2025.12.01
【史上初の快挙】 日本ネーミング大賞 ルーキー部門で「ミルクの束縛」「冬の入道雲」がダブル受賞!同一企業から異例の2商品選出
一般社団法人日本ネーミング協会が主催する「日本ネーミング大賞2025」において、カヤックがネーミング開発とパッケージデザインに携わった古谷乳業のミルクコーヒー「ミルクの束縛」と「物語のあるヨーグルト」シリーズの「冬の入道雲」が共にルーキー部門優秀賞を受賞しました。
「日本ネーミング大賞」のルーキー賞は、2021年度から新設された発売・発表から2年以内の優れたネーミングを表彰する賞で、毎年2~3商品が選出されます。同部門において、同一企業が同時に2つの賞を獲得するのは史上初となります。
(写真左から面白法人カヤック クリエイティブディレクター・コピーライター 合田ピエール陽太郎、 古谷乳業株式会社事業開発部部長 金谷敏さん)
「ミルクの束縛」について

「ミルクの束縛」は、千葉県で長く親しまれてきた古谷乳業と共に開発した、生乳75%配合のミルクコーヒーです。生乳のみで「より純粋においしさを届けたい」という思いから誕生。また、日本の酪農に貢献し、「生乳の価値を未来へつなぎたい」という願いも込められています。
カヤックはブランド開発とパッケージデザインを担当し、ネーミングには複数の案が検討されました。その中で「ミルクの束縛」が選ばれた背景には、古谷乳業との対話を通じて本ネーミングが両者の目指す方向と合致し、ブランドの軸となったことがあります。
パッケージデザインでは、生乳75%という特長や生乳の美味しさなど伝えるため「パッケージ自体を広告として機能させる」というアプローチを採用。成分表示のルール上、50%以上は同じ表記になる中で、情報をどのように可視化するか試行を重ねました。白面・茶色面を切り替えて陳列すると、異なる商品に見えるような設計とするなど、売り場での見え方にも工夫を施しています。
ネーミング大賞の最終審査会では、「ミルクへのこだわりを“束縛”としたのが秀逸。飲んだ人がこの美味しさに束縛されてしまう事もイメージできる」「相反する言葉の組み合わせが刺激的」「ハードルが上がるネーミングだが、中身に自信があるからできるのだろう。飲んでみたい」「味わいに対して、想像力を喚起するいいネーミング」などのコメントが寄せられました。
また、「束縛」という一見ネガティブにも捉えられうる言葉の選び方について、生成AIでは着想しにくい“人”ならではの表現として評価されています。日本ネーミング協会からは、「ネーミングは、どんな広告やプロモーション活動より雄弁になれることがある。“ミルクの束縛”はユーザー視点で商品の魅力を表現したネーミングである」との総評をいただきました。
「冬の入道雲」について

「冬の入道雲」は、古谷乳業とカヤックが共同開発した「物語のあるヨーグルト」シリーズのひとつです。古谷乳業とのコラボレーション初作となる「ミルクの束縛」が関東甲信越エリアで累計130万本を超えるなど、大きな支持を得たことを受け、ヨーグルトシリーズが始動。「食べる絵本」という世界観を形にしました。
機能性ヨーグルトが広がる中で、同シリーズは「栄養のために食べる」から「自分をねぎらう時間を楽しむ」へと視点を変えることを目指し、「『義務』『贖罪』からの解放」をコンセプトに企画。栄養訴求を前面に出さず、ネーミングやパッケージを通じて物語性を感じられるよう構成しています。
最終審査会では「雲を食べたい、という子どもの頃の夢を叶えてくれそうで購買意欲をかきたてられる」といったコメントをはじめ「まるで詩のようで、新しい季語になりそう」「口どけの良さを表す時は雪を使いがちだが、入道雲にしたのが興味を喚起させる」「味わいや食感に対する想像・期待が膨らむ」など、多様な意見をいただきました。
さらに、このネーミングが持つスケール感やファンタジー性といった情緒的価値が支持され、日本ネーミング協会からは「ネーミングは商品の売上げに貢献することはもとより、より豊かなブランド体験を届ける力がある。『冬の入道雲』は、情景や物語性を感じる魅力的なネーミングである」との総評をいただいています。
日本ネーミング大賞とは
日本ネーミング大賞は、ネーミングの重要性を社会に広く発信し、ネーミングの質と価値の向上を目指すアワードです。生活文化を豊かにし、産業の発展にも寄与することを目的として、優れたネーミングを選出・表彰しています。
2024年度は商標登録出願件数が158,792件にのぼるなど、ネーミングの役割が高まる一方で、その開発背景やクリエイターの存在が十分に可視化されていない現状に対し、ネーミングを取り巻く環境を整えていくことも趣旨のひとつに掲げられています。


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