「Metaverse Japan Summit 2022」天野登壇レポート公開! | 面白法人カヤック

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2022.07.26

「Metaverse Japan Summit 2022」天野登壇レポート公開!

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7月14日に渋谷ストリームホームで開催された大規模カンファレンス「Metaverse Japan Summit 2022」。Metaverse Japanの理事やアドバイザーを中心に、日本のメタバース・Web3業界を牽引する有識者が登壇し、2会場で計19のセッションが行われました。イベントの様子はオンラインでも配信され、リアルとオンラインで約1100人の方が参加し大盛況でした!
そんなカンファレンスの一つに、Metaverse Japanのアドバイザーであるカヤック天野も登壇させていただきました。天野は、VR法人HIKKY COO兼 CQOのさわえみかさん、VRアーティストのせきぐちあいみさんと共に、『Web3メタバースが生み出すアーティストエンパワメント』をテーマに、アーティストやクリエイターの視点からみたメタバースやWeb3、NFTのメリット、現在の活動の変化などを語りました。本セッションのファシリテーションは、Metaverse Japan代表理事を務める長田新子さん。せきぐちあいみさんは、オンラインでのご参加でした。

満員御礼で立見の方もいらっしゃったセッションの様子を、ダイジェストでご紹介します!

向かって左から、長田新子さん 天野清之 さわえみかさん オンライン参加のせきぐちあいみさん

さわえさんと天野の意外な共通点!

自己紹介では、 「表現をするのは、デジタルでも、紙の上でも、顔の上でも変わらないですよね」というヘアメイク業界からV Rの世界に入ったさわえさんと、同じく美容師からデジタルクリエイターに転身した天野の共通点の話で盛り上がりました。

天野はお二人に初めて会ったのですが、せきぐちさんとさわえさんは、最初の出会いがメタバース空間の中だったとのこと。アバター同士で交流していたので、初めてリアルであっても初めてではない感覚だったそうです。
「今、デジタル上で会うのがすごく多いです。NFTをやり始めてからもそうですが、最初オンラインであって性別とか知らないまま仕事して、後から会って、こんな人だったんだ、男だったんだと知ることもある。」(せきぐちさん)

VRで変わる、コロナで変わる、表現の場

次は、VRやメタバースが浸透することで、クリエイターやアーティストの変化についての話題に。
天野は、「個人の人が企業に所属しなくてもいい時代になってきている。一方で、銀行員が全員フリーランスになっては困る。そういう感じで、システムを動かす人は存在していて、システムの中で遊ぶ人は企業に所属しなくてもいいというように、つくる側・表現する側 がより自由になったのでは。」と考えを語りました。

さわえさんの会社HIKKYでは、6、7割のメンバーがアバターを使ってハンドルネームで仕事や制作をしています。ミーティングやプレゼンもアバターのままで行うことも多いようですが、コロナ前は制作物をプレゼンするときや発表ではアバターを使えず生身の人間でないといけないということがあったそうです。
「もし自分にコンプレックスを持っていたとしたら、自分の身体がクリエイティブの発表の邪魔になる場合がある。つくったものは100%理想通りだったとしても、堂々と発表できないこともあるかもしれない。デジタルの空間を活用すれば、つくったものをどういう場所で、姿で、声でプレゼンするか全て決めることができる。デジタル空間の活用によってアーティストとクリエイターの表現の幅が広がったことは大きい変化。」(さわえさん)

VR法人HIKKY COO兼 CQOのさわえみかさん

メタバース、VR界隈だけではなく世界的に大きな変化が会ったコロナの中で、せきぐちさんもその変化を「ありすぎるほど感じている」とお話しされていました。
「メタバースという国境がないフィールドで挑戦できることは、アーティスト、特に素晴らしいけど小さい国にいる日本人にとってはチャンス。一方で、移り変わりが激しいのでトレンドを追いすぎて何かを崩してはいけない。アーティストや守るべき大きなI Pをもつ企業は、自分たちが何をするべきか、何を大事にしているのかを大事にすることが大切だと感じている。N F Tでマネタイズができるようになったことはとても大事ではあるけれど、例えばN F Tで売れるトレンドに、自分の作品を壊して寄せていくのは長い目でみると危ないのではないかと感じている。」(せきぐちさん)

インターネットサイト黎明期を経験してきた天野。現在のメタバースやVRの流れに関して、これまでも何度か似たような現象があると感じているとのこと。
古くだとガラケーで映像配信ができるようになった2000年代。解像度や通信速度などの制約によって美しい映像を提供できなかったことから「映像死んだ」と言われるなど、技術の問題と提供するクリエイティブの問題とがすり替えれられ、的の得ない議論が行われることもしばしば。電子書籍が出てきた時も、クリエイティブに本のページをめくるリアルな表現を求められるなど、新しいデジタル技術に対して、どのようなクリエイティビティを発揮すべきか正しい理解ができていない状況があったそうです。だから、才能のあるアーティスト、クリエイターが正しくクリエイティビティを発揮できる環境やサービスを届けたいと天野は考えていると言います。
「例えば、iPhoneって誰の成果か分からないものだと思う。もちろん、ジョブスはいるが、デザイナーの成果なのか、エンジニアの成果なのか、それぞれのクリエイティブがアメーバみたいに絡まってできたおもちゃのようなもの。デジタル技術が進む中で、せきぐちさんが言われたように個人のアーティストとして関わりやすくなったり、さわえさんが言っていたこの空間が楽しいという理由で新しい創作が生まれたり、そういうものが増えてきている。だからアーティスト、クリエイターが主導となって新しい創作が生まれていく、いい方向に向かって欲しい。」(天野)

メタバース専門部隊を率いる天野

各々が考えるアーティストエンパワメントとは

最後に、本セッションにテーマであるアーティストエンパワメントについてみなさんがメッセージがありました。

天野は、某システム開発に関わっているので、アーティスト、クリエイターが活躍できる場をつくる取り組みについて話しました。
「例えばDAO の仕組みをちゃんとコンテンツにしたい。今は、ロジックや構想の部分が先行しているので、コンテンツ的な考え方が疎かになっている気がする。アーティストやクリエイターがつくるコンテンツと場をブリッジしてつなぐ仕組みづくりを、使い手の視点からつくりあげたいですね。そして、みんなが純粋に楽しいと思えるものをつくりたい。あと、僕も年をとってきいたのでアバターになって、年齢を超えていきたいですね(笑)」(天野)

長田さんもさわえさんもアバターで年齢の壁を越えるという話に共感されていました。
「会社である程度のポジションについてしまうと、新人の若い方となかなか対等に話せない。その世代や界隈で流行っていることを知りたいときや、意見をぶつけ合いたいとき、現実の姿ではなく、アバターになるとお互い生の姿を見せず、魂で話ができる。フラットに話せるようになる。ただ、アバターが正義でもない。リアルで強いのも確かで、どうリアルと交わっていくかとても大事。プロダクトをつくる時に、メタバースに目が眩んでメタバースをやっていけばいいという考えではなく、誰に向けてどう発信するかをよく考えていくことがより大切になると思う。」(さわえ)

せきぐちさんは、現実の世界でも表現方法の一つのアバターとしてウィッグやお着物を着られているとお話しされていました。さらにV Rの中ではみんなとつながりを持てるように、人じゃないことが多いそうです。
「アーティストに関わらず、メタバースは人類にとってのエンパワメント。(メタバース上の)私の美術館やNFT FESTAなどあんなに大きな建物を常設して、世界中の人がアクセスできるのに、コストや環境にも優しい。アバターで人の格差も補っていける。地域が違っても同じ教育が受けられる、私も年齢に関係なくクリエイティブができるし、孫にも会えるし、擬似的に旅行できるなどなど、人類とって拓けるものが大きい。あらゆる観点で、人類や社会のためにメタバースをやって欲しいですし、アーティストだけではなく、
全ての方がメタバースに関わって欲しいを思っています。」(せきぐちさん)

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