土屋有「故郷の宮崎でカヤックマインドを伝えています」 | 面白法人カヤック

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2014.03.12

#退職者インタビュー No.6
土屋有「故郷の宮崎でカヤックマインドを伝えています」

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カヤックを旅立った元社員に当時やその後を伺うインタビュー。今回は、ゲームチームのブレーンとして、CTOの貝畑とコンビを組んで事業責任者として活躍し、現在は故郷・宮崎のITベンチャーで活躍する土屋有さんです。

― 今は故郷の宮崎でお仕事されているとか。

土屋
はい。企業向けECサイトのパッケージやECマーケット向けのサービスをつくっているアラタナというITベンチャーで、マーケティングを担当しています。
柳澤
僕はアラタナの経営者の濱渦(はまうず)さんとも仲がよくて、そう考えると、つっちー(土屋)は仲間の会社に移籍したって感じがあるね。
土屋
そうですね。カヤックリスペクトの企業なので経営理念や雰囲気はすごく似ています。起業する時にカヤックをお手本に勉強したそうなので、近い部分が多いんでしょうね。でもまだ7期目で未熟な面もありますから、学べる所がたくさんあるんじゃないかと。僕のカヤックでの経験も伝えられる所は伝えていきたいと思います。

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― カヤックに入社した時のことを教えてください。

柳澤
取締役だったアイレップで子会社を立ち上げて、そこを売却して。その次の挑戦がカヤックなんだよね。
土屋
はい。以前社長をしていた時の取締役がやなさん(柳澤)を知っていて、向いてそうだしって薦められたんです。元々カヤック文脈の仕事ではなかったし異分野の感じも強かったのですが、僕にはどうも運と縁が導いてくれる何かがあるようで…。

― なるほど。

土屋
面接が自由が丘で夜12時スタートだったんですよ。着いたら事務所はカオス状態だし、対応してくれたCAP(久場)とかいちさん(貝畑)には話が伝わっておらず、やなさんもいなかった(笑)。
そして、戻ってくると挨拶もそこそこに「まあなんかすることあるよ」と。あとは「数人の社員と会ってほしい」と言われましたね。僕には夜中の面接とその「なんかすることある」って言葉がすごく印象に残っています。
柳澤
次は誰と会ったんだっけ。
土屋
鎌倉本社で、片岡さん(プロデューサー)や松原さん(広報)…6人位ですかね。3人一組で交代に囲まれながら話しました。
柳澤
それで決まったってことは、そこで一人も反対が出なかったんだよ。経営層やリーダー層になる人は一人でも反対が出たら採らないからね。まあ彼は経歴が全然違ったので、できるだけ多くの社員に会ってもらおうとは考えていましたが。
土屋
あそこにはコアメンバーが揃っていたのか、と入ってから気づきました。そういえば、鎌倉もカヤックに入らなければ住まなかった場所でしたよ。

― 面接での「なんかすることあるよ」から、実際には何が見つかったんでしょうね。

土屋
とにかく「自分でやること探して」と言われましたね。
柳澤
もちろん全員にそんな無茶なお願いをするわけじゃないですよ。たまたま彼が得意だといっていた営業がうちには職種として存在しないし、まあ彼は自分の価値は自分で見つけるし損はさせないってスタンスだし、それならもう任せようって話になったんだよね。
土屋
初日は席もなかったですしね(笑)。とにかく話を聞いて会社を知らなきゃと空いた席に座ったら、そこがカスタマーサポートの席だったんですよ。で、キーマンを教えてもらって話を聞きに行ったのが初日の前半。
その後、藤川さん(管理部長)から入社説明を受けていたら突然、鈴木さん(プロデューサー)から打ち合わせに連れて行きたいという依頼がきたと伝えられ、よくわからないまま一緒に取引先まで同行したんです。
柳澤
ああ、koebuの時!
土屋
そうです。はじめましての挨拶もそこそこに、案件がまとまり、ローンチは2週間後だから土屋さんまとめてくださいね、と言われたのが初日の後半でした。

― 展開が早すぎませんか!?

土屋
でもまあ、やってみないとわからないですしね。そう考えるとカヤックにはチャンスが至る所に落ちてるんですよ。話してみるとみんな面白い企画ばかりだし、まずはノーを言わないようにしようと全部受けていたら、いろんなことをやることになっちゃって。なので、しばらくは職種を聞かれてもよくわからない状態でした(苦笑)。
柳澤
カスタマーサポートのチーフと、koebuを経てゲームチームのリーダーを兼任していたよね。僕らはkoebuを伸ばしてもらおうと思ってたんだけど、つっちーは切り替えが早いからすぐにゲームの方が伸びそうだぞってゲームに異動しちゃって。

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土屋
カヤックではそういう、本来なら話せないような考えも話せるんですよ。ソーシャルゲームがボンと来た時で勢いがあったし、カスタマーサポートの現場でユーザーの熱量を直に感じていたので、「これからはゲームでしょ」って感じだったんです。
カヤックってね、サバイバル能力が必要な会社なんですよ。クリエイターのようにつくることができない自分には何ができるのかと、自ら見つけてつくらないと一緒に仕事ができないし、居場所もない。
常に最も求められそうな武器を持って、生かせそうな所に自分で飛び込まないとならないから、ある意味、今までで一番厳しい会社だったと思います。
柳澤
放置されちゃうからね。でも、そのぶん評価が手の平返しで変わるから、一度出遅れてもすぐ回復できるのがカヤックのいいところかもね。
土屋
確かにそうですね。プロセスじゃなくアウトプットで評価がすぐ変わるし、前の評価を引きずらないですよね。
柳澤
そうそう。だってつっちーもよく広報のメンバーとぶつかってたけど、最後には認め合ってたもんね。
土屋
やなさんは、定期的に間を取り持ってくれましたよね。それを参考に、つくれないなりに何をすべきかはいつも考えていました。
あとカヤックでは、がんばってつくったという人に対しても、イケてないと正直に指摘するんですよね。でもその指摘を素直に受ける空気があるし、揉めた二人が次のプロジェクトで一緒に協力していたりするのが不思議で。
僕自身、カヤックに入る前にもうそこそこの大人だったので、ぶつからない術は持っていたし、最初はそれを使っていたんです。でもやなさんは、そういう感じをカヤックにはつくりたくないと思っているんですよね。それで、築いてきた大人のスキルをぽーんと一回置きました。
柳澤
子どもの感覚に戻れっていうね(笑)。
土屋
そのおかげでいろんな人と向き合う力が本当についたなと。苦手な人にも話を聞きに行こうって感じになりました。
柳澤
だって家族とはケンカするでしょう? 仲良くなるには、ケンカは絶対必要なんですよ。むかつく感情を他人に持たない人なんていないし、それはオープンにすべきだと思うんだよね。
土屋
ある種のリハビリですよね。これは今の会社でも変わっていなくて、最初は熱い人扱いだったのが、今やみんな呑み込まれちゃってる(笑)。でも、はっきりなんでも言う方が、相手と純粋に向き合えますよ。
子どもの頃は普通だった感覚に対して、大人になるにつれてスキルアップだと思って身につけてきた方法が、実は本心を隠していただけだったことがわかる。僕をよく知る前職の人たちにも「憑き物が落ちたみたい」と言われます(笑)。
柳澤
新しい挑戦は人を成長させるんだね…。
土屋
でも僕も、あえて経験ゼロの所に飛び込む必要なんてないなと考えていた時期があったんです。でもカヤックには、飛び込むことをかっこいいと思わせる空気や、失敗はだめだけど、それでもやってみようと考えさせる文化がありますよね。
だから、調子に乗っている人こそ入るべき会社だと思います。実力を研ぎ澄ますために嫌でも自分と向き合わされる場所なので。

― なぜ退職を決めたのですか?

柳澤
企業がチームを再編成するタイミングで、つっちーからは宮崎に帰るという話もあってちょうどいいねと。
土屋
ええ。やなさんとは、たくさんの面接を一緒にやらせてもらいましたけど、やなさんは面接の際、落ちた人は今回落ちただけで、今後も縁がない訳ではなくタイミングなんだとよく仰っていたんです。入社も縁とタイミングだから辞める時も同じだと。退職を決めた時に、ああこれが縁とタイミングなんだと実感しました。
柳澤
うちは「面白法人」って会社を人に捉えているので、すべて人で考えるんです。これは男女関係と同じで、別れなきゃいけない人を無理に引き留めてもいいことってないんです。無理に残すよりは、お互いのタイミングで入ったり出たりしていく方が健康的だよね。
土屋
この時でなければ、宮崎には帰ってなかったと思います。辞める時も役員3人ときちんと向き合って話をしましたし、その意味では入社の時とまったく同じだったなでしたねー。
柳澤
しかし、つっちーがやめるときは、ゲームに勢いがあった時で彼も業界ではよく知られていたので、引きもたくさんあったよね。でも、同業ではない所を選んだ。そのあたりはさすがだよね。
土屋
僕自身は、ゲームがやりたくてカヤックに来たのではなく、カヤックでどう自分を生かそうかと考えたらゲームになっただけですから。他の会社のようにソーシャルゲームが儲かるって意識もないですしね。
実際、大きな会社の誘いもありましたけど、そう魅力を感じなかったんです。経験などはお金で換算できないものなので。
柳澤
だから宮崎を選んだのはいい挑戦だと思うよ。地方で何かをやるのは大変だろうけどね。
土屋
でもまだその大変さを楽しめる歳だったので、決断できたんです。
柳澤
地方が盛り上がる方が多様性も生まれてハッピーになる人も増えるしね。僕もカマコンバレーとかで、鎌倉にかなりコミットしてるし。
土屋
いいですね。僕もそんな感じを目指したいと思います。

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