚に失望し「この呂尚と一緒にいてもいいことはない」と思い、女は呂尚と離縁した。
その後、呂尚は、周の王の目に留まって仕えることになった。やがて、呂尚は「太公望」として周から斉の国に封ぜられ、身分の高い大人物になった。
そんな呂尚の大出世を知って、昔、呂尚を捨てた女が呂尚の前に再び現れた。そして、女は、「どうか私ともう一度、一緒に暮らしてほしい」と復縁を申し出た。
そこで、太公望となった呂尚は水の入った盆を持ってきて、水を床にこぼし、「この水を盆の上に戻してみよ。」と女に言った。
女はこぼれた水を元に戻そうとやってみたが当然できなかった。太公望・呂尚はそれを見て、「一度こぼれた水は二度と盆の上に戻ることはない。それと同じように、私とお前との関係も昔のような元の関係に戻ることはありえないのだ!」と言って、女の復縁の申し出を断った。
(参照:Wikipedia)
――
この由来から、「覆水盆に返らず」という言葉が、もともと人間関係における出来事から生まれた格言だということがわかります。

では、人間関係を見つめることにこそ、この格言の本当の意味がわかるという前提で、僕なりに掴んだことを書いてみます。

最初に端的に。
ズバリ、この言葉を深く理解するためには、まず「覆水盆に返らず」という状況なのではないかと思える両者の人間関係において、何が起きたのか?を自分自身の視点から、また同時に相手の視点から、深く見つめるという追体験が必要です。
その追体験を通して、自分と相手への洞察が深くなった時に、初めて「『覆水盆に返らず』というのは、こういうことなんだな」と実感が湧くのだと結論づけたいと思います。

もう少し細やかに解説します。

そもそも、水はこぼれたら戻せないのであって、逆に戻せるようなことだとしたら、それはこぼれた水ではないとも言えます。
人間関係は、時に壊れたと思っても修復することはあります。つまり修復できるとしたら、それはある意味、水はこぼれていなかったとも言える。
では、「本当に水がこぼれてしまった状態」とは、どうやってわかるのか。

それは、表面的な人間関係ではなく、本質的な深い部分で、自分自身や相手のことを理解し、一体その水がいつこぼれたのか、どこかの瞬間なのか、徐々になのか、どうしてこぼれていってしまったのか、どうしてもう戻せないのか・・・
それらをちゃんと掴めた時、それを言語化できた時に、本当の意味で「水がこぼれてしまった状態なんだ」ということに腹落ちが生まれます。

人と人は時に、本当はお互いが望んでいることが一緒だったとしても、その望んだものを手に入れる方法が人によって異なったり、本当に望んでいるものを手に入れるためにはむしろ逆効果なのに、真逆のコミュニケーションをとってしまうことがあります。
つまり、お互いが本当に望んでいることを理解して、その上で、起きた事象を自分の視点と相手の視点、両方の立場から見つめ直せたとき、本当の意味で水がこぼれてしまったことを理解し、そしてそれは盆に返らないことも同時に把握する。

そんな感じです。

だから、逆にいうと、この格言を深く理解しようとすると、自分の気持ちや相手の気持ちを探索せざるを得ない。
そう考えると格言という言葉は、人生における羅針盤とも言える。

そして、この言葉の理解を深めると、とても良い副産物があります。
この言葉の本当の意味が理解できたとき、それは大きな学びであり、その言葉の意味を教えてくれた相手との関係の修復は無理だとしても、こぼれてしまった水がもう盆に戻らないことの難しさを知っているからこそ、次に構築する人間関係においては、同じパターンで水をこぼさないようにしようと、丁寧な人間関係の構築に努めることができるのだと思います。

ただ、自分の水がこぼれた瞬間を、あるいは相手の水がこぼれた瞬間を見つめ直す作業は、ある種の痛みを伴います。時にトラウマになったりするのできつい作業です。
だから少し時間がかかるのだと思います。

上記のWikipediaからの引用のエピソードでも、呂尚がこの格言を放ったのは、離縁して大分経ってからです。

今回は、以上です。

具体的なエピソードがないので、わかりにくい説明になったかもしれません。
もし、皆さんが、過去にこれは「覆水盆に返らず」だなと感じた事例やエピソードがあれば、その追体験をしながら一緒に探索していただければと思います。

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