3. 14159265358…42,195ケタ暗唱した男は、クイズの神だった。 | 面白法人カヤック

Games

2013.05.03

#クリエイターズインタビュー No.3
3. 14159265358…42,195ケタ暗唱した男は、クイズの神だった。

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今回は「冒険クイズキングダム」についてのお話です。読めばゲームがもっと面白くなるかもしれません。企画・制作の中心である企画部の後藤裕之に話を伺いました。後藤は、ウィキペディアにも名前がある、一部ではけっこうな有名人です。ページには「ハイパーイントロクリエイター、円周率暗唱でギネス掲載、イントロクイズ9回優勝」と錚々たる冠が並びます。

大学時代には好きが嵩じてテレビ番組「高校生クイズ」の問題作成や企画に作家として参加、さまざまなクイズ番組の制作にも関わり、前職では「ことばのパズル もじぴったん」で売上100万本のヒットを達成してもいます。クイズ制作界のエリートとも言えそうな経歴です。

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ずっとクイズゲームがつくりたかった

― なぜクイズを題材にしたのでしょうか?

後藤
老若男女が楽しめるゲームを考えた時、クイズほど幅広く、親しみやすく、また暇つぶしにも万能の存在はないのではないでしょうか。テレビ番組にゲーム機、時には人の記憶からと接する形もさまざまです。
そして次に、スマートフォン用のアプリ市場を見てみると、ゲームにおけるクイズやパズルは、触ったことがない人の方が珍しい人気ジャンルです。そして2012年の11月、カヤックはこの市場において、クイズ&RPGソーシャルゲーム「冒険クイズキングダム」で初参入を果たしました。

― どのくらいの方が遊ばれているのでしょうか?

後藤
約半年でユーザー150万人を突破、ありがたいことに各所で話題にしていただいています。このアプリは、ユーザーはパーティをつくり、ジャンルごとの島で出題されるクイズに答えてモンスターを倒し、ステージを進めるという仕組みです。楽しみつつ知識をつけることができる、クイズとRPGが融合したソーシャルゲームですね。

― 元々クイズのゲームがつくりたかったのでしょうか?

後藤
はい、ずっとクイズゲームをつくりたかったんです。当時は本格的なクイズアプリがなかったので、RPGとクイズを組み合わせた物をつくれば当たるはず、カヤックでならできそうだと思って企画を立てていました。暇つぶしと捉えられがちなゲームだけど、遊びと学びの両方があって、人生を豊かにできる内容にしたいなと。
そして企画のゴーサインを無事に勝ち取りましたが、制作中は完成しないのではと思う瞬間もありました。ですが、メンバーと力を合わせて問題を解決し、オンタイムでの発表へとこぎ着けることができました。遊ぶ人の知的好奇心を広げ、知識になるように。

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40万問のクイズを地道につくる

― 150万人を惹きつけた秘密は何だと思いますか?

後藤
それは恐らく「誰もが挫折せずにクイズを楽しめる」という点にあります。不正解ですぐ全滅したり、先に進めなかったりなど、遊ぶ人を飽きさせる瞬間がほぼないのです。オーソドックスなようで、これまでのクイズアプリではできなかったことです。普段あまりアプリでゲームをしないクイズ好きのユーザーにたくさん遊んでほしくて。
クイズに挫折しやすい人こそキャッチアップしなければと思いました。だから、最初に少しがんばって続けてもらえれば、キャラが強くなってRPGとしても楽に進められるようになっています。不正解の時でも全滅しにくくなるし、敵に攻撃もできます。問題がわからなくても先に進めるので、あとはゲームを続けているだけで自然と知識も身につけられるんですよ。

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― 不正解でも攻撃できる仕組みがいいですよね。

後藤
問題を考えたという行動への評価ですね。頭をひねって考えた苦労には報いてあげたいです。

― クイズに愛情がなければ出てこない気持ちですね。このアプリにはどれだけの問題数があるんでしょう?

後藤
今で40万問くらいですかね。そのすべてをクエストと難易度とジャンルで分類しExcelで管理しています。1問につき選択肢は最高8個しか表示されませんが、データには最高60個の情報が登録されていますよ。

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― すごいですね!

後藤
その他に、あとでクイズにできそうなニュースや情報をまとめたネタ帳的なメモもつくっています。ただ、クイズは一回つくって終わりではなく、答えが変わる可能性のある問題もあるので、定期的なチェックが必要なんです。40万問あるので、月一回のメンテナンスをするだけでも結構大変ですね。

― さすがクイズ王ですね。Excelの幅、軽く計算したら1280×45m(基本セル1枠で換算)になるんですが、ちょっとした公園より広いですね。

後藤
実際に遊ばれるとわかるのですが、出題方法も○×や多答式、択一や穴埋めなどさまざまな形があります。これも、クイズ番組の制作経験をもとに、どんな切り口にすれば面白く感じるか、頭を捻ってくれるかを考え、一問ずつ決めています。さらに出題パターンには、自然と答えが暗記できるよう、オリジナルの暗記ノウハウも組み込んでいます
先ほどお話したように、選択肢の情報を多く登録するのは、同じ問題を繰り返し出すためでもあります。例えば、AKBのメンバーを答える問題には全員が登録されているので、ステージによって有名な人からマニアックな人まで表示される内容が変わります。この出題ステージや難易度の調整も手作業です。

クイズのプラットフォームになりたい

― リリースから7カ月が経過した今も、クイズキングダムの世界では、毎日のようにクイズやキャラクターの追加といった変化が起こっていますね。

後藤
変化やリリースのスピードは、僕が過去に所属していた業界と比べると約10倍速です。そんなアプリに特有のスピード感は、問題作りにもかなり影響していて、古い問題は躊躇なく外し、どんどん新しい問題を追加します。もちろん、遊びと知識を満たすことやニーズも意識することも忘れずに。
あと、クイズでニュースもチェックできたら便利だと思うんですよね。だから、ニュースサイトなどのトップニュースはだいたいクイズにします。今出題されたらユーザーが嬉しいだろうな、という情報は絶対外さないことが大事だと思うんですよね。早ければ発表の1時間後には問題になりますから、時事問題の更新はうちが一番じゃないでしょうか。

― でも大変ですね。

後藤
もちろん大変ですが、アプリだからこそできることも多いです。マニアックな問題を出せるのもその一つ。最大限のおもてなしをしたいんですよね。そして、もっともっと楽しんでいただけるよう、新しい機能や対戦アイデアもたくさん待機しています。そしてゆくゆくは「クイズのプラットフォーム的アプリ」になれたら…。そんな気持ちを胸に、今日も問題を考え続けています。

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