9年間ありがとう!ART-Meter座談会〜前編〜 | 面白法人カヤック

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2014.04.02

#クリエイターズインタビュー No.20
9年間ありがとう!ART-Meter座談会〜前編〜

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カヤックが運営する絵画の測り売りサイト「ART-Meter」。2005年のオープン以降、カヤックの顔というべき存在となってきたサービスですが、この3月31日に東急ハンズさんへ譲渡しました。
そこで今回は歴代運営スタッフの座談会を開催。代表の柳澤大輔、広報 松原佳代、ディレクター 藤原秀樹の3人に、思い出をいろいろ語ってもらいました。

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テレビで運命が変わった「ART-Meter」

柳澤
今日は「ART-Meter」の歴代スタッフに思い出をいろいろ語ってもらおうと思います。参加者は、まずサービスを立ち上げた僕と、歴代店長の松原さんとフジモンです。
松原
Webショップ2代目店長の松原です。リアル店舗の立ち上げと最初の店長業務、オーダーアートなどの企画をしていました。

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藤原
Webショップ4代目店長の藤原です。リアル店舗だと最後期くらいになると思います。
柳澤
松原さんはビジネスを拡大すべく模索し勝負していた時期、フジモンは状況が見えてきた中で目標を絞り、利益増に注力した時期にそれぞれ店長をしていたんだよね。
松原
ええ。メディアにもたくさん取り上げてもらいましたが、一番のターニングポイントは、初セールの時に取材していただいた「ワールドビジネスサテライト」です。放送時から作品が売れ出して、ああサービスが一般的に認知されたんだなと感じました。
柳澤
うんうん。
松原
私がWebショップを引き継いだ頃って、購入してくれるのは関係者ばかりで、一般の方の購入は1カ月に一度くらいだったんです。それがご紹介いただいた途端、一夜にして数百点あった作品が完売したのでびっくりしました。単価を1円にしていたので収益的にはほぼゼロでしたけど。
柳澤
これってゲームのフリープレイにも近いよね。まず値段を下げて、絵画を買うという体験をしてもらってリピーターを増やそうってことだもんね。当時から正しいやり方をしていたんだな…実際リピーターも増えたでしょ。
松原
ええ。このタイミングでお客さんも登録する画家さんも一気に増えました。

自由が丘の「ふらりと入れる」リアル店舗

柳澤
で、その後リアル店舗を開こうって話になったんだっけ。
松原
リアル店舗は2007年4月オープンなので、立ち上げからすると2年後ですね。当時カヤックが運営していたギャラリーにも画家さんやファンがいたから、店舗があるほうが嬉しいだろうと。それで、オフィスを自由が丘に移転する時に1階をギャラリーにすることになったんです。
柳澤
「HOUSECO」(サービスは売却済)でコンペをしたよね。自由が丘の一軒家を、1階はギャラリー、2階はオフィスにするという条件だった。
松原
そうですね。ART-Meterは「誰でも気軽に絵を買える文化をつくろう」というコンセプトだったので、公園みたいにふらりと入れるギャラリーにしたいなと。それで、デザインも格調高い雰囲気よりは「何か面白そう」と感じられるものを選びました。
柳澤
リアル店舗をオープンしてからの売り上げって変わった?
松原
高い絵が売れるようになりましたね。休日にも売れるようになったし。
柳澤
Webサイトだとサイズ感がわかりづらいし、実物が見られる場所を提供したってことでも意義はあったんだね。今だとバーチャルである程度置いた雰囲気を確認できるけど、当時はまだ難しかったからさ。でも、運営はいろいろ大変だったんじゃない。
松原
最初のリアル店舗だし運営のノウハウが何もなかったんですよね。日時計算やレジ閉めの方法すらわからないからすべてが手作り。在庫管理もあったし、とにかく大変だったんですが、一方で画家さん、お客さんと直接コミュニケーションが図れるようになったので運営の楽しさも増しましたね。
藤原
当時は、販売される前にすべての絵を送ってもらっていたので、作品の管理が大変でしたね。
松原
うんうん。でも、初期のユーザーさんはサービス自体が好きな方ばかりでよく通ってくださっていましたね。厳しくご指導いただくことも多かったけど、みんなでサービスを作っている感覚があったというか。今でも応援してくれる方や電話をくださる画家さんがいらっしゃるくらいです。
柳澤
フジモンの頃はどうだった?
藤原
僕は自分のアート業界での経験をいかしてプロデュース業に挑戦したことかな。北村直登さんやヒグチユウコさんと、展示企画を何度かご一緒させていただきました。
柳澤
具体的にはどんなことをしたの?
藤原
作品を店舗に送ってもらってストックする形から、売れたら送ってもらう形に変えました。でも、これで在庫管理がグッとしやすくなり、少人数でも運営できるようになったんです。ビジネス的にも安定するようになったし、だからこそ今回東急ハンズさんへの売却も実現したんだと思います。

アート界に向けた仕掛けとサービスの充実

柳澤
じゃあ、思い出に残っている企画はあるかな。僕はオーダーアートがよかったと思ってるよ。10周年には自分の肖像画を描いてもらったくらいでね。
松原
実はそれ、ユーザーの方の要望から始めた企画なんですよね。(現在は休止中)
藤原
お客さんのリクエストを希望の画家さんに描いていただける魅力的なサービスでしたが、スタッフの手が足りなくなった時に、サービスを停止せざるをえなくなってしまいました。
柳澤
じゃあこれは東急ハンズさんのほうでぜひ復活させてほしいよね。あと、一ユーザーとしての話になるけど、僕はこれまで起業した人には必ず「好きな絵を1点選んでいいよ」ってプレゼントしてきたの。それを思うと、やっぱり心に残るプレゼントになってる気がしない?
松原
そうですね。これも個人的な話ですけど、私も10点は購入していますからね。ART-Meterに関わるまではアートと無縁な生活だったし、絵なんて買ったことがなかったんですけど。
柳澤
僕は家に50枚くらいあるよ! あとART-Meterではコラボ企画やイベントもかなりやったよね。
藤原
京都精華大学とのコラボとかですね。京都精華大学さんにお願いして、学生さんにコラボ企画の説明と作品提供の依頼をしたんです。多くの作品が集まった上に地元の企業から展示スペースの提供もすぐご協力いただけて、さすがアーティストに優しい京都だなと感心した覚えがあります。サイトと画廊の両方で展示して、作品は完売しました。
松原
セールやオーダーアートもその一つだと思いますけど、私の時代には化粧品メーカーとの企業コラボもやりましたね。入賞者の作品でポストカードを作ったりしました。
柳澤
その時代はビジネスモデルの模索をしていたから企業タイアップもしていたんだよね。僕は「言い値セール」。1円にする人は意外と少なくて、自分の価値観できちんと判断する人が多いとわかったのが興味深かったなあ。
藤原
東日本大震災直後のチャリティイベントも反響が大きかったですね。画家もカヤック側も売り上げは全額東北に寄付する企画だったんだけど、多くの画家さんが共感して作品を提供してくれたし、お客さんもたくさん購入してくれて、アートは社会に力を与えることができると実感しました。

「ART-Meter」が生み出したもの

柳澤
僕、親子で出品している画家さんを見た時に、このサービスを通じて親子のコミュニケーションが図れるなんて素敵だなと思った覚えがあるんだよね。みんなにはそういう印象深い画家さんっている?
松原
私が思い浮かぶのは、定年退職後に絵を描き始めて、ART-Meterがあるからこそ今も絵を描いているという方でしょうか。
藤原
ART-Meterで活躍されて、その後、人気画家として今でもいろんな分野で頑張っているアーティストの方々ですね。ヒグチユウコさんとか。
松原
北村直登さんもね。でも、プロとして巣立っていった人がいるのは、サービスとしていいことだと思いますよ。
柳澤
このタイミングでサービスを譲渡することに関してはどう思う? 僕としてはいい形になった気がするし、ここで一区切りつけられたのでよかったと思っているんだけど。
松原
譲渡先が東急ハンズさんなので、私もよかったと思いますよ。アートに関連がある企業さんですし、これからは独自の展開もされていくでしょうしね。画家さんにとってもよい活動の場になるんじゃないでしょうか。

懐かしい思い出をたくさん語ってくれた歴代スタッフたち。大変なことが満載だったプロジェクトも、いざ離れてしまうとなると嬉しさ半分、寂しさ半分といったところなのかもしれません。後編では、東急ハンズさんを迎えてART-Meterの未来などについて語ります。

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