他責思考にまつわる今だからいえる6年前のエピソード | 面白法人カヤック

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2018.02.01

#面白法人カヤック社長日記 No.36
他責思考にまつわる今だからいえる6年前のエピソード

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時々無意識にしてしまうことなのですが、自分の失敗を他責(他人のせい)にしながら、自分自身は気づいていないということがあります。

6年前に僕が経験した事例をお話します。随分昔の話だから、そろそろ公開してもいいかな・・と思いつつ、細部は多少ぼかしました。

さかのぼること6年前、僕のところに、ある先輩から面白そうな企画が持ち込まれました。そして、その企画を「クライアントに一緒に提案してもらいたい」という依頼を受けたのです。

その先輩にはお世話になっていたので、ひと肌脱ぐことにしました。一緒に提案したところ、クライアントには好感触で、すぐに実施が決まりました。

企画の内容は、そのクライアントだけではなく、多くの協力者を巻き込む必要があるものでしたので、僕は20社近く回って、企画の面白さを訴え、各社の協力をとりつけるということまで買って出ることになりました。

この20社の中には、これを機会に初めてお声がけした会社もありましたが、僕やカヤックをご存じだったりして、快く協力してくれるよとおっしゃってくれる方々ばかりでした。

そうこうしながら企画を進めていると、ある日突然、主催者であるクライアントのトーンが下がります。企画にGOを出したはずでしたが、もろもろの反対勢力や、懸念事項が出てきたので、できないといい出したのです。いわゆる「はしごをはずされた」という状態です。

正直、かなりやばい状況です。もう結構話も進んでおり、いまさらひっくり返されるのはかなり理不尽な状況です。しかもです。なんと、肝心の企画を持ち込んだ先輩も微妙にフェイドアウトしてしまい、なぜか僕自身が発案者のような立場に・・・。

理不尽な状況に、どうしても「自分は悪くない」という意識がむくむく芽生えてきます。そして、「自分の企画ならまだしも、人の企画だしな・・・」という思いも湧いてきます。このまま進めるにしても、企画実施までの道のりもまだまだ結構遠い。下手すると、途中で失敗する可能性すらある。

であれば、クライアントがちゃぶ台返しをしたのだし、「これは一旦、企画を中止にした方がいいか」「そもそも、まだ実施したわけじゃないし、実害はまだどこにも出ていない。僕が20社に頭を下げれば、それはそれで大変だったねといってもらえるだろう」という思考になりかけました。

その時です。はっと気づきました。

もし20社に頭を下げる時、自分は一体どういうのだろうと。「クライアントが突然はしごをはずしたんですよ」っていうのだろうか。

中には「それは仕方がないね」といってくれる方もいるだろうと思います。なんなら、一緒にクライアントへの愚痴をいってくれる人だっているかもしれません。

ですが、その状況って・・・。

知らず知らずのうちに他責にしている人の思考パターンそのものです。「上司が自分の企画を承認してくれないんです」という人は、得てして「自分の実力が足りないから」であることが多い。そして、それに気づいていないことも多い。

人のせいにしている限り、道は切り拓けない。上司がどんなに理不尽だったとしても、自分の実力が足りないから上司を説得できないのだろうと考える人の方が、成功する確率が高い。

ということは、このまま自分がこの企画を中止にする際に、クライアントのせいだとは少なくともいうべきじゃない。自分の実力不足です、というべきだろう。

人間である以上、時には失敗することもあります。そういう時も、決して人のせいにせず、それさえ自分の力量だと受け止めて、周囲にもそう伝える。そういう姿勢を人は見ている。だから、そう話そう。そう思うに至りました。

でも、待てよと。

その姿勢でいえば、おそらく「仕方がなかったね」といってもらえるでしょう。でもそうだとしても、やっぱりそれはそれで確実に自分の信用は目減りします。次に声かけた時、おそらく僕の提案を聞いてもらうのは、以前よりもはるかに困難な状況になります。

うーむ。降りるのもきつい、突き進むのもきつい。どうせきついなら・・・
そう思って、もうひと踏ん張りしてみることにしたのです。先輩の企画ではありましたが、そもそも自分がいい企画だと思ったから協力しようと思ったわけです。だったらもう一度奮起して、あきらめずにチャレンジしようと決意したのでした。

・・・とここまでの自分の心理状況を話しましたが、こんな風に、成り行き上でいろいろうまくいかなかったときに、ついつい知らず知らずに他責にしてしまうというケースは、誰だってあるのではないでしょうか。

あるいはこんな心理状況もあります。新しいチャレンジをする時というのは、常に不安がつきまといます。自分は失敗したくない。だから、上司が渋った時「上司がOKを出してくれなかった。ほんとは、自分はやりたかったんですけどね・・」と、知らず知らずのうちに、自分は悪くないという言い訳をつくってしまうとか。

こういった思考は、誰だって陥るので、ほんとに気をつけないといけないと思うのです。

今回伝えたかったことは、以上です。

ちなみに、その6年前のプロジェクトがどういう結末になったか? という話ですよね。

クライアントの担当者からははしごを外されたプロジェクトでしたが、別の担当者から徹底的に根回しをして「ある条件を満たせば実施してもよい」というところまでこぎつけました。その条件も、かなりの無理難題でしたが、様々なキーパーソンとの出会いがあり、多くの人に助けられ、奇跡的にその条件をクリアし、最終的にプロジェクトは成功を収めました。なんとかなったのです。ふう。

もちろん、あの時、プロジェクトを停止したからといって、20社からの信頼を失っていたかどうかはわかりません。停止にする正統な理由はありましたし、実害は何も出ていなかったので。

ただ、自分ごととしてやりきった結果、周囲からはそれまで以上に信頼を勝ち取ることができたように思います。一度やるといったことはやりきるんだなという信用を得られたのではないかと思います。

そして最大の成果は、何より、自分の見える世界が変わったことです。あの時降りていたら、決して見えなかった景色が見えるようになりました。

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