2026.05.28
#面白法人カヤック社長日記 No.156社長を極めていくと、 プライベートではポンコツになる話

経営者という職能を極めていくと、どのような能力が高まっていくのか。
それはズバリ「決断力」だろうと思います。
なぜなら、最終決定をするのが社長だからです。
少ない情報で迅速に意思決定をしていく。それが極めて得意になっていきます。
少ない情報というのは、一見すると第三者にはそう見えるだけで、実際には社長なりの意思決定のセオリーがあります。自分なりのセオリーに沿った最低限の情報さえあれば、全部が揃わなくても意思決定できる、という経験を積んできています。
迅速さを大事にする理由は、意思決定にはミスがつきものだからです。ミスをしてもすぐに軌道修正する柔軟さをいつしか身につけていく。
それゆえ、早く意思決定する方がミスしたときの致命傷が少ない。これはビジネスにおいては鉄則です。
そのため、意思決定はどんどん早くなります。結果として「朝令暮改だ」と言われることもしょっちゅう、というのが経営者なのではないかと思います。
これは、経営者という立場においては極めて必要な技能です。
ところが、プライベートに持ち込むとどうなるか。
ビジネスであれば、反対されたら「では別の手を考えよう」と、すぐ次の案に向かうことはプラスに働きます。しかしプライベートにおいては、反対されたからといって次々に別案を繰り出すのは、時に悪手になります。
先日、大切な人に僕からある提案をしました。すると「ちょっと気乗りしない」と言われました。
僕は「なるほど、ダメか」と即座に判断し、その提案を撤回し、すぐに別案を考えてバックアッププランを走らせ始めました。
ところが、です。
相手は相手で、一度反対したあとにじっくり考えていたようなのです。
そして「やっぱりその案でやってみようかな」という気持ちになっていた。
でもその頃には、こちらはもう次のプランを動かし始めている。
結果、「早すぎてついていけない」ということが起きました。
僕としては「反対された」→「別案を考える」という、経営では当たり前の高速意思決定をしただけなのですが、相手からすると「まだ考えている途中」だったわけです。
このような時、意思決定のプロセスとして「反対を吐き出すこと」 「それをただ聞くこと」そのものに意味があります。反対していても、最終的にはその案が良いと思うこともある。
つまり、意思決定を急ぎすぎない方が良い場面も多いということです。
経営においては「早く決める」は正義です。
ですが、プライベートでは「一緒に考える時間」そのものが大事だったりする。
つまり、経営者という職能を極めれば極めるほど、プライベートではポンコツになっていく。
優秀な経営者ほど、家ではちょっと残念な人になる。そんなことなのかなと思います。
でも、もしかしたら鍛えた能力を適用する場所を間違えているだけで、切り替えられるようになればいいだけなのかもしれません。
そこで、ChatGPTに聞いてみました。
「経営者がプライベートで能力を切り替えられるようになるには、どうすればいいですか?」と。
すると返ってきたのは、
「強い能力ほど、無意識に常時発動されるのが本質」
「かなり難しいですが、自分をメタ認知し、意識的に切り替えてみてください」
という返事でした。
もしかするとこれは経営者に限らず、ある領域で強くなりすぎた人に共通する現象なのかもしれません。
脱ポンコツ、がんばります……。
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