株取引をするカブが本当に誕生!?ベジタルトレーダーカブ子さんが誕生したワケ | 面白法人カヤック

Client Work

2014.05.01

#クリエイターズインタビュー No.23
株取引をするカブが本当に誕生!?ベジタルトレーダーカブ子さんが誕生したワケ

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4月1日、マネックス証券が発表した「ベジタルトレーダーカブ子さん」。カブの生体電位の変動で相場を判断し、自動的に株の売買に挑戦するなんて、ずいぶん凝ったエイプリルフール…と思いきや本当にウソ企画にトライしてしまう展開に。この企画を担当したディレクター 首藤まり江、アートディレクター 佐々木智也、エンジニア 川名宏和に制作の裏側を聞きました。

意識してつくった「知性のある嘘」

—— マネックス証券さんですが、カヤックでは初めてのお仕事ですよね?

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首藤
そうですね。当初は「マネックス証券の知名度をあげたい」というご依頼で、実はエイプリルフールメインの案件というわけではありませんでした。

—— そうだったんですか。

首藤
「カブで株取引」というストレートでインパクトありそうな案を提案したら、思いのほかよい反応をいただけたんです。そこで時期がたまたま近かったので、まずはエイプリルフールに「カブ子さんをつくる」というネタを出し、その後に「本当に挑戦した」という流れにすれば話題づくりの波が2つできるよね、と。

——「カブで株取引」というダジャレ案はどこから出たんですか??

首藤
いつもそうなのですが、企画についてアイデアを出し合うブレストですね。植物の生体電位を活用する試みは、実際にあるものなので株取引にも使えるんじゃないかなとは思っていました。

—— 第一弾をエイプリルフール企画に充てていますが、ウソの扱いは難しくないでしょうか? 制作時に意識したことなどありますか。

首藤
自社企画でもクライアントワークでも変わらないのは、ウソなんですけど、それが本当にある世界を意識して、徹底的につくりこむことですね。
佐々木
企業のエイプリルフールネタも、毎年ウソのハードルが年々上がっていますからね。カヤックはこの分野を得意としますし、今回であれば「カブが株取引する」ことにある程度の信憑性が感じられるレベルまでつくり込むように気をつけました。ウソと気づくまでの時間がこういう企画の楽しさなので、そこを適切に設定しつつストーリーも考えるという感じです。

—— 金融業界は信頼が重要な業界ですし、特にバランスが難しそうですね。

佐々木
ええ。商材自体の性質もありますし、変なツッコミが出ないようにも注意しました。ダジャレから始まっている企画だけに、何も考えずに進めるとふざけた調子になりがちなので、知的なトーンで、リアリティのあるウソにしなければなと。

—— なるほど。ターゲットはどういう層を想定していましたか?

佐々木
普段株取引をしない若い世代ですね。オンライン証券業界において、若い世代にも幅広くマネックス証券の名前を知っていただくこともミッションの一つでしたから、特に親しみやすさを意識しました。その上で、シンプルなネタをどれだけ膨らませられるか、コンテンツとして厚みのあるものにできるかを考えていきました。

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佐々木
意識したのは、金融というデリケートな業界性を考慮しつつも、ほどよいチャーミングさを加えることです。例えば、大まじめな開発をする一方で、壮大なSF風のサイトには変なアイコンや蕪が無駄に動いています。この辺は開発にはまったく無関係ないのですが(笑)。

—— 確かに、見た後でクスッと笑ってしまいました。動画にはマネックス証券の松本大社長まで出ていらっしゃいますね。

首藤
はい。お忙しい中、快く協力してくださいました。流れだけお伝えし、あとは自由に話してくださいとリクエストしたのですが、かみ砕いてくださったおかげで、わかりやすくなりました。実は、「野菜なくして、生き物はないし。生き物なくして、マーケットなし。」という名言は松本社長のアドリブなんですよ。
佐々木
チーフストラテジストの広木隆さんのトークも絶妙でしょ。知見に基づいてお話してくださいとお願いしたら、ものすごく説得力のある動画になって驚きました。

—— クックパッドへのリンクなども面白いですね。

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佐々木
これはとっさの思いつきだったよね。システムが決してあやしい存在でないことを伝えるために「使用後はカブを料理して食べて」というくだりを入れたんですが、せっかくならおいしく食べてもらおうと。そこでクックパッドさんにリンクを貼ってよいかお願いしてみたらすんなりOKをいただけたんです。
首藤
リンク先で「ズコーッ!」って笑える感じになればいいなと思っていたので、ここは個人的にお気に入りの項目です。

生体電位・ミーツ・トレーダーシステム

—— でも、カブ子さんの開発は正直かなり大変だったのでは?

首藤
植物から電気を取る技術は既にありますが、カブで可能かどうか、そして株取引のデータに使えるかどうかは、最初はわからなかったですからね。理屈としては可能だろうという感覚があった程度で…。

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川名
電極を刺しても電位が取れたかがわからず、カブを土に埋めた状態で一日中放置してグラフ測定した日もありました。電子回路も内製なので設計図が正しいかどうか確認したり、医療用の脳波測定器をつけたりと環境が整うまでにもいろいろありました。葉と茎と白い部分で電位の取れ方が違うという発見もありましたし。

—— へえ!

川名
これは関連書籍を読み、実際に研究されている方にお話を伺いに行く中でわかったことなんです。内容をチェックしていただいたり、意見を伺ったりすることで開発が進むようになり本当に助かりました。

—— どこかの研究室に繋がりがあったんですか。

首藤
いえ。参考にしていた『植物生体電位とコミュニケーション』という書籍の執筆者の方に直接問い合わせました。

—— でも、トレーダーシステムは既存の物ですよね?

川名
そうです。電位が検出できたら次はどうWeb上のトレーダーシステムと繋げるかを考えなくてはなりませんでした。電流をアンプで増幅しつつ、取引時間である日中を狙って、うまく売買できるかどうかのチェックを何度もしていました。

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佐々木
右が銘柄表示で、一番上の青い部分が現在取引されている銘柄です。左で動いているのがカブの電位を数値化してビジュアライズしたグラフです。これは、一定の数値を超えたら買い、下がったら売るようになっています。その結果は右下の「キャッシュフロー」欄に表示されます。
黄色い棒グラフもカブの電位を元にしたデータで、銘柄の上がり幅ランキング2位を抽出します。つまり、左で銘柄を選び右で取引する、という行動を交にやる仕組みです。

—— これは…すごいですね!

佐々木
広木さん曰く、今は天才プログラマーにつくらせたシステムやスーパーコンピュータを駆使して取引する投資家が多く存在するそうです。ネタとして語ってくださったことではありますが、そういった状況に自然の力をもって対抗することで現代の金融市場に一石を投じるものになったのではないかなと。

—— さらに信憑性が出てきましたね。

佐々木
まあ、これは後づけですけどね(笑)。

—— この企画に関わってのコメントをお願いします。

首藤
企画としてまとまるのかな〜と少し心配していたものが、実際にカタチになったので驚いています。エイプリルフール企画はネタ勝負で終わってしまう部分もありますが、カヤックにはデバイスを制作できるチームがありますし、その成果をお披露目することができました。
佐々木
Webキャンペーンのみだとキャンペーン終了後にはサイトが消えてしまうので、一過性のプロモーションとして捉えられがちです。それだけに、動くプロダクトやアプリケーションの開発にトライできたことには意義があると思います。今後のプロモーションの試金石のような存在になれば嬉しいですね。

—— いろんな場で活用していただけそうですよね。ありがとうございました。

カブ子さんの特設サイトには「プロジェクトX」風の開発過程を描いたムービーも掲載されています。このまったく新しいトレーダーシステムにご期待ください。

野菜史上初!株取引するカブ!ベジタルトレーダー「カブ子さん」
http://www.kayac.com/service/client/1157

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