サントリーが人類以外の社員を募集!?森を会社に見立てたCSRキャンペーンが生まれるまで | 面白法人カヤック

Client Work

2015.10.22

#クリエイターズインタビュー No.41
サントリーが人類以外の社員を募集!?森を会社に見立てたCSRキャンペーンが生まれるまで

Client Work

2015年9月24日現在で、2万いいね!7000以上のツイートを獲得したサントリー天然水の森のプロモーションサイト「人類以外採用」。

この企画制作をカヤックで担当しました。今回は、サントリービジネスエキスパート社から宣伝部の中村勇介さん、小笠原慎也さん、岡ゆかりさんをお迎えし、プロデューサーの兼康希望、コピーライター長谷川哲士とともに制作の裏側を聞きました。

CSR活動を「やんちゃで楽しい」形で見せる

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― まずは案件の依頼をされた経緯と理由からお伺いできますか?

中村
2014年末にヤフーさんと開催したハッカソンにカヤックの社員の方にエントリーいただいたのが最初に出会ったきっかけです。ずっとお名前は存じ上げていたのですが、依頼は今回が初めてですね。
小笠原
ここ数年、大手流通のプライベートブランドの商品が伸長している状況があり、当社でも商品を超えて企業自体の価値を向上するため企業広告を打つべきと考え、いろいろ施策を行っていたんです。
昨年7月からはBOSSのCMに出演している「宇宙人ジョーンズ」が弊社の「天然水の森活動」を調査するために入社するというシリーズを展開しています。
企業広告なので幅広い年代のお客様に届けたいという思いがあります。そんな中、コーポレートブランドのアンケートを実施したのですが、特に若い世代の方が意外に商品名と企業名が紐づけられていないことが発覚しまして…。
そこで若い層に何か別のアプローチができないかなということで、Webチームの中村と相談し、カヤックさんにお願いしたんです。
「森を守り、良質な水を生み出せる環境をつくっている」ことを伝えようとすると、真面目な内容になりがちです。これまでも「押しつけがましくない」表現でサントリーらしさを出そうと意識してきましたが、今回はそれをデジタルでも追求し、楽しく学べる雰囲気を出せればと。

― 真面目だけどユーモアもある?

ええ。品のよさというか、IQが少し高めな中にも面白さがあるような。コンテンツに温かみと自然さがあって、身近に感じてもらえる形がいいねと話していました。

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森のスペシャリストのデータが鍵になった企画案

― ご依頼を受けた時とその後の流れを教えてください。

兼康
「森をつくる」という事実をどう広く伝えるかというお題に対し、お持ちした企画案をベースに一緒にディスカッションしながら考えられたのはとてもやりやすかったですね。
最初は提案もこれはサントリーさんがやるのは難しいかなぁと探り探りでしたが、いざ始まってみるとサントリーさんからの制約がほぼないのでびっくりしました(笑)。

― 例えばどんな案を?

兼康
森で録音した音をDJミックスしてもらうとか、「天然水の森」だから森で働く森さんを募集するとか。そこから、天然水の森に住む動物たちが実はおいしい水をつくる仲間だったら…というアイデアが出て、そこから森を会社に見立てる案が生まれました。
最初は「サントリー天然水の森の支社長にクマが就任」ってコーポレートニュースを出そうという話でしたね。

― 提案される企画をご覧になってどう感じられましたか。

若い人に興味を持ってもらえそう、話題になりそうという点ではどの案もよかったですね。でも「ファクトをしっかり伝える」という点では、今の案がずば抜けていました。
小笠原
真面目な活動を伝えると情報量が多くなりがちですが、自然に伝えられるという意味でもよかったです。採用サイトなら情報量も多いのが一般的ですから。

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― 確かに、面白さと丁寧さの中に内容が詰まっている印象を受けました。

初回のオリエン時に、天然水の森の活動の発起人であり書籍も多数執筆している、山田(山田健 氏/サントリーホールディングス エコ戦略部チーフスペシャリスト)からたくさんの情報をお伝えできたのは大きいと思いますよ。森のスペシャリストだけあって、私たちも知らないマニアックなネタをすごくたくさん持っていますから。
兼康
ええ。初回に取材させていただいたことで森への知識がかなり深まりましたね。

― その情報を具体化する上で鍵になったのが8種のキャラクターと。

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小笠原
はい。エピソードの面白さと生態系のピラミッドから選びました。楽しさが伝わりやすいよう各レイヤーのバランスを考えつつ、ネタが多くて語りやすい動植物たちをピックアップしていきました。
兼康
動植物たちそれぞれに名前をつけたのですが、ミミズミチコのことを「私と一緒じゃない?」って清水ミチコさんがつぶやいてくださったんです。そこから糸井重里さんもつぶやいてくれました。
長谷川
著名人の名前をもじろうと思っていたんですが、ミズナラはいい感じのが見つからなかったので、『スラムダンク』の桜木花道の「自らと〜る!」からミズナラトオルと命名しました。言わないと絶対誰もわかりませんが(笑)。
コピーもジーンとするものが多いですよね。中村の上司なんて、シイタケルに「涙が出た」と言っていたそうですよ。私はクマタカシが好きですけど、社内でも「誰が好き?」みたいな話をよくしましたね。
中村
クマタカシは人気ありましたよ、イケメンですしね。僕はミズナラトオルかな…周りのストイックな人はミズナラ好きが多かった気がします。

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小笠原
僕もミズナラトオルですね。どの動植物も、メッセージはもちろん、先輩社員紹介の口調や目線にそれぞれ個性があるのがすごいんですよね。
中村
感情移入しやすいのか「僕はこの社員に共感する」、「僕はこっち派」という反応をネットでも結構見ましたね。バリエーションの見せ方もよかったのかなと。

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プロモーションサイトの新たなチャレンジとギミック

― その感想をシェアする仕組みになっていますもんね

長谷川
シェアする際のバナー画像もたくさん用意してあるので、それだけでも楽しめると思います。

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兼康
ここは実は新しいチャレンジでしたけど、ちゃんとシェアして楽しんでもらえたようでよかったです。あと意外だったのが、動物や植物をアイコンにしているキャラ系アカウントからも相当数の反応があったこと。
キノコのアイコンのアカウントが「シイタケル先輩こんな所で働いてたの!」なんてコメントもあって、ネット界でも動植物は強いんだなあと(笑)。
中村
確かに、普段の商品プロモーションとは違う反応が多かったですね。参加してくれているというか、自分ならこうだ、という感じの反応をもらえて新鮮でした。

― 制作者として見て、やりたいことはほぼ実現できましたか?

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長谷川
はい、ソースコードに書く言葉を考えているときに「水と生きる」がスローガンの企業なのに「ミミズと生きる」なんて言葉使っても大丈夫ですか?と質問をしたら「全然問題ないですよ」って。マジか〜って驚きました(笑)。
中村
ミミズミチコがソースコードに出てくる意味について、「森の土はWebサイトのソースと同じなんです」とご提案くださった時に秀逸だなと思いました。しかも、ユーザーさんもちゃんと見つけてくれるんですよ。
トップページの波紋をどういうプログラムで書いてるんだろうと気になって、ソースコードを見るんだと思いますが、そこの合わせ技がすごいなと。

― そういう部分も含めて、世界観がブレなく表されていた気がします。具体的な指示はどうされたのでしょう。

兼康
今回、企画書上では面白いけど、実際に形にするとイマイチ伝わりづらい状態になりかねない企画だと考えていたので(苦笑)、通常パワーポイントなどでつくるワイヤーフレーム(ラフ)をPhotoshopでつくって、デザインイメージをデザイナーに指示し、そこからブラッシュアップしてもらう形にしました。
僕は元々デザイナーですので、デザイン的に重視する部分を視覚情報として具体的に伝えられたのでよかったですね。

― 写真などのビジュアルも図鑑的というか、美しいですよね。

中村
貴重なクマタカをはじめ、使える動物写真も弊社には豊富にありましたから。説明的な部分は版権写真と組み合わせてくださるなど、上手にまとめていただいたと思います。
「天然水の森」の活動を始めて12年ほどですが、ずっと専門のカメラマンにお願いして撮り続けているんです。例えば、鳥専門の方だと普通には撮れないアングルやスピード感で撮影されているんですよ。記録という意味ではそれもよかったですね。

― 今後の可能性も含め、プロジェクトを終えた今の感想をお願いします。

小笠原
今回デジタルの有効活用の可能性を大いに感じたので、もっと増やしていきたいですね。
中村
これからチャレンジしたい製品もたくさんありますから、まさにこれからの分野でしょうね。
「天然水の森」などの活動も、丁寧に説明をすれば皆さんが知的好奇心をくすぐられて興味を持ってくださるんですよね。今回そこの部分がうまく形にしていただけたなと思いました。
さりげなく企業のメッセージを伝えられるチームですし、合いそうな商品やお題があれば今後も積極的に一緒につくっていきたいですね。
「グローバル展開に沿って英語版や海外向けの企業広告展開も進めたい」と、さまざまな可能性を語っておられたお三方。カヤックのアイデアが、今後は海外にも広がっていくかも…少し近い未来が楽しみです。

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サントリー天然水の森「人類以外採用」
http://www.suntory.co.jp/company/cm/forest-recruit/

カヤックでは今回のようなWebサイトや、アプリ・デバイス等の制作を複数手がけています。

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