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2021.07.12

#面白法人カヤック社長日記 No.89
なぜ不十分な情報で経営者は意思決定できるのか? そのノウハウを公開。

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先日、社内の役員会議で「決断」について考えるきっかけがありました。

とある事業部長が「情報が十分に揃っていないから決断できません」といいました。でも、僕にとっては、もう十分に決断してもいいだけの材料は揃っている気がしました。

なぜ、その事業部長は決断できず、自分は決断できるのだろう? それを考えてみました。

そもそも決断する時に100パーセントの情報が揃っていることはありません。それでも決断をしなければならない時がある。

なぜなら、うまくいくための材料を揃えてから決断するのではなく、不完全な状況で決断を先にして、その後うまくいくために考えていく。つまり、 どこまでいっても決断が先ではないかとふと思ったのです。

であれば、100パーセントの情報は揃ってなくても、何らかの情報を手探りに決断する能力のようなものが重要です。

経営者は日々、意思決定をしています。不十分な情報の中で、どのように意思決定しているのか。どこに腹落ちすれば自分はゴーサインを出しているのだろうか。

今回はこれを深く考えてみました。

ズバリ、経営者はこの3つの情報のうち、どれかひとつだけでも確信が持てれば、決断できるのではないかと思いました。

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左側の情報は、思いやビジョン、コンセプトといった情報です。これが素晴らしいものだというだけで、この事業をするべきだとゴーサインを出せる種類の経営者が存在します。ここを重視しているタイプの人にとっては、社会的に意義がある、世の中に必要な事業だと腹落ちできるかどうかが重要です。この社会課題を変えるんだという強い信念や、原体験だけで起業できる人なんかはこのタイプです。たとえば社会起業家と呼ばれるような人も、ここに入ることが多いように思います(僕もどちらかというとここです)。

真ん中の情報は、商品やサービスやコンテンツといった情報です。この情報を見ただけで「これは当たる!」と確信を持って決断できる経営者はいます。「このパンはおいしいから売れる」「このマンガは面白いからヒットする」という目利き力のようなものです。この嗅覚に長けている人は、それだけで決断できる。

右側は、市場規模や事業戦略といった極めてロジカルな情報です。つまり、その事業が成功するための方程式のようなものです。この方程式や仮説がよりロジカルに見えれば、決断できるという経営者も当然います。この能力に長けた経営者は、方程式さえ見えれば、安心して大胆な投資を決断したり、ギアを踏み込むことができる。たとえばコンサルタント出身の経営者なんかはそういうタイプが多いのだろうと思います。

もちろんこの3つの情報がまんべんなく揃っていれば誰だって決断をできるのですが、経営者は、どれかひとつだけでも確信を持てれば決断できるのだと思います。

ただ、実際は、決断した後に、この3つの情報をしっかり揃えていく必要があります。決断したとしても、最終的に事業を成功させるためには、それぞれの情報を重視しなければいけないからです。

いくらコンセプトや思いが素晴らしくても、売れる商品やサービスがなく、数字の裏付けもないまま突っ走るとコケますし。逆に、この商品は売れる! と思っても、環境を破壊したり、人権を毀損したり、社会を悪い方向に向かわせるようなものはよくない。SDGs全盛時代においてはなおさらです。また、左脳的に戦略を立てられる人からすると、コンテンツの目利きや嗅覚だけで意思決定できる人間を危なっかしく感じるものです。

だから、そう考えると、冒頭で「十分に情報が揃ってないから決断できない」といった事業部長の発言はある意味正しく、僕が決断において重視している情報とは違う種類の情報を重視するタイプだったということなのかもしれません。

たしかに経営者という人間は、不完全な情報でも、上記の3つのうちどれかひとつでも確信が持てれば意思決定できる能力があります。ただ人間は不完全なものですから、3つすべてに偏りなく情報を精査できる人はいません。きっと得意不得意が分かれるのではないでしょうか。

実際のところ、周囲の経営者を見渡しても、この3つの中で、どの情報を一番重視しているのか、はっきり分かれているとつくづく思います。

自分はどのタイプなのか把握して、自分にない視点を重視する人とチームを組んで経営していくことが重要なのだろうと思います。そして、これは経営に限った話ではなく、さまざまな意思決定の局面で、どのタイプの情報を重視するのか、人によって違うのだろうと思います。

そんなことに気づかされました。

ちなみに。今回、この日記のために、上記の図を用意してみました。これを僕は今後「決断のフレームワーク」と名付けたいと思います。

今回は以上です。

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