面白法人カヤック

トップへ戻る
ツイ

Corporate

2017.08.10

#面白法人カヤック社長日記 No.30
組織の成長とともに変わる 社長の人材の口説き方

Corporate

VR

先日、創業間もない小さな会社の社長が、とある人材を採用しようとする場面で、こう口説いていました。

「自分の食い扶持(ぶち)さえ稼いでくれれば、自由にやってくれていいですから」と。

この口説き方を聞いて、ふと思い出しました。僕も昔、そういう口説き方をしていたことがありましたが、最近では、いまひとつしっくりこなくなったなと。

もう少し、細やかに解説してみたいと思います。

「自分の食い扶持は自分で稼ぎます」という人は、相手に損をさせないぞという覚悟のある人ですから、実力がある人というケースが多い。ですから、そういう人はなんとしてでも採用したい。

ただ、それだけ実力がある人は、現在の環境で自由を謳歌していることが往々にしてあり、また報酬面においても高水準であったりします。そんな人を、つくったばかりの小さい会社に口説くのは、勇気のいることです。その報酬が払えるかどうか、心配する気持ちもどこかであります。だからこそ「自分で自分の食い扶持ぐらいは稼いでほしい、そのかわり自由にどうぞ」、そんな口説き方になったりするのです。

ところが会社がどんどん会社らしくなってくると、経営者のこうした人材観も徐々に変わってきます。

「実力がある人ほど自由を謳歌している」という上記の文面の中における「自由さ」とは、勤務時間に縛られないなどのいわゆる表面的なルールのことです。どのような組織においても、実力のある人は、そういったものからは不思議と解放されていくものです。

しかし、そういう実力のある人間は、周囲が放っておきません。自然とリーダーに押し上げられていく。そして立場が上になると、おのずと責任が増します。結果として、ある種の不自由さが逆に生まれてしまうのが面白いところです。

「自由にやってください」とこちらから積極的に口説きたくなるような人材は、本来会社のリーダーになってもらいたい人が多いので、「自由にやってください」というよりはむしろ「会社で働くという、ある意味において、面倒で不自由なルールを受け入れてください。そして、それを率いるリーダーになってください」とオファーする方が、意外としっくりくるのではないか。

さらに言うなら、実力のある人ほど案外と自分を律することができるので、ことさらに自由を主張することも少ないように思います。

自分自身の、この人材観の変化は一体何なのか。

ひとつは、単純に僕が年を取って、自由というものへの興味が相対的に薄れたということなのかもしれません。自由への渇望は、若さの証明ともいえるからです。年を取ると、ルールがある方がむしろ楽になる。気をつけなければいけない老化現象です。

あるいは、ただ会社が成長したということなのかもしれません。「自分の食い扶持を自分で稼いでください」という考え方は、自分自身も含めて、働く人として持っておくに越したことはない覚悟です。しかし、カヤックという会社が成長したことによって、人が増えるということが、足し算から掛け算の論理になってきた面があり、実力のある人材に対して「自分の食い扶持を稼いでね」と言う必要もなく、比較的安定した条件を出せるようになった。つまり会社のフェーズが変わって、自分ひとりの食い扶持を考えるよりも、組織全体がどう伸びるかを考えてもらった方がよい段階にやってきたということなのかもしれません。

さらに言うなら、明らかに何かが欠落しているけども、ある部分で突出した才能がある。今も昔も、僕はこういう人が大好きです。そしてそういう人は、一人ではパフォーマンスがなかなか出ませんが、周囲の仲間と助け合うことによって、すごいことを達成できる可能性があります。会社が大きくなり仲間が増え、そういう人をたくさん受け入れることが可能になりました。だからこそ今、僕は、会社を大きく成長させることが面白いと感じるのだろうと思います。

であれば、実力のある人には、その面白さを存分に味わってもらいたい。

表面的な自由を手に入れたい人で、実力がある人なら、いつでもフリーランスになれる時代です。わざわざ組織に身を置くからには、組織づくりそのものの面白さを感じてもらいたい。そんな思いが改めて強くなったということなんだろうなと思います。

冒頭の社長の口説き方を見て、そんな自分自身への気づきがあったというお話です。

今回は以上です。

当日記の無断転載は禁じられておりません。大歓迎です。(転載元URLの明記をお願いいたします。)

バックナンバー
#面白法人カヤック社長日記

生涯の師とは一体どういうことなのかという話(後編)
生涯の師とは一体どういうことなのかという話(後編)
No.71
生涯の師とは一体どういうことなのかという話(後編)
前回の社長日記では、生涯の師とはなにかという考察を書いてみました。そして今回は、2020年2月に亡くなった僕の生涯の師である方についてのエピソードを書いてみたいと思います。 その先生は、太...
2020.05.25
生涯の師とは一体どういうことなのかという話(前編)
生涯の師とは一体どういうことなのかという話(前編)
No.70
生涯の師とは一体どういうことなのかという話(前編)
この社長日記が掲載される5月18日現在は、感染者数こそ日本においては減少傾向にあるものの、いまだニュースはコロナの話題が大半を占めています。人々の関心ごとが何かに集中しているときは、いくら違...
2020.05.18
アフターコロナ時代の「住む場所、働く場所」を考える。『リビング・シフト』本文一部を公開。
アフターコロナ時代の「住む場所、働く場所」を考える。『リビング・シフト』本文一部を公開。
No.69
アフターコロナ時代の「住む場所、働く場所」を考える。『リビング・シフト』本文一部を公開。
以前の社長日記でも少し書きましたが、3月18日に『リビング・シフト』という本を出しました。 リビング・シフトというのは、僕らの造語です。「誰とするか」「何をするか」に加えて、カヤックが大事...
2020.04.21
住み方や移動はどう変わる? 『リビング・シフト』が 新しく刊行されます。
住み方や移動はどう変わる? 『リビング・シフト』が 新しく刊行されます。
No.68
住み方や移動はどう変わる? 『リビング・シフト』が 新しく刊行されます。
『鎌倉資本主義』の本を刊行して約一年半。新しい本が出ることになりました。題名は『リビング・シフト 〜面白法人カヤックが考える未来〜』です。 その名の通り「リビング・シフト」、つまり「住み方...
2020.03.06
「漫画的ルール」で 生きるということ。
「漫画的ルール」で 生きるということ。
No.67
「漫画的ルール」で 生きるということ。
カヤックの設立経緯については、僕の書籍などでも何度か書いてきました。カヤックの創業者で現・代表取締役の3人(貝畑・久場・柳澤)が、大学卒業時、あみだくじで卒業後の進路を決定します。就職・大学...
2020.02.27

関連ニュース

カヤック公式ツイッタ @kayac_inc

絶賛更新中!!

© KAYAC Inc. All Rights Reserved.

学歴・職歴

×

送信

資格・スキル

×

送信

長所短所

×

送信

趣味興味
のあること

×

送信

ポリシーこだわり

×

送信

カヤックの
サービスについて

×

送信

その他

×

送信