生涯の師とは一体どういうことなのかという話(前編) | 面白法人カヤック

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2020.05.18

#面白法人カヤック社長日記 No.70
生涯の師とは一体どういうことなのかという話(前編)

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この社長日記が掲載される5月18日現在は、感染者数こそ日本においては減少傾向にあるものの、いまだニュースはコロナの話題が大半を占めています。人々の関心ごとが何かに集中しているときは、いくら違う話題をしても注目されないものなので、どうにかそれに寄せて発信するしかない。・・・というのが我々が過去に仕事経験から学んだことです。

たとえば、GWに向けてカヤックが出したニュース「おうちでゲームばかりしている子どもたちに耳寄り情報!大会で食べ物をもらって、おうちの家計を助けよう!」という企画も、もともとオンラインでのゲーム大会運営をカヤックではいくつも手がけてきましたが、それを半ば無理やりコロナを逆手にとった企画にしたことで、各種媒体で取り上げてもらうことができました。

そんな感じなので、社長日記も多くの人に読んでもらうためには、本来は、コロナに寄せて書くというのが鉄則なのでしょうが、いかんせん僕が時事ネタにはあまり気乗りがしないということもあり、ここ数ヶ月はむしろ発信を怠ってきていました。

まずいまずい・・・。

カヤックもほぼ全社員が在宅勤務になっていますので、意外と普段よりも時間があるので、むしろ社長日記を書かなければいけないのですが、忙しいときの方が体に鞭打って書いてました。こりゃいかんなと思って、筆を執りました。

今回は、今年の2月、自身にとって恩師でもあり生涯の師とも呼べる人が亡くなったので、そのことについて、前編後編に分けて書いてみようと思います。

まず、最初に「恩師」「生涯の師」と二つの表現を使いましたが、この二つの存在の違いは何でしょうか?

僕はこのように考えています。恩師は、自分の人生のある時期、自分の人生を変えるようなきっかけを与えてくれた人、です。つまり、会うたびに自分に助言を与えてくれるような人である必要はなく、影響を受けたのが、人生でたった一回でもあるのであれば、それは恩師であり、逆にいうとそういうきっかけを与えてくれる人なら、それは誰もが恩師になり得るということです。

僕でいえば、たとえば起業するきっかけとなるような助言をいただいた人や、自分が落ち込んでいた時に、その人のたった一言で救われたとか。あるいは、この人によって苦しめられたけど、逆にすごい学びがあった。とか。そんな人が、思い当たるだけでも過去にたくさんいて、その人たちは皆、自分にとっての恩師です。

一方で、生涯の師とはどういう存在でしょうか。それは、会うたびに必ず自分にとっての気づきやヒント、あるいはやる気をもらえるような人です。つまり自分の人生において一生変わらず師と仰ごうと思える人です。こういう人はなかなかいません。

ある種の宗教では、夫婦関係以上に師弟関係の方が深いと言われることがあるように、自分の生涯において、そんな風に師と思えるような人はそうそういるものではありません。

僕も自分が師と仰ぎたいと思える人、それは何人かいますが、人数としては一桁台です。そして逆に一方で、自分のことを生涯の師匠と呼んでくれるような弟子がいるかというと、これもまた、極めて少ないような気がします。いやむしろ、いるのかどうかすら怪しい。

今年の2月に亡くなった僕の師は、生涯の師でした。もともとは、僕が中学時代に通っていた地元の個人塾の塾長です。卒業してからも毎年のようにお会いする機会がありましたが、会うたびに気づきと学びをいただきました。その具体的な気づきの例は、後編に紹介したいと思うのですが、前編では、そもそも生涯の師とはどういう人なのか? について考えたことを少々書いてみたいと思います。

1:自分がこの人のようになりたいと思える人である
当たり前のことを書きました。そうじゃないと生涯の師にはなれないのだと思います。自分がこの人のようになりたいと思える人というのはどういう人なのか? この価値観は本当に人それぞれです。たとえば、カヤックでも面接の時によく聞く質問があります。それは「将来どうなりたいと思いますか?」という質問です。その時に、お金持ちになりたいとか、こんな事業をしたいとか、比較的ものや事象に対してフォーカスしている人と、常に明るく笑っていられる人間でありたいとか、人に頼られる存在になりたいとか、人格面にフォーカスしている人もいます。そういう意味では、僕は完全に後者のタイプなので、生涯の師と呼べる人は、自分の仕事とはまったく関係なくどんな人格かということにおいて、こういう風になりたいなという人が多いように思います。

2:自分のやりたいことを続けていて成長している人である
生涯の師と、ある一時期においだけ師である人の違いは何かと言うと、会った時に、昔は気づきがあったけど、久しぶりに会ったら同じことしか話してなくて、意外と気づきがなかったということなのではないかと思います。
そもそも師が欲しいという動機は、自分が貪欲に成長したいという思いから来ています。そして成長するということは、弟子がある時、師を超えるということがどうしても起きるのだと思います。そんな中で、ある人が生涯の師であり続けるためには、その師自身も、貪欲に成長し続けてなければならない。これが意外と難しいのではないかと思います。人は途中で、まぁまぁこの辺でいいかと妥協してしまう生き物です。若い頃のようにがむしゃらに成長はできなくても、現状維持でいいと思ってしまったが最後、それは時に老害にさえなり得てしまう。そういう人からは気づきを得られないし、誰かにとっての生涯の師にはなり得ないんだろうと思います。

3:他者(自分・弟子)の成長に本気でコミットできる人である
一方で、自分の成長にだけ貪欲で、他者への成長にコミットできないというのもこれはまた子供っぽすぎます。他者の成長も自分の喜びと感じられるような器がなければ、生涯の師という存在になれるわけがありません。その人と会うと、自分の成長を喜んでくれている。そう感じることができないようであれば、その人は自分にとっての生涯の師ではないのだろうと思います。

4:その人にも生涯の師と言える存在がいる人である
自分が弟子になったことがある人しか、師になれない。これはよく聞く話です。
つまり自分にとっても生涯の師がいる人しか、自分が誰かにとっての生涯の師になるということはできないんだろうと思います。ここは意外と深いです。この人は素晴らしい人だな。一生ついていこうと思う人はみなさんどれぐらいいるでしょうか。いっときはそう思っても、実際は途中で、そうでもないと気づき、鞍替えする。これはある種、師側の問題とも言えますが、もしかしたら弟子側の問題かもしれないのです。一度師と仰いだ人を何かのきっかけで、ころっと評価を変えて見切ってしまう。そういう人はおそらく、自分自身が生涯の師にはなれないんだろうと思います。生涯の師という連鎖を脈々と保てる人だからこそ、自分もまた、誰かの生涯の師という存在になれるんだろうと思います。
僕自身は、いまだ修行中の身なので、自分自身が生涯の師という存在になっているかは甚だ怪しいですが、自分にとっての生涯の師がいるので、きっといつかそう呼ばれることもあるんだろうと思って楽しみにしています。

今回は、以上です。後編は、生涯の師であるその先生についてのエピソードを書いてみます。

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