2023.01.12
#面白法人カヤック社長日記 No.1142023年の社長日記の決意。 ひとつのテーマで12ヶ月続けます。
皆さま、あけましておめでとうございます。
どうぞ今年も面白法人カヤックをよろしくお願いします。
さて、2023年の社長日記は、ひとつのテーマに沿って、1年を通して書いてみようと思います。社長日記との名付けどおり自由気ままに書いてきましたが、今年はカヤックの創業25周年という節目でもあります。
考えた結果、テーマは「上場について」にしたいと思います。
そもそも、面白法人と名付けた僕らが上場を目指そうとしたとき、「面白法人は、上場には向いてないのではないか?」と何度か言われました。今となっては、そのアドバイスの真意はよくわかりますし、上場するにあたって変えなければいけなかったこともありました。そんなカヤックが上場をしたのは2014年です。8年が経ち、今年で9年目を迎えます。
これまでも「上場してどうですか?面白法人は変わりましたか?」と聞かれることはありましたが、僕らは意識的にあまり多くを答えてきませんでした。上場したばかりでは、上場したことによる良い体験も悪い体験もしていない。それでは理解もまだ浅く、語ることはできないと思ったからです。たとえば起業して1年しか経っていない起業家が起業とはなんぞやと話してもさほど説得力がないと感じるように、僕たちが上場について語ることはあまり意味がないように思えました。
上場してからの3年間は、上場時に株主に約束した30パーセント成長を果たせましたが、その後、ゲーム事業を大きく外したことで、業績が振るわず、2期連続の赤字を出し下方修正をしてしまいました。その結果、企業存続に関するリスクについて、特別な情報開示を求められました。そして、このまま債務超過が続くとあわや上場廃止という中で、経営者として不退転の覚悟でのぞみました。
ちなみにその時の社長日記がこちらです。
「2019年12月期通期業績予想修正のお知らせと、これからの覚悟」
その後、2020年、2021年にはV字回復をし、黒字化、上方修正、過去最高益を達成となりました。
また、昨年(2022年)には、市場からの資金調達の計画を発表し、さらに年末には子会社の上場という大きなイベントもありました。
まだ10年余りで、上場企業としてはまだ新米ではありますが、浮き沈みを自分たちなりに経験したところで、上場というテーマで、今年1年、社長日記を書いてみたいと思います。
僕たちが実体験からわかったことや、そのエピソードを紹介しながら、全体を通してこの1年で考えてみたいことは、この資本主義社会において大事な役割を担う上場企業という存在をどうしたらよりよくしていけるかです。
この経済中心の社会において世界をよりよくしていくためには、上場企業のあり方、あるいは上場市場のルールそのものの変化がとても重要なのではないかと思います。そんなことを、皆さんと一緒に考える機会にしていければと思います。僕らの経験がそこに多少なりとも貢献できれば幸いです。
上半期は、上場準備の過程について。そして、下半期は、上場後について書いていく予定です。
上場するまでの話は、当時と今では上場に対する状況も異なっているところもあるかもしれませんが、これから上場を目指そうという起業家の皆さんにとって参考になればと思い、記憶を辿りながら僕らの経験を中心にお伝えします。
一方で、上場後のことは、こちらは必ずしも起業家のためという視点ではなく書きたいと思っています。上場企業にまつわるさまざまなステークホルダーの方、たとえば上場企業につとめる社員の方などにとっても、あらためて上場企業という生き物の理屈や理解を深めるきっかけになればと思っています。
では、2023年もどうぞよろしくお願いいたします。
当日記の無断転載は禁じられておりません。大歓迎です。(転載元URLの明記をお願いいたします)
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