2026.06.04
#面白法人カヤック社長日記 No.157失言から、最高のアイデアが生まれる。『失言会議』が新しく刊行されます。

6月24日(水)に新刊がでます。
『失言会議〜チームで最高のアイデアを生み出す方法』というタイトルです。
『鎌倉資本主義』や『リビング・シフト』は、僕自身の考えをまとめたものだったので僕の名前で出しました。今回は、僕が書いたのはエピローグだけで、あとはカヤックの社員が主役の本です。だから今回は、面白法人カヤックとして出します。
なぜかというと、この本のテーマが「ブレスト」だからです。
カヤックは創業から26年間、馬鹿の一つ覚えのようにブレストをやり続けてきました。
その結果、社内の会議では普通の会社なら「ちょっとそれは……」と言われそうな発言が日常的に飛び交うようになった。いわゆる「失言」です。
でも、この失言をどう扱い、どうアイデアに変えているかは、僕一人が語れることではありません。カヤックの社員一人ひとりが、それぞれの現場でブレストと向き合ってきた日々の積み重ねです。だから今回は、カヤックの本としました。
第1章では「失言は個人の問題ではなく場の設計の問題である」という考え方を理論的に整理し、第2章・第3章ではメンバーたちがそれぞれの視点でブレストを語るインタビューを収録しています。第4章では実際のブレストの模様をまるごと載せています。
といっても、ブレストのハウツー本ではありません。
どちらかというと
「なぜあなたの会社の会議ではアイデアが出ないのか」
「なぜ発言したはずの人が、いつの間にか黙るようになるのか」
「なぜブレストをやっても盛り上がらないのか」
という組織やチームの悩みを、ブレストを通じて掘り下げた本です。
正直、カヤックもまだ完成していません。
ただ、26年間やってきたからこそ、みんなで言語化できたことが、かなりあると思います。
では 『失言会議』のプロローグの一部を公開します。
この本は、「失言はどこから生まれるのか」という問いから始まります。
どうぞお楽しみください。
ーーーーーーーー
〈プロローグより抜粋〉
01 「失言」とは、そもそも何を指す言葉なのか
「失言」という言葉は、とても便利です。
- 政治家が不用意な発言をしたとき
- 企業の幹部が不適切なコメントを出したとき
- 会議で空気を凍らせるような一言が飛び出したとき…
私たちはそれを、すぐに「失言」と呼びます。しかし、少し立ち止まって考えてみると、この言葉はかなり曖昧です。何をもって「失」なのか。どの時点で「失敗」と確定するのか。その基準は、とても不明瞭なのです。(中略)
つまり「失言」とは、内容そのものというよりも、文脈に対する不適合を指していることが多いのです。
企業内の会議でも同じことが起きています。たとえば、新規事業の企画会議で、ある若手社員が「そもそも、この市場って本当に伸びるんですか?」と言ったとします。その瞬間、場が凍りつく。上層部はすでに市場成長を前提に話を進めている。プロジェクトリーダーは数か月前から準備している。投資計画も動いている。その中で「前提」を揺るがす問いを投げたその一言は、場の流れを止めるものとして扱われ、後でこんなことを言われます。
「あの発言は、ちょっと不用意だったね」
「タイミングを考えよう」
「今は前向きな話をする場だから」
そして、その発言は「失言」として処理されます。(中略)
しかし、本当にそうなのでしょうか。カヤックでは、会議で発言したら憚られる「失言」にこそ、実は特大のアイデアの種が隠れていることがあります。(中略)
02 「失言」は個人ではなく場の設計の問題
(中略)では、なぜカヤックではこうした発想が潰されずにアイデアに育つのか。
カヤックでは、「失言」はほとんどの場合、個人の問題ではなく、場の設計の問題だと考えています。「失言」が生まれる場には、いくつかの共通条件があります。
第一に、発言=責任になっている場。一度口にしたことは、その人の正式見解として固定される。撤回や修正が許されない。仮説や思いつきも、「立場表明」として扱われる。
第二に、発言=結論になっている場。会議は常に「まとめる」方向に向かっている。意見は素材ではなく、最終判断の候補として扱われる。
第三に、発言=決定になっている場。上司が言えば、それは方針への異議として解釈される。役職が高い人の一言が、そのまま方向性を規定する。この三つが重なったとき、場は一気に緊張します。発言するという行為が、即座に「責任」「立場」「評価」と結びつく。
そうなると、人はどう振る舞うでしょうか。
- 無難なことしか言わなくなる
- 正解らしきものを探す
- 上位者の意向を推測する
- 沈黙する
そして、たまにその枠を外れた言葉が出ると、それが「失言」として扱われる。
ここで重要なのは、その発言が本当に不適切だったかどうかではありません。問題は、その場が「試しに言ってみる」ことを許していなかった、という点です。(中略)
カヤックでは長い間、「なぜ会議では人が急に保守的になるのか」という問いを持っていました。個人の性格では説明がつかない。優秀で率直な人ほど、会議では沈黙することがある。その理由は、場の設計が、発言を過剰に重くしているからだと気づきました。つまり、「失言」が生まれるのは、発言が重すぎるからなのです。
(続きは本書で!!)
ーーーーーーーー
そしてもうひとつ。本書の読者限定で、2つの特典を用意しました!
ひとつは、カヤック社員とのブレスト30分無料チケット
鎌倉オフィスに本を持ってきていただければ、実際にブレストを体験できます。
もうひとつは、本書でも紹介しているブレストカードの23%OFFチケットです。
詳しくはこちらをご覧ください。

バックナンバー#面白法人カヤック社長日記





Facebookページ
公式X
代表柳澤のX