会社の枠を超えた「腹を割ったものづくり」でコンテンツを充実!「キン肉マンマッスルショット」の開発秘話 | 面白法人カヤック

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2016.12.28

#クリエイターズインタビュー No.51
会社の枠を超えた「腹を割ったものづくり」でコンテンツを充実!「キン肉マンマッスルショット」の開発秘話

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キン肉マンmain

カヤックが制作をお手伝いしたDeNAさんのスマートフォン向けアクションRPG「キン肉マン マッスルショット」。本作の制作チームに、カヤックのソーシャルゲーム事業部プロデューサーである武田一輝髙久敏宏 がお伺いしてきました。DeNA Japanリージョンゲーム事業本部、マネジャー 油井聡史さん、プロデューサー小林繁議さんとのお話はどのようなものになったのでしょうか。その様子をご紹介します。

キン肉マンの「ハチャメチャさ」をゲームで表現する

― DeNAさんとは「キン肉マン超人タッグオールスターズ」時代からのおつき合いだそうですね。

油井
はい。その時、カヤックさんは「キン肉マン」の魅力であるハチャメチャさをゲームで表現するのが上手いと感じたんです。「マッスルショット」の企画のご相談をしたのは2013年11月頃ですが、すでにカヤックさんはUnityでアプリ制作もされており、技術的な経験や知見も充分お持ちだと見込んで是非にとお願いしました。

interview1

武田
当時、弊社では他社のスマホゲームアプリの運用に携わってきた実績がいくつかありましたが、さらに多くのスマホゲームアプリ運用に関わっていきたいと考えていたので、とても良いチャンスをいただけたと思います。あとは、そもそも「キン肉マン」が大好きなので、80年代の盛り上がりを知る僕としては、そういった所も強みにできればと制作に参加させていただきました。

会社の枠を超えた「腹を割ったものづくり」

― アイデアはどのように形にされたのですが?

小林
「キン肉マン」のアプリを出すことだけ決まっていたので、どんなゲームにするかという段階から一緒に考えていただきました。35〜40代の方を中心に遊んでいただきたいと思っていたので操作性の明快なゲームにと考えていたのですが、リング内で遊ぶ形と、超人を相手にぶつけて攻撃する手法をご提案いただいたことで方向が固まりました。
油井
初期は小林からパズルのような画面案も出ていたくらいでして。ここに辿り着くまでにはかなりいろいろな企画案を出し合いました。

― かなり早い段階からカヤックは参加させていただいたんですね。

小林
私が、制作者としてDeNAとカヤックさんの関係値づくりを重視していたからだと思います。会社の枠を超え、腹を割ったものづくりがしたいと考えていたので、納得できるまで話し合いました。
油井
カヤックさんは能動的ですよね。積極的に意見を出し、それらを収斂(しゅうれん)していく作り方をされるので、私たちも非常にやりやすかったです。
武田
僕はカヤックに入社してすぐクライアントワーク事業部 に所属をしていたんですが、その頃から企画を枠にとらわれずゼロベースで考えることが基本でしたので、それが今回活かせたんだと思います。それだけに、意見がぶつかる時もありましたけど(笑)。

interview2

― どんな部分でぶつかったのですか?

武田
例えば、敵が動くのか、その場に留まって攻撃をするのか。「超人は動いて攻撃を仕掛けるべき」という弊社の意見と、「レベルデザインが難しくなるので留まって攻撃をする形がいいのでは」というDeNAさんで意見が分かれて、かなり話しましたね。ゲームのインパクト的に重要でしたから。
小林
世界観とレベルデザインの摺り合わせですよね。最終的に超人を動かすことにしましたが、いい形になったと思います。お互いに譲れない瞬間はあるものです。でもそんな時こそ、意見を崩すのではなくどう収めるかが大事。その思いでいろんな人の意見を聞き、丁寧に着地点を考えるようにしました。でも一輝さんとは、お互い「ここ」という所を汲み取れる間柄なのでやりやすかったです。

世界観を大切にしたストーリーと演出

― 世界観との関わりはどう考えられましたか。

武田
初代「キン肉マン」のファンにどんな内容を気に入っていただけるかを振り返りつつ、新シリーズについては読者目線で今も勉強しながら開発に加えています。

kajiba火事場のクソ力の画面

髙久
味方が全滅しても復活する「火事場のクソ力」なんかはその一つですね。キン肉マンは「どんなに追い詰められても復活して敵を倒す」ことが魅力なので、そこをポイントにしました。全滅はコンティニュータイミングなので、そこで復活できる仕様はチャレンジだったのですが、火事場のクソ力で復活して敵を倒せるかもしれないというドキドキ感は嬉しいよね、ということで入れました。

― ファンの反応はいかがですか。超人もたくさん出てきますよね。

武田
期待に応えられる超人や設定ができた時はすごく喜んでいただけますが、イメージからかけ離れた設定だとお叱りの言葉をいただくこともありますね。ネット上ですが、生のファンの声がすごく聞こえるタイトルだと思います。
小林
運用の新たな方向性を発見するきっかけにもなった「悪魔将軍」の存在は大きいですね。バランスのいい超人の中で強すぎる悪魔将軍を出したんです。これは実は手違いだったのですが、ユーザーさんの混乱を招かないようにと修正を行わないことにしていたら「悪魔将軍ならこれくらいでないと」とユーザーさんが評価してくださって。そこで特化型キャラにニーズがあるとわかり、定期的に出すことになったんです。

interview3

― 現在は好調という評価ですか。

小林
じわじわとですが。右肩上がりに変えられた理由は、運用の調整もありますが、コンテンツを地道に積みあげてきたことが大きいと思います。このゲームは同じイベントやガチャが定期的に開催されるので、入手したキャラクターがずっと使えますから。カヤックさんには、予定よりも制作のスピードを上げてもらったんです。

コンテンツを充実させる制作現場のチームワーク

― と、なると制作現場は大変では?

武田
正直、大変ですね(笑)。でもそのお陰で、デザイナーやエンジニアのスキルは、相当向上しました。今では2〜3倍の物量を品質を保って制作できるようになりました。これは皆が楽しんでつくれている賜じゃないかなと。通常であれば、エンジニアが企画段階で入ることはあまりないかと思いますが、今は上流工程からエンジニアの「こんな技を作ったら面白いのではないか」といったアイデア提案が出てきますし、アイデア提案もあります。チームの連帯感はより強まっている気がします。

designデザインラフ画

― クリエイター集団ならではという感じですね。

小林
本当に。カヤックさんはクリエイティブへのこだわりがすごいですよね。試作の段階からきちんとデザインされるし、仕事が丁寧な印象があります。もう一つはサーバサイドの強さ。僕らの要望に即対応いただけるのは、サーバの技術にも長けているからだろうと思うんです。

CMを観た「キン肉マンのファン」に戻ってきてほしい

― CMも放送されていますよね。第一弾はどのようなきっかけで?

油井
今では複数のWebサイト上での連載以外で「キン肉マン」に触れる機会は以前に比べて減りましたが、ゲームをプレイしてくれている反応を見る限り、もっと多くの方に遊んでいただける可能性があるはずだと。存在を伝えれば遊んでいただける方も多いと捉え、コンテンツもサービスも充実したと判断したGWにCMを放映しました。一度遊んでいただけた方に継続して遊んでいただくことにもつながり、プロモーションとしてもいい結果になったと思います。
小林
このタイミングで完全に良い流れがきましたよね。2016 年12月22日から、2017年1月3日にかけて、CMの第二弾を放送しています。こちらは印象づけの強化と年末年始に遊んでいただくことが目的です。ミニキャラを活かしたコミカルなCMなので、面白いと言ってもらえると良いのですが。ぜひ多くの人に存在を知っていただきたいですね。

― 今後、ゲーム内で実現させたいことがあれば教えてください。

武田
僕の勝手な希望なので、実際に実現の話は全く出ていないんですが、原作でフィーチャーされているチーム戦を取り入れたいですね。実はリリース当初からの夢なんです。
小林
原作の再現クリアですね。原作と同じ条件、倒す側と倒される側の超人で原作に沿ってクリアするルートを実現させてみたいです。
髙久
ユーザーさんが、同僚の方やご友人と一緒にこのゲームで遊んだとネットに書かれていたんですが、そんな風に時間を共有してもらえる場にしていきたいです。コロシアムモードでは人と対戦するハラハラ感もありますが、今後はさらにゲーム内でコミュニケーションできる場や機能を増やしたいです。
油井
原作の魅力に気づいて、再び連載を読む人が増えてほしいですね。友達の家に集まって遊んでいたファミコン版キン肉マンのように、同級生が集まって遊べるゲームに育ってくれたらと思っています。

interview4

― ありがとうございました。

カヤックの強みは、ゼロベースからアイデアを提案できること。この案件でも、提案力から制作技術、運用面まで幅広い側面で評価をいただけたようです。ゲームの受諾開発、協業も大歓迎。
みなさまのご依頼をお待ちしています。

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