共創でつながる集合住宅 プロジェクト付きアパートメント、 スタートします。 | 面白法人カヤック

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2020.01.11

#面白法人カヤック社長日記 No.66
共創でつながる集合住宅 プロジェクト付きアパートメント、 スタートします。

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家族とはなんでしょうか。「同じ家に住み生活を共にする、配偶者および血縁の人々」というのが狭義の意味になります。ただ「家族のようなもの」という広義の意味に広げるなら、家族の形というのは色々あると思います。

創業社長という立場の人間であれば大半は、おそらく社員のことを家族のようなものと考えているでしょうし、師と弟子というのもある種の家族に近いかもしれません。

いわゆるほんとの家族でも絶縁状態になっている人もいれば、会社の同僚でも家族以上に親密なこともある。人のつながりの濃さというのは、必ずしも家族の形に捉われず、ケースバイケースで決まるものなのでしょう。

僕がそれを実感したのは、東日本震災が起きた時です。会社はすぐにおやすみになったのですが、その時でも毎日会社に来たメンバーがいました。家にいても不安だし、誰かと一緒にいた方が安心という心理状況もあったのだろうと思います。その時「あぁ、会社もひとつの家族なんだな」と思いました。

鎌倉の地域活動であるカマコンもそうです。同じ地域に住んで、地域をよりよくしようと一緒にプロジェクトに参加したメンバーも、深いつながりで結ばれていますし、困ったときはお互い助けようという家族のような存在だと感じています。

会社のメンバーもカマコンのメンバーも、どちらもきっと一緒に住んでも十分楽しいんだろうなと。

で、ふと思ったわけです。

共通の目的を持って一緒に何かのプロジェクトに取り組むということは、家族というものを形成する重要なファクターなのかもしれないなと。

従来のいわゆる家族も、一緒の家に住んで、子育てしたり、家庭というものを一緒につくるというある種のプロジェクト。共同で取り組むプロジェクトを通じて、理解も深まるし、仲良く一緒に過ごせるのではないかなと。

つまり、同じプロジェクトの目標や価値を共有できれば幸せでしょうし、そこが掛け違うと不幸せになる。

会社というものは、もともと多種多様な人が集まって、プロジェクト(仕事)をするための器です。だから価値観の違う人たちをどうやって意識を合わせるかとか、一緒にプロジェクトを達成するためにどうやってお互いを成長させるかを必死に工夫します。

それで一緒に何かを成し遂げた時は非常に嬉しい。たとえ価値観が違った仲間でも、共通のプロジェクトを達成するという目的は一緒なので、チームもまとまります。

だからこそ会社においては、「誰とするか」よりも「何をするか」が重要だと普通は言われます。でも、やっぱりそうは言っても価値観やスタイルも重要ですし、どうせなら面白い仲間と楽しんで働きたいですから、カヤックでは「何をするかよりも誰とするか」と発信してきました。

一方で、いわゆる家族というものは、今では恋愛結婚が圧倒的に多いですから、価値観が合う人を選んで結婚したり一緒に住んだりするわけです。つまり「何をするか」よりも「誰とするか」が重要というところからスタートします。だからこそ価値観の不一致を理由に離婚したりするわけですが、むしろその場合、家庭の問題をプロジェクトとして捉え、どうやったら一緒にそのプロジェクトを達成できるか、つまり「何をするか」こそ重要だと逆に考えてみるぐらいの方がちょうど良いのではないでしょうか。つまり、どんな家庭をつくりたいのか、どんな子育てをしたいのか、それらをプロジェクトと見なし、ちゃんとマイルストーンを決めて、PDCAを回していく。その共通の目的に向かって一緒に達成していく喜びがある。もちろん目的は必ずしも達成することが絶対ではありません。会社であれば掲げた目標は達成しなければ責任問題ですが、カマコンのような地域活動やいわゆる家族においては、共通の目的に向かって一緒に活動するそのプロセスそのものにも価値があるので、たとえ達成しなくても楽しい。

価値観の不一致という理由だって、プロジェクトだったら価値観というものをちゃんと言語化します。果たして家庭内で共有する価値観を言語化しているでしょうか。家訓というものなどはある種、その言語化のひとつなのでしょう。

最近では、家族のあり方も多様化しています。僕が証人(婚姻届に印鑑を押して見届ける人)をした鎌倉在住の夫婦は、小さな子供もいますが、友人知人と一緒に住んで、みんなで子育てしたり夕食を毎日つくります。一つ屋根の下で子育てや家事を皆で共有する「シェア家族」「拡張家族」として、日本経済新聞の特集記事で紹介されていました。

このような流れは今後増えていくと思います。この夫婦はとても性格も良いので、僕もなんなら一緒に住みたいぐらいですが、良い価値観の仲間が周囲に集まって、きっと仲良く暮らしていくのでしょう。

どうせなら住んでいて最高に楽しい方が良い。そのためには、一緒に住む以上、子育てにしても家事にしてもプロジェクトとみなしたアプローチが必要です。価値観そのものも言語化するアプローチも必要だと思います。その方が、双方にとってよりハッピーになります。

家族というものにプロジェクトを持ち込む。逆にいうとプロジェクトを中心とした家族をつくる。
共通のプロジェクトというのは何も子育てである必要はありません。これからは、子供のいない家族もいっぱいいるし、独り身の人もいっぱいいます。

たとえば、一緒に家庭菜園をしようなんてのも良いですね。一緒につくった作物を夕食に皆で食べる。ちゃんと役割分担を決めて。

あるいは、様々な動物と一緒に住む動物園のような集合住宅。一緒に世話をしなければならないし、なんなら近所の子供たちに開放しようなんて方針にしたら、プロジェクトとして楽しい。

土佐犬をみんなで育てて闘犬として試合に出すことに協力し合う集合住宅なんてのも面白いかもしれません。ニッチですが。

もちろん、みんなで介護を手伝う介護ハウスのような、すでに始まっているスタイルもそうです。これなど王道といえるかもしれません。

ポイントは、プロジェクトとして、方針や目標をしっかりと言語化する、そして、そのプロセスを楽しむ。方針が合わなくなったり、それぞれのフェーズが変われば退出自由。出入りも自由にする方が良いかも入れません。そう考えると、どちらかというと賃貸の集合住宅向きなのかもしれませんね。

ということで、新しいプロジェクトが立ち上げることにしました。
鎌倉で。
カヤックの子会社である鎌倉R不動産のプロジェクトです。
共創でつながる集合住宅。プロジェクトを通じて、みんなで仲良くなる。第1号物件は、鎌倉・稲村ガ崎。ハーブガーデンのある集合住宅で、みんなでハーブを育てる。家族が再定義されていく時代の、新しい形の集合住宅です。

「プロジェクト付きアパートメント」
プロジェクトの立ち上げを一緒にやってくれるメンバーを募集中です。
また、プロジェクトの進捗状況も随時報告していきます。

当日記の無断転載は禁じられておりません。大歓迎です。(転載元URLの明記をお願いいたします)

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