鎌倉専用クラウドファンディング「iikuni」の3つの特徴とは? | 面白法人カヤック

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2013.08.22

鎌倉専用クラウドファンディング「iikuni」の3つの特徴とは?

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「気のいい集団」が提案した、鎌倉の『防災の日』イベント

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鎌倉に本社を置くカヤックは、「カマコンバレー」というグループに所属しています。カマコンバレーとは、鎌倉で新しい働き方をともに模索し、協力して活動していこうという主にIT企業などの鎌倉企業とクリエイターの集まり。

鎌倉に魅力を感じて集まっているだけに、何かといえば鎌倉を応援し、よくする活動はできないかと話し合う「気のいい集団」でもあります。この9月1日には、その話し合いの中から生まれた「防災の日」イベントが開催されます。

海に隣接する鎌倉市民の方々に津波の危険性を伝え、震災が起こった際にも犠牲者を最小限に抑えられるよう、防災意識を高めてもらおうと行うものです。

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また、その費用の一部を「クラウドファンディング」で賄うこと、その際にカマコンバレーが開発した鎌倉専用クラウドファンディングサービス「iikuni」を用いる点が、この企画の新しさです。

*「iikuni」
http://iikuni-kamakura.jp/

「クラウドファンディング」とは、この2年ほどで広がってきた、インターネットを用いた新たな資金調達の手法です。あるプロジェクトに対して応援したい人が資金をそれぞれ提供し、目標金額を達成すればプロジェクトは実現され、応援した人には資金の額に応じた還元がされる…というのが大枠の仕組みです。アメリカの「Kickstarter」を筆頭に、国内でも「CAMPFIRE」や「COUNTDOWN」など同様のサービスが運営されています。

「iikuni」とクラウドファンディングサービス

こうした最先端のWebサービスを地域の活性化や問題に活かすところが、IT企業が多く所属するカマコンバレーの「らしさ」かもしれません。今回、「iikuni」のシステム開発を担当した村式の住吉優さんは、前述の「COUNTDOWN」を開発、運営してきたサービスの経験者でもあります。その経験から、国内のクラウドファンディングサービスの現状を、「軌道に乗るサイトはまだ少なく、各社が試行錯誤を重ねている段階」であり、「資金集めのサービス作りで留まっている状況」と分析しています。

その一方で、「iikuni」については、既存サービスとは違う展開が期待できるのではないかとも指摘しています。なぜなら、このサービスは「鎌倉をよくしよう」という活動の上に作られたものだからです。

しかも、元々カマコンバレーに持ち込まれる企画にはクラウドファンディング向きの内容が多かったことや、コミットしようとする人々が熱心なこと、市と連携が取りやすい環境など、期待できる要素が多いのも理由だと語っています。

ここで、そんな「iikuni」の特徴を簡単にご紹介しておきましょう。ポイントは「誰でも使えるシンプルさと楽しく参加できる明るい雰囲気、鎌倉に関連したプロジェクトなら他サービスと併用できる点」です。

一つ目の「シンプルさ」は、幅広い層に参加していただくための工夫です。最先端のサービスは得てしてネットリテラシーの高い人々向けの仕組みになりがちですが、これはあくまで地域に根ざしたサービスです。それだけに「市民みんなが使える」つくりを意識しました。

二つ目の「明るい雰囲気」も、同様に気軽に参加していただくための工夫です。公共の問題だからと肩肘を張りすぎず、ユーモアを忘れず、みんなで楽しく街について考えていきましょう、という想いを込めています。

最後は、おもに提案者向けの工夫です。他のクラウドファンディングサービスに同時に提出でき、必要であればカマコンバレーからのアドバイスも受けることが可能。これは、実現に向けたより効率的な活動ができるようにするための配慮です。

提案内容は「通学路の空き地を花壇にしたい」、「新しいお祭りを作りたい」など、鎌倉のためならなんでもOK。規模や内容に制限はありません。

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ここで大切にしたのは、「周囲を巻き込むような場をつくる」という意識です。「iikuni」では、資金を提供していただくみなさんを、「支援者」ではなく「協力者」という表記にしています。プロジェクトの挑戦者を支援や応援するだけではなく、もう一歩進んで「協力」する存在になってほしい。そんな想いがあるからです。

カヤックはプロデュースを担当しましたが、その際に柳澤は、「自分が提案したり協力したプロジェクトに関わることは、自分が住む土地に対し、今以上に誇りを持つことに繋がる」と話しています。実際に、今回の「防災の日」イベントでは、鎌倉市や観光協会、商工会議所や企業からの後援や協賛をいただいています。

個人や法人、規模に関わらずどんどん人を巻き込める仕組みとして活用し、協力の連鎖を作り出していきたい。「iikuni」はそのための第一歩でもあるのです。

「iikuni」を通して考える、地域と市と人が協力する街づくり

カマコンバレーのメンバー曰く、鎌倉とは、「日本の精神文化を牽引する場として価値観が違う人々が共生し、世界で評価されるものを生み出すことを国内外に提案できる地」(住吉)であり、「市民と企業が共生してよい社会を創造できる先端的な場、会社とは別の仲間など複数の創造活動を実践できる場」(柳澤)です。

そんな土地で「街のIT屋さん」の役割を担っているわけですが、その目標は、「街の魅力をITでいかに伝え、いかに効率よく街の活性化に繋げるか」にあります。でもこれは、よく考えてみればどんな地方でも必要な活動です。

「IT企業と市、市民がタッグを組んで地域の活性化をめざす」ことは、地方と企業の新たな関係づくりだけでなく、未来を考える鍵にもなるはず。そんな考えもあり、「iikuni」と「選挙立候補者比較サイト」は、どんな地域にも流用できる形で開発しています。

私たちは、地方のみなさんが、地域活性化のために本システムを活用していただくことはもとより、将来的にはカマコンバレーのような活動が広がってほしいと考えています。

今回ご紹介した「iikuni」にご興味のある方は、ぜひサイト をご覧になってみてください。

*「iikuni」
http://iikuni-kamakura.jp/

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