「励ましのサイエンス」を 解明するためのnote、始めます。 | 面白法人カヤック

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2021.05.17

#面白法人カヤック社長日記 No.87
「励ましのサイエンス」を 解明するためのnote、始めます。

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「そろそろ、貴殿としっかりと話す時期が来たようです」

僕が鎌倉資本主義の構想を固め始めた2017年春。僕が一方的にお慕いし、勝手ながらメンターとして尊敬してやまない御仁に、その構想を報告した後、その方から突然言われた言葉です。

その後、山奥にあるご自宅への招待状が届きました。このイキな誘われ方に、もうすでに感動させられてしまっているのですが、尊敬しすぎているがゆえに一人で行くのはちょっと腰がひけてしまった僕は、その御仁を尊敬している友人に一緒に行こうと声をかけました。学生時代に一人では好きな人に声をかけられないから誰か友達に一緒にきてもらって告白するシーンがありますが、あんな感じです。

「であれば、まだ時期ではないようです。またの機会にしましょう」

友人と一緒に伺ってもよろしいでしょうか? と僕が連絡をした後のその御仁の返事です。

まずい、これはまずいぞ・・・焦った僕は、一人で行くのに怖気づいたことを正直に伝え、必ず一人で行くのでぜひ考え直して会ってほしいことを伝えて、なんとか当初の予定通りの約束を取り付けます。

招待日の当日。指定された場所に行くと、なんと自ら出迎えてくれました。そして、静かに何かを考えるとき、思考を深める時によくたたずむという、とある湖畔に伴われます。そこで湖を見ながら二人で静かなる対話が始まりました。

その後、山の中にあるご自宅にご招待いただきました。木々に囲まれた素敵な家には、とても大きなバルコニーがついています。そしてバルコニーに座ると、その視界のまっすぐ先には、木々の間から見事な富士山がそびえていました。富士山には特別な力があり、それを真正面のもっともよい位置から見られるように木々を調整し家を建てたのです。

バルコニーに座って富士山を見ながら、僕の鎌倉資本主義についての構想を聞いてもらい、多くの助言、そして応援の言葉をいただきました。

その日一日を終えた僕は、多忙を極める方なのに自分のために心のこもったおもてなしをいただいたという感動と、自分の思いのたけをすべてぶつけて、全力で受け止めてもらえて、さらには激励の言葉までもらったという充実感とともに、これからの活動につながるエネルギーをたくさんいただいたのです。

その後、僕は鎌倉資本主義という本を書き上げ、世の中に発信し、いまでは社内に「ちいき資本主義事業部」を立ち上げ、事業として取り組んでいます。

この経験は一体なんだったんだろうか。僕にとっての気づきのひとつは、これは「励ましの技法」だということです。

どういうことかというと、これだけ自分が尊敬してやまない御仁が自分のためにこれだけのプレミアムな時間を割いて対応してくれた。そして自分が進もうとする道にぐっと背中を押してくれた。

これはその御仁の人の励まし方だったんだろうと思います。というか、僕は勝手にそう解釈しました。その方は、すっかり忘れているかもしれませんが・・・

そこで、今回は「人を励ます」ということについて考えてみたいと思います。

みなさん自身の経験を思い出してみてください。

思い起こせば、あの時のあの人の姿勢に、あるいは、あの人のあの一言に、自分が励まされた。そういった経験は誰もがあるはずです。

あるいは逆に「あのとき一言が励みになっています」と、自分の一言が誰かを励ますことにつながっていたという経験もあるのではないでしょうか。

でも、そういったことを思い出してみると、不思議なことに、自分が励まされる言葉というのは、必ずしも自分を応援してくれる方からもらえるとは限らないですし、一方で、本人も知らないうちに相手を励ましていたなんてことが意外と多い。

実際、僕もこの人を一生懸命励まそうと頑張って、あーでもないこーでもないと助言したりもしますが、まったく役に立たないことも多く、逆に、自分が言ったことすら覚えてない何気ない一言が、相手を励ましていた。という経験の方が多い。

たとえば、僕が起業しようと思ったきっかけのひとつは、高校時代の漢文の先生に手相を見てもらって、「君は自分で起業をした方が良いね」と、何気なく言われた一言で、実は自分の大きな後押しになっている。たぶん先生はまったく覚えてないでしょうけども。

あるいは、小学生の頃の担任の先生に「君は意外と器用でなんでもできるから、ひとつひとつに手を抜いている、一生懸命やってもできない人がいるのに、手を抜いてできる人がいると私は頭にくる」と言われて、子供ながらにショックでしたが、そこから僕はちゃんとあらゆることに精一杯やろうという行動変化が起きた。

後者の方は、逆に見返してやるぞという気持ちで頑張ったという方が近いので、厳密には励まされた体験とは違うかもしれませんが。

このように、どこから自分への励ましがやってくるかは、誰にもわからない。

でも、です。どうせなら誰かを励ます人生を生きたい。

面白法人という会社も、その根底にはだれかを励ましたいという思いからできたんだろうと思います。

そう思うと、励まそうと思ってちゃんと相手を励ますことができるようになるにはどうしたらいいのか。僕は、その技法を身につけたい。その励ましのメカニズムをちゃんと再現可能なサイエンスに落とし込みたい。

実は、冒頭の御仁は誰かを「励ます」という狙いがあって、ご自身のスタイルを確立されたのかもしれない(僕の想像ですが・・)。だとしたら、再現可能な励ましの技法(ある種の演出)があり得るのではないかと思うわけです。

そこで、人を励ますことに興味のある方と一緒に、再現可能な励ましの技法を見つけていこう。という趣旨の企画を立ち上げることにしました。

まず、法則を見つけるためにはデータ収集です。

みなさんがどんな時に励まされたのか、その励ましはどうやってもたらされたのか、あるいは自分がどうやって相手を励ましたのか。そのあたりのエピソードを募集しますので、情報をお待ちしております。(励ましのエピソードはこちらから)

注:この企画は、冒頭の御仁とのエピソードをとある会食で僕が話したところ、「これは励ましの技法なのではないか」と感じるその視点がそもそも面白く、このご時世、誹謗中傷がどうにも多い中で、「人を励ます技法」というのは、今こそ最も求められているテーマなのではないか、これを解明するために動いたらどうかというアイデアが出てこの企画が立ち上がりました。

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