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2021.09.27

#面白法人カヤック社長日記 No.92
社長日記復刻リメイク版その2:どうすれば「勇気」が沸いてくるか真剣に考えた話

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今回は、唐突ですが、「勇気」という⾔葉について考えてみたいと思います。

「勇気」という⾔葉には漢(ヲトコ)として、惹かれざるを得ない魅⼒的な響きがあります。そして漢(ヲトコ)なら、きっと勇気を⼿に⼊れたいと考えているはずです(おそらく)。

ウィキペディアを⾒ると、「勇気」とは、

「普通の⼈が、恐怖、不安、躊躇、あるいは恥ずかしいなどと感じることをおそれずに(⾃分の信念を貫き)向かっていく積極的で強い⼼意気のこと」 と書かれています。

この解説を読むだけで勇気が湧いてきます。そしてこの解説からわかることがあります。それは、勇気には恐怖や不安といったものが、セットでついてくるということです。つまり、恐怖や不安を伴わない⾏動や決意は、勇気ある⾏動でもなんでもないとも⾔えます。

恐怖や不安というものは、時によくないことを引き起こします。たとえば、誰かを責めたり、誰かを傷つけたりしてしまったとき、その大抵は自分が恐怖や不安に駆られてそういう行動をしてしまっていることがよくある。それは、よくよく⾃分を内省してみるとわかる。⾃分を守ろうとしたり、あるいは将来に対する不安だったり、そういったことが根底にあったりするのです。

そう考えると、恐怖や不安は世の中にない⽅がよさそうな気もしますが、実はそうでもないらしいのです。

もしも恐怖や不安がなければ、世の中には希望も⽣まれないそうなのです。

不安を感じるからこそ、夢や希望がわいてくる

こんな⾯⽩い話もあります。

『危機の時代の「やる気」学』によれば、前頭葉の⼀部分を傷つけることで⼈間の脳から「不安」は消えてなくなるものの、⼀⽅で「計画性」や「希望」を持つことができなくなるという実験結果があ るそうです。そして、同書では、こう結論づけています。

不安も感じればこそ、計画や希望やビジョンも持 てるということだ。⽂字どおりの意味ではないが、「不安こそ計画の⺟」なのだと思ったほうがいい。
逆に、夢、希望を抱くからこそ、それは実現デキるかどうか途中で不安にな ったら、どうあがいてもだめだと思ったら絶望するのだ。
『危機の時代の「やる気」学』 ⾦井壽宏 (ソフトバンククリエイティブ)

なるほど。これは深いです。そう考えると、まずは恐怖や不安を感じることは希望を得るためには必要条件であると理解し、恐怖や不安を伴うことに果敢にチャレンジし、それを乗り越える⼼意気こそが「勇気」だと思えばよいのです。

続いて、その勇気はどうやったら得られるでしょうか。

勇気はどうやって得られるのか

僕は2つあると考えています。

1つ⽬は、⾃分のことを無条件で信じてくれる存在がいること。もしくは探すことです。⾃分を無条件で信じてくれる⼈がいる⼈はその⼈から勇気をもらっているはずです。

あなたには、あなたのことを無条件に信じてくれる⼈がいるでしょうか。

「⾃分の親がそうだ」「⾃分の恩師がそうだ」などと思い浮かべた⼈もいるのではないでしょうか。

とくに「親」という存在は、⾃分のことを無条件で信じてくれるありがたい存在であることが多い。でも、親がそうでない場合や、親がいない場合ももちろんあります。そんな時は、代わりにきっと⾃分を信じてくれる⼈を探す必要がある。勇気 をもって何かを成し遂げた⼈には、必ず⾃分のことを信じてくれた⼈との出会いがあります。

そして、そのように考えると、逆にあなたが誰かを勇気づけたいのであれば、その誰かを無条件で信じてあげればよいということなのだと思います。

たとえば、上司が部下を無条件で信じる。仲間が同僚を無条件で信じ合う。これだ けで、お互いにどれだけ多くの勇気を与え合うことができるでしょうか。考えてみれば僕がカヤックという会社を、勇気をもって経営できているのは、仲間が僕を信頼してくれていると感じることができるからかもしれません。

そして、2つ⽬は、⾃分の⼼の中で、その⼈のことを考えるだけで勇気が出るという存在を⾒つけることです。

「その⼈のことを考えただけで、⾃分は勇気が湧いてくる」

そんな経験はあるでしょうか︖

そんな⼈との出会いはそうそうありませんが、⻑い⼈⽣のなかには、そういう⼈が一人や二人はいませんか? ⾃分が⼤切にしている価値観、あこがれる価値観を⾝につけている存在のことです。

その⼈が⾃分のことを無条件で信頼してくれている必要はありません。むしろ、その⼈が存在することそのものが、⾃分にとっての⽬標となり、⾃分を奮いたたせてくれる存在となっているような⼈です。

⼈はそのような⼈に出会うことで変わることができるし、恐怖や不安に⽴ち向かう勇気をもらえます。それは時に歴史上の⼈物や、それこそ漫画の登場⼈物などでもいいのかもしれません。

ちなみに、僕は仕事を通して、過去にそういった諸先輩に何⼈か出会ってきまし た。たとえばカヤックの顧問をしてくれている⽅や、社外取締役の⽅もそうです。そういった⽅のおかげで今の僕があります。
いつかは僕もそんな勇気を与えられる存在になりたいものです。

――

2021年の柳澤からの解説:
今回は、前回と同じ趣旨で、過去の社長日記のリメイク版の第2弾です。合計第6弾まである予定です。(*注記)
この記事を書いたのが今から9年前。当たり前のことを書いているので、おそらく最近の社長日記まで読んでくださっている方には物足りないかもしれませんが、僕は個人的には好きな記事です。何度もこれは読み直して初心に帰りたいと思いました。よってセレクトさせていただきました。

*注記:
ところで、この社長日記ですが、2015年からカヤックサイトで連載を始め、月に最低1回という形で続けています。実はそれ以前は、日経ビジネスオンラインや日経PCオンラインなどの媒体でなんと2006年から続けておりました。つまり、足掛け15年も社長日記を続けていることになります。しかも、今でこそ月1回から2回ペースですが、日経に連載していた頃の僕は毎週書いていました。8年間一度も休むことなく。よくできたなと思います。

そして、その過去8年分の記事は、以前までアーカイブがあり残されていたのですが、昨年、日経BPさんと日本経済新聞出版社さんの経営統合に伴って、日経さんのサイトからは見られなくなってしまいました。

古い記事は、自分の成長の変遷を見るには良いものの、恥ずかしい内容のものばかりなので、これはこれで好都合なのですが、日経BPさんのご厚意で、過去のアーカイブをファイルでいただきました。

そこで、せっかくなので、その中からいくつかを多少リメイクして解説付きで、お出ししたいと思います。セレクトしたのは合計6本。これから6回にわたってリメイク版を紹介して行きたいと思います。

(原文は日経ビジネスオンライン2012年6月6日掲載。日経BPの了承を得て掲載しています)

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