2014.01.24
#クリエイターズインタビュー No.16経営者必見!自社のホームページに力を注ぐべき理由
今回は、カヤックから経営者の方々に向けたテーマをひとつ、ご提案します。自社のホームページ、つまり、コーポレートサイトの存在について、皆様はどうお考えでしょうか。「IT時代の現代には必須だから」、「ビジネスアピールのため」など、何かしらの必要性を感じては制作を依頼されていると思います。


カヤックでは2年に1度、コーポレートサイトの大規模リニューアルを定期的に行っています。この理由はこちらでご確認いただくとして、その中で、工夫されたコーポレートサイトが、いかにビジネスや採用に対し、可能性を開く鍵になるかということを、つねに実感してきました。そしてまた、この数年にコーポレートサイトの制作を通して、再確認したことがありました。
それは、職種や規模、企業の方向性と合致するものならば、もう少し個性的なデザインが増えてもいいのではないかということです。現状のデザインは、どんな企業でも情報伝達を優先したものが大半です。もちろんそれも重要かつ最適な形ですが、みんながみんな同じでなくてもいいのではないか…と。
そんな個性的なコーポレートサイトの意義や効果について、代表柳澤とクライアントワークでコーポレートサイトを多く手掛けるディレクター三好がご説明します。
個性的なコーポレートサイトにすることの効能
- 柳澤
- 個性的なコーポレートサイトには、発信力、採用力、ブランディング力営業力などの力が備わっています。カヤックは自らの経験でそのことを学んで来ました。カヤックがITクリエイティブ系の企業であるという理由もありますが、この要素はむしろクリエイティブ系ではない企業にこそ効果があるものです。(向いている企業とその理由はこちら)
- 特に効果的なものが、採用面。人事部の方であれば、人材紹介コストの莫大さはよくご存じのことでしょう。しかも人数換算が基本のため、短期間で事業拡大を行いたい企業が負うコストの量は計り知れません。
- これが、企業のイメージを個性的なキャッチコピーと適当な技術で表したコーポレートサイトがあり、その内容を見て人材が自然と集まってくる、そんな環境をつくれているとしたら、どうでしょうか。初期費用は高くなったとしても、それに見合う、もしくはそれ以上の効果として自社に還元されることが考えられます。
- 三好
- その代表的な例が、お試しサイト「トライフィールコレクション」を展開する「シンクスマイル」のコーポレートサイトですね。

- 三好
- 「誰も見たことがないもの」、「従業員が毎日見たくなるもの」、という先方の意向をベースに、「人を大事にする」社風を重視した内容にしました。よいことに対して従業員同士が送って褒めあう「スマイルカード」制度を応用、Webで見える化し、ゲーミフィケーションを活用した、人材育成ツール「CIMOS」として新たに開発しました。社員一人ひとりが見えるコーポレートサイトへと生まれ変わったのです。

- 三好
- ちょうど社名変更のタイミングだったこともあり、CIやバリューの再設定なども弊社で手掛けられた点が大きかったですね。『CIMOS』の誕生も、カヤックの『“褒める”を“見える化”する』というアイデアと新子明希代表の「企業バリューの融合」という提案のコラボレーションにより完成したものだからです。
- 10個の企業バリューに見合った行動を行うとバッジがもらえるため、社員は日々の行動の中でバリューを意識するようになります。また社外には、サイトを介して表される彼らの行動が企業そのものとなり、各営業先にアピールされる仕組みになっているんですよ。
- その仕組みの新しさから、同サイトはさまざまな場で話題になりました。「CIMOS」にも大きな反響をいただき、現在では社員教育の商材として販売されるまでにもなりました。メディア効果や採用効果は数億円単位であるとも…。まさに、他社とは一線を画すコーポレートサイトが大きな効果をもたらした企業だと言えるでしょう。
- 柳澤
- ただ面白さだけを追求すればいい訳ではない点も重要ですね。CI制作やバリューの再設定も一貫して手掛けられた点が、成功のいち要因であることは間違いないでしょうね。ですが、そうではない場合も、コーポレートサイトの制作は、企業のCIや理念をつくることと非常に近い作業です。
- それだけに、企業の代表様と制作チームが膝をつき合わせ、企業理念や商品の強み、社員への想い、すべての要素を確実に伺うことができなければ、よいものをつくることは難しいんです。
- その意味で考えると、こうしたコーポレートサイトの在り方や、つくり方に適しているのは数十人規模の中〜小規模な企業様でしょう。しかしどんな規模にあっても、上記の例が示す意味を考えてみることにはある種の価値があるのではないでしょうか。
個性的なコーポレートサイトにおけるコピーの力と、コミュニケーションの重要性
- 三好
- あとカヤックでは、最高の表現をするために制作チームにもこだわります。理念を言葉で伝えるコピーライターを中心に、カメラマンやデザイナー、エンジニア、プランナーなど第一線のプロを揃えています。この意図に関しては、広告代理店「アイ・アドバタイジング」のサイトを例に見ていくのがいいかもしれません。

- 三好
- 同社は、老舗のファッション系広告代理店です。紙中心だったファッション広告業のデジタル化に対応すべく、イメージを刷新できる形にしてほしいという依頼がスタート地点。広告業ということもあり、コンセプトとして三好が重視したのが、言葉とそれらを表すコピーの追求でした。
- 柳澤
- ネットが充実しサイトがリッチ化される中で、“いい写真”を使えば、いいサイトになる。その意識と効果は広く認知されましたよね。しかし、コピーの力にはまだ気づかれていないのではないでしょうか。ネットの検索だって言葉で行うものですから、経営者のアイデンティティやビジョンが最適な形で組み込まれれば、それがヒットした時のアピール力は計り知れないものがあります。だからこそ、コピーの力を重要視しているのです。

- 三好
- このサイトでも、3時間以上の代表取材を行い、コピーライターから80案ほどのコピーを提案してもらいました。ですが、半月ほど先方とともに悩んでも絞りきれず…。苦肉の策で候補を並べてみた時に、先方から『実はこの並びからウチが見えるんじゃない?』というご提案が。そこから、コピーを並べて会社の人格を表現する方向に収まりました。
- 優れたサイトの完成までには、カヤックの制作力や工夫だけでなく、クライアントの代表様やご担当者様の協力が必要不可欠ですね。
採用率を上げるなら、生きた印象を与えるデザインに
- 柳澤
- さらにもう一つ、Webサイト完成後の運用面の考え方も非常に重要です。日々更新される「生きた(活きた)」サイトにするか、静かに強く理念を伝えるサイトにするか。業種や目的でも異なりますが、採用などを意識している企業の場合は、活気に溢れた印象を見せる上でも、更新の要素があった方がよいですね。


- 三好
- たとえばシンクスマイルさんであれば、社員各自で更新できる仕組みが必須だったため、ブログとSNSを組み合わせたページ構造になっています。デザイン会社Q co.,ltd.では、トップページに表示される動画を、社員各自がスマホで撮った動画をアップして変化させる仕組みを取っています。
- 柳澤
- 自分たちのコーポレートサイトは自分たちでつくる。この意識が持てるサイトにすることは、非常に重要だと思います。そうすれば自社に愛着がわき、人にも伝えようとする気持ちが生まれますよね。コーポレートサイトはある種、社員に会社へコミットしていこうという積極性を、育てられるツールでもあると思うんですよね。
個性的なコーポレートサイトにご興味をお持ちの代表様。ぜひ一度カヤックにご相談ください。業種に関わらず、御社らしさを引き出す表現と技術とともにお待ちしています。
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