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Client Work

2013.08.27

#クリエイターズインタビュー No.9
ドミノピザの箱に、AR技術で初音ミクを躍らせた男たちの熱々な想い。

Client Work

今回のCreator’s Interviewは、ファンのみならず各所で話題沸騰のアプリ「Domino's App feat. 初音ミク」についてです。ピザと同じくらいホットで刺激的な開発の裏側をディレクターの中畑虎也とアニメーターの天野清之に聞きました。

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ドミノ・ピザのオリジナルミクを、最高の形にパッケージングする

― どのようにアイデアを出していったのですか?

中畑
ピザボックスをステージにするアイデアは、ミクファンのカヤック社員たちとのブレストで出てきたものです。毎回熱のこもった意見を出してくれるので、とても参考になりました。おかげさまで3月のリリース直後からさまざまな所で話題になっています。
1カ月でApp Storeライフスタイルランキングで1位、この7月には「モバイル広告大賞」ではグランプリを受賞するなど、みなさまから高い評価をいただいています。ありがとうございます!

― このアプリが生まれるきっかけを教えてください。

中畑
昨年にドミノ・ピザさんから戴いた「Domino's Appの初音ミクバージョンをつくれないか」という依頼でした。すでに進んでいたドミノ・クルーによるオリジナル初音ミク制作プロジェクト「ドミノ・クルーがオリジナルボカロ曲作ってみます」。その集大成となるアプリをリリースしたい、と。
初音ミクボーカロイドの文化を理解し、CGM(インターネットを介してユーザーが内容をつくるメディア)を最大限に発揮できるような形のアプリでご提案を進めることにしました。衣装デザインから詞や曲、ダンスまですべてがクルーによる作品です。
ですから、それらをできるだけ活かしてアプリへと移植し、最高の見せ方でパッケージングしていくことを最優先にしたのです。それに加え、ミクのライブ機能も目玉ポイントとしてご提案しました。ボーカロイドとして生まれた初音ミクの特徴を考えれば、歌から繋がるライブは外せない要素だったからです。
そのあたりのアイデアは、相当ブレストや話し合いをしたし、何度も企画を練り直しました。確か最初の企画は、オリジナルのボカロソングがつくれるピザソングジェネレーターか何かだったような…。それが最終的には、注文から手元に届き、食べるまでを楽しめる体験型アプリの形へと固まっていったんです。

― 苦労したところはどこでしょう?

中畑
受託サービスの開発は、たとえば弊社の音声コミュニティサイト「koebu」のような自社サービスの開発とは少し異なる部分があります。アプリのコンセプトをきちんと考える点は変わりませんが、多くは商品やプロダクト、店舗の広告・宣伝素材としての側面も持つため、キャンペーン的な効果も違和感なく融合させていく必要があるからです。
いくつかの目的が並列に並ぶため、長期間に渡る制作の中では、稀に方向性がずれてしまう恐れも…。また、どんなにいいアイデアでもうまく活用できなければ面白さや効果が半減してしまいます。ただし、そうした問題については、ドミノ・ピザさん自身が「ピザの注文から注文の間、そして食べ終わるまでの時間を楽しませたい」という思いをお持ちだったため、今回の場合は自然とクリアされました。
そして、その時間をいかにデザインすべきかを考えていく。さまざまな取捨選択において、このことが重要な基準になりました。

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▲AR技術とミクが歌い踊る「Pizza Stage LIVE」

― アプリをつくるうえで大切にしたことは何でしょうか?

中畑
大きなプロジェクトを進める上では、コンセプトが強いモノかどうかがとても重要です。ですから、そこから外れないように注意して企画していきました。たとえば、ライブだと、コンセプトの時間軸を元に、ミクはやっぱりライブだからARのライブが見られたら楽しいよね。

それならピザが届いた時がいいんじゃない。じゃあ、届いたピザボックスがステージになったらどうかな? …と決まっていく感じでした。バラバラに並んでいたアイデアが、流れに沿うようにして、パズルのピースみたいにハマっていったんです。

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天野
ARを組み込む上で意識したのは、やはり処理速度です。過剰に演出したり、かわいさにこだわりすぎるあまり、動きが遅くなってカクカク感が出るようでは意味がありません。ですから、まずどんな動き方が最適かを考えるんです。すると、そこから段々ARアプリの開発仕様が決まっていくんです。
他のプロジェクトで得た知見を元に、提供端末による制限も考慮しながらベストの形にできるようにと考えました。Shader(陰影で質感を表現するCG技術)を使うエンジニアに相談し、不要な処理や余計なレンダリングをしない仕組みを開発してもらいました。なので、細かな演出を入れても軽いデータにすることができたんです。
ARの場合、ユーザーが360度のマルチアングルで見られるため、キャラものは「どこから見てもかわいく」あることが大前提。このデータ処理方法により、今度はエナメル風の衣装が角度によって光が反射して見えるような演出や、床の質感、キャラの影や映り込みといった細部の描写も実現可能になったのです。さらに天野が言葉を加えます。
クリエイターとして、当然デザインもきちんとつくり込みますが、ミクのファンは、かわいいミクが一番見たいと思うんですよね。ですから、ミクをかわいく見せることが一番大事だと考えました。このライブ機能でぼくらがやっていることは、すべてがミクをよりよく見せるための演出なんです。
中畑
天野は、筋金入りの初音ミクファンなんですよ。

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アプリに秘められたたくさんの工夫と想い

― ほかに工夫した点を教えてください。

中畑
たとえば、デザインのトーン。サイバー感が強いミクの色みを食品系サイトになじませるため、「Colorful」というデザインコンセプトを採用し暖かさのある色みでまとめました。実はここには、「社内外のさまざまなクリエイターが関わることでカラフルな個性が見られる」という意味も込められているんです。ちょっとすてきですよね。

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▲そして、ミクと自由に写真が撮れる「ソーシャルピザカメラ」。

中畑
カヤックは今、受託サービスを手掛ける際に掲げるテーマの一つとして、「アニメ・漫画」などのジャパニーズカルチャーに注目し、ユーザーが望む願望をテクノロジーで実現し、体験するコンテンツ開発に力を入れています。その意味でも「ソーシャルピザカメラ」は、そんなテーマを実現できたコンテンツになったのではないかと考えています。
天野
今は、技術とアイデアを駆使すれば、気軽にキャラクターと一緒に写真を撮ることができるアプリだって開発することができるんです。ミクファンの方たちも「ソーシャルピザカメラ」で楽しんで頂けたのではないでしょうか。そして、このアプリの中で広告的な役割を担うのもこちらの機能です。
アプリをシェアして広めてもらうため、「拡散したくなる要素は何か?」と考える中で行き着いたのは、FacebookやTwitterでもシェアされやすい写真でした。
フィギュアをキレイな風景と一緒に写真に収めている方たちがいますので、キャラクターをフォトジェニックに撮影する文化は、需要があるのではないかという気持ちはありました。それだけに、「ソーシャルピザカメラ」をつくれば遊んでくれるはずではないかと…。
中畑
また、アプリの機能ではありませんが、このキャンペーンの一貫である、ドミノ・ピザの社長がミクを解説する動画も話題になりました。世界のネットユーザーを惹きつけバズを起こすことに成功し、YouTubeでの50万再生を実現したほか、ユーザーによる自作のマッシュアップ動画がネット上に溢れるなど国内外に関わらず大きな影響を与えています。

今後の展開は「ミクのみぞ知る」!?

7月には、ドミノ・ピザが主催するイベントに合わせた第2弾も登場し、さらなる展開を見せる「Domino's App feat. 初音ミク」アプリ。今後もドミノ・ピザ×初音ミクによる企画は続くそうです。新企画がわかり次第お知らせしていきますので、今後もぜひカヤックの情報をチェックしてみてくださいね。

「Domino's App feat. 初音ミク」をまだ体験していない方はコチラから!
http://www.kayac.com/service/client/1056

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