サッカーチーム経営の意外な力学 | 面白法人カヤック

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2025.02.14

#面白法人カヤック社長日記 No.141
サッカーチーム経営の意外な力学

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さて、2025年2月の社長日記は、ちょうど1年前に資本参加した、JリーグのサッカーチームFC琉球の経営について書きたいと思います。

なぜ、サッカーチームの経営に参画したのか?と質問されますが、それは、地域資本主義を謳うカヤックにおいて、地域に根ざしたスポーツチームとは親和性があり、スポーツエンターテイメントビジネスは相性がいいだろうと考えたからです。

また、創業者の一人でもある久場の出身である沖縄という縁のある場所ということも1つのきっかけでした。

そして、1年経った今の心境としては、想定していたことではありましたが、サッカーチームの経営は、地域軸という意味では、カヤックが当初まちづくり事業を始めた時と同様に、ITビジネスとは時間軸がかなり異なることを実感しています。具体的には、まちづくり事業部でも同じように時間をかけて根付いていく必要性を学びましたが、さらに通常の会社経営の力学と異なる特有の難しさを伴うこともわかりました。一方でスポーツエンターテイメントビジネスの可能性も感じています。

ちなみに、「通常の会社経営の力学と異なる」という例を1つ紹介してみます。
例えば通常の会社の経営では、頑張って経営をして利益を出したら、経営者はよくやったと褒められます。ところが、スポーツチームにおいては利益を出して余らせるぐらいなら、それを選手人件費やチームを強くすることに投資して勝利につなげてくれと言われてしまいます。こういう別力学があります。

極端な話、経営を健全化してくれる経営者より、自分のポケットマネーをじゃぶじゃぶ使ってチームを強くしてくれるオーナーの方が歓迎されるという世界とも言えます。

一方でスポーツビジネスの可能性は、本当に改めてとてつもなく、ここまで人を熱狂させるものは世の中にそうそうないなと思います。今時の表現にするなら、推し活の究極系です。推し活市場はこれからもビジネスにおいては伸び続けると思いますし、推しのある人生は、非常に豊かなものです。

ちなみに、昨年優勝したDeNAベイスターズのオーナーでもある南場さんも何かのインタビューで、「ファンにならず経営だけやることはできる?」という質問に対して、
「スポーツは魅力がすさまじくて。それは難しいね」と答えています。

こんな風に、難しさもやりがいも感じた1年でした。

そして、実は、昨年サッカークラブチームの経営を通して気づいたことや、気になったことを書きしたためて、FC琉球の株主に報告しています。

例えばこんな感じです。

「選手人件費とチームの強さ」(2024年9月レポート)

さて、今回はサッカービジネスの選手人件費について書いてみたいと思います。

Jリーグでは、各チームのトップチーム人件費が、公開されています。
この人件費の中には、選手の人件費と、監督、コーチ、トレーナーなどの人件費も含んでおり、その詳細な内訳まではわかりません。

そして、それらを見ていただくとわかリますが、このトップチーム人件費とリーグ戦の最終順位にはある程度相関関係があり、人件費をかければかけるほどチームは強くなると言えます。

J3からJ2にあがりたいのであれば、J2並みの人件費を投資することで勝利の確率を上げようという力学が働きますし、J2からJ1に上がりたいのであればJ1並に投資をしようという力学が働く。そして、J1で優勝するとなったら、J1内の他チームよりも選手人件費をかけることが勝利の角度を上げていくということになる。

世界の事例では、なんとしても強くしたいチームが、過去にトップチーム人件費をかけすぎて、経営破綻してしまう。なんてことが起きているのもこのためです。

ちなみに、経営目線では、各チームのトップチーム人件費を頭に入れて、対戦相手のチームと、自分のチームを比較して見てしまうので、時に余計なバイアスがかかることがあります。
例えば、相手はうちの人件費の半分だから、勝たないとダメだな・・・とか、相手はうちの2倍だから、ここには勝つのはきついな・・・というようなバイアスです。

ただ、相関関係があるとはいえ、必ずしもそこに比例せず、大逆転(ジャイアントキリング)があるのがサッカーの面白いところです。ですので、常に勝てると思って望むような気持ちの強さをもつという意味では、そういう情報がない方がいいということも言えるかもしれません。

このトップチーム人件費とチームの強さの相関関係については、サッカーに詳しければ周知の事実なので、ネットで調べると、そこも加味した上で、リーグの順位予想などをするサポーターもいます。ちなみに、サポーター目線で考えると、皆リーグ優勝を目指していますので、そういった情報を知らない方が夢を持てるということはあるのかもしれません。

ただ、このように考えると、そのチームの評価として、少ない予算でチームを優勝に率いることはすごいことですし、リーグ内のトップチーム人件費の順番に比較して、リーグの順位が低かったか高かったで、評価されるような仕組みを作るというのも実はアリなんじゃないかと思います。仕組みというのは、単純に公式にそういったランキングを公開して、表彰するというようなことです。

この評価は、トップチームを率いる監督陣の評価とも言えますが、一方でその監督を選ぶ人事権は経営ですから、そのクラブチームの経営者そのものの評価とも言えるかもしれません。この仕組みによって、勝つこと以外の目標ができるかもしれませんし、お互いのトップチーム人件費を多少なりとも抑制することにつながりサッカービジネスの経営が健全化するということにも繋がる可能性があります。

現状かなりのサッカーチームが常に赤字ということもありますので。

ただ、一方でそうは言ったものの、トップチーム人件費に制限を設けてないのがサッカービジネスの面白さでもあるとも言えるかもしれません。(別のプロスポーツリーグでは選手の総額人件費にキャップを設けるというルールがあるところもあります)

例えば、選手人件費にキャップがないから突然すごい選手がきたりすることで日本のサッカーが盛り上がったり日本代表が強くなったりする。

あるいは、突然、オーナーが、じゃぶじゃぶお金を使って弱いチームが強くなる。オーナーが吹っ飛んでしまうと、次の年には突然弱くなるなんてこともありえますが。そんな予定調和ではないことが起きることこそが、ある種のエンターテイメントとしては面白いという見方もできるのではないかと思います。

ちなみに、オーナー企業の本業が悪くなれば、そこからのスポンサー費がなくなり一気に経営が苦しくなることは、世界を見渡すとよくある話のようです。

そのように考えると、本当に強いチームづくりとは、オーナーの状況に左右されずに、しっかりと地域の企業や、サポーターに支えられたクラブチームを作る。仮にオーナーチェンジしてもオーナーチェンジのたびに方針が変わるのではなく、そのオーナーは引き続きそのクラブが大切にしているものがバトンとして引き継がれていく。そのようなクラブチームの経営をし、トップチームの哲学を持ち、それをアカデミー(ユース)と言われるところまで浸透させる、そういうことが必要なんだろうと思います。

また、そもそも、地域の企業に支えてもらうためには、地域の企業との良い関係を築くことはもちろん、その地域経済が発展していかないと地域スポンサーも増えませんから、クラブチームがその地域の経済発展にもコミットしていく。そんな姿勢を持って長い目で取り組んでいくことが重要なんだろうと思います。まさに時間軸の長い、地域資本主義の実践です。

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こんな感じで、現状は、FC琉球の株主になっていただいた方などにレポートとして届けています。せっかくFC琉球に何らかの形で関わっていただくのですから、経営状況というものもリアルに伝えることで、より応援したくなるようにしようということです。
すでに何本も書き溜めていますので、いずれ本にしたいと思っています。

ちなみに、Jリーグの各チームの経営状況はかなりオープンに公開されいることはお伝えしましたが、その情報をみると我らFC琉球は決して経営状況が良いわけではありません。特に厳しいのが、スポンサー収入です。2023年の情報では、スポンサー売上がJ3の20チーム中18位という状況でした。つまり上記のレポートに沿って取り組むなら、地域の企業にもっと応援していただけるようにスポンサーを増やしていく、これが急務だということだなと思います。

とはいえ、そこには時間がかかりますので、奇策も考えてみました。

F C琉球から、緊急2025年のスポンサー募集

https://fcryukyu.com/sponsor/
Jリーグ初の広告企画が詰まってますのでご覧ください。

最後になりますが、自分の人生に推しのスポーツチームがいるというのは本当に人生が豊かに鮮やかになりますので、もしまだお気に入りのスポーツチームがない方は、ぜひFC琉球をよろしくお願いします。

今週末ちょうど開幕です。お楽しみに。

当日記の無断転載は禁じられておりません。大歓迎です。(転載元URLの明記をお願いいたします)

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