鳩の巨大砂像で由比ガ浜海水浴場のマナーを改善!まもり鳩プロジェクトを追う | 面白法人カヤック

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2015.08.09

#クリエイターズインタビュー No.39
鳩の巨大砂像で由比ガ浜海水浴場のマナーを改善!まもり鳩プロジェクトを追う

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2015年7月、カヤックの本社がある鎌倉の由比ガ浜海水浴場に、砂でできた(砂像の)巨大な鳩「鎌倉の海のまもり鳩」が出現しました。これは海の観光客のマナーアップを目的としたプロジェクトの一貫として制作したそうです。

企画を実施したのは、カヤックも参加している、鎌倉を愛する人をITで支援する団体「カマコンバレー(カマコン)」です。このハトが出現した理由などについて、カマコンに所属する林正嗣さんと、カヤック代表も務める柳澤大輔に話を聞きました。

十数年前、鎌倉のこどもたちは砂像をつくっていた

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― そもそものきっかけは何ですか?

もともとは、鎌倉、逗子、葉山など湘南の海水浴場のマナーアップのコンペがあって、そこで提案した企画が通らなかったので、由比ガ浜海水浴場の海の家の会長を務められている、鎌倉市海浜組合連合会代表の增田さんに、カマコンのメンバーで会いに行ったことがきっかけですね。
柳澤
「こども海兵隊プロジェクト」という、ビーチでお酒を飲んだりしてマナー違反している人に、こどもたちが注意する企画ですね。それだけ言うと、変に思われちゃいそうですが。

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― こども海兵隊が、なぜ砂像になったのでしょうか?

柳澤
InstagramやTwitter、Facebookなどが流行っているので、写真映えするものだと、ソーシャル上で話題になっていいんじゃないか。という理由もありましたが、なぜ砂像になったのかというと、その場でみんなで話していたら……なんとなくですね(笑)。
ですよね(笑)。
柳澤
でも、十数年前の鎌倉では、こどもたちがワークショップで砂像をつくるのが普通だったんですよ。クラウドファンディングのiikuniで資金を集めてくれた、カマコンの菱木(ひしき)くんはこどもの頃にやりましたよって言ってたからね。
7月20日にやった砂像ワークショップも、こどもたちがいっぱい来てくれましたね。親御さんに話を聞くと「夏休みがはじまって、無料で来れるイベントや親子でいけるイベントが少ないのでありがたい」という声がありました。
柳澤
8月16日にもう1度あるので、今度はこどもだけじゃなくて、大人の人にも砂像をつくってほしいですね。砂遊びの感覚で気軽に、こどもを見習って。

豊島屋の久保田社長が乗ってくれた

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― なぜ鳩にしたのでしょうか?

じつは由比ガ浜海水浴場のキャラクターが、鳩なんですよ。だから鳩にしたんです。
柳澤
「由比ガ浜海水浴場」は、昨年、鳩サブレーの豊島屋さんが、ネーミングライツ(命名権)を買い取って、名前を変えないということでも話題になったんですよ。そのときロゴデザインを公募してて、それでそれが鳩のキャラクターになったんですよ。
鳩は、平和の神様なので、海水浴場で事故がないようにというのと、お客さん同士でのトラブルなどもなく平和になるといいという願いと合います。ちなみに龍の上に乗ってもらったのは、龍が水の神様だからです。
柳澤
豊島屋さんには、メインのスポンサーになっていただき予算を出していただきました。
こどもたちや、地元の人たちで、海に来る人が減っているという事情がありますが、久保田社長は、地元の人たちのために海水浴場の名前を変えなかった人ですから、すぐに乗ってくれたんです。
ホント、粋ですよね。

鎌倉のご住職の方たちも、プロの彫刻家の砂像に感動

― 砂像は誰がつくったのでしょうか?

プロの彫刻家です。カマコンのメンバーでもあり、有名なテーマパークの砂像を手がけたこともある方で、アシスタントさんと2人で、この炎天下の中、5日間でつくってくれました。
柳澤
砂像のできる様子を毎日Facebookのグループで教えてくれて、写真が届くたびにみんなでテンションが上がって、他の企画もがんばるという流れでしたね。写真でもすごいと思いましたが、生で観てビックリしましたね!
たくさんの人に撮ってもらっていますが、鎌倉の5ヶ寺のご住職の方々の方も感動してくれて、開眼法要をやってくださるとおっしゃったんです。
柳澤
砂像に開眼法要をするのは、世界初かもしれませんね。開眼法要って、通常だと仏像やお墓などにしかできない厳粛なものなので、相当、砂像に感動していただけたんだと思います。
砂像のメイキングムービーは、日テレの『電波少年』などのプロデューサーをやっていた土屋さんが、千葉さんが撮ったドローンの映像を合わせてメイキング映像をつくってくれました。土屋さんもカマコンのメンバーなんです。

砂像のメイキングムービーはコチラ

急遽ハトロールという新企画を実施

― 砂像以外にはどういった企画を?

柳澤
最初に言ったワークショップをやったり、「鎌倉市海水浴場のハッと(鳩)スタンプ」というスタンプをつくったり、プロの声優さんを使った海でのマナーアナウンスをしたり、あと、ハトロールですね(笑)。

― ハトロール?

これはもうプロジェクトが始まっているときに、土屋さんが「林くん、やっぱり面白さがないと。ハトロールだよ。パトロールならず、ハトロールだよ!」と(笑)。
柳澤
いい年した大人が、鳩の帽子をかぶって、マナーのなってないお客さんに注意するんです(笑)。
もうプロジェクト始まってますし、これ以上、新しい企画はムリじゃないかと思いましたが、みんな面白そうにしているので、やることにしました。カマコンのメンバーや地元の方たちがノリノリだからこそできたと言えます。

来年はもっと大きな鳩にしたい

― まもり鳩は、来年も姿を見せるのでしょうか?

来年はさらにデカく、今年の1.5倍くらいにしたいですね!今回は砂像の出来栄えがすごいというところがよかったのですが、やっぱり大きいほうが惹きがあると思うので、今年のクオリティでさらに大きくできたら最高ですね。
柳澤
十数年前は、砂を運ぶ予算を市が確保していたんですが、いまはそういう予算がないので、誰かがやっていくしかないですよね。
行政の方たちだけにすべてをお願いするのではなく、住んでいる自分たちで、地元を良くしていくというのは、カマコンの思想でもありますし、豊島屋さんなども共感してくださるポイントだと思います。
マナー注意って、どうしても固くなりがちなので、ハトロールじゃないですが、そこを少しでもチャーミングに面白くできたらいいなと思います!

― ありがとうございました!

鎌倉の海のまもり鳩は、だいぶ剥がれてきたので、いちど崩しましたが、8月10日(鳩の日)にふたたび完成する予定です。映像でも、写真でも伝わらないので、ぜひ生で観にいってください。そして来年が楽しみです。

まもり鳩巨大砂像
http://yuigahama.sos.gr.jp/sandart

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