面白法人カヤックは、2022年度より渋谷区の「デジタル地域通貨事業」を受託し、キャッシュレス決済アプリ「ハチペイ」の総合プロデュース(企画・開発・運用・プロモーション)を一気通貫で支援しています。
本事業は当初、コロナ禍(2019.12 〜 2023.5)において打撃を受けた区内事業者への「産業振興」を主目的としてスタートしました。 その後、サービスの普及とともに役割を拡大。現在は物価高騰に対する区民の「生活支援」、誰一人取り残さないための「デジタルデバイド(情報格差)解消」、そして自治体や地域商店街の「DX推進」など、多岐にわたる課題解決ツールとして機能しています。
単なる決済アプリを超え、区政全般に活用可能な「地域プラットフォーム」へと進化を続けるハチペイ。その変遷とカヤックの支援実績をご紹介します。

2022年度 - コロナ禍の産業支援を使命に。誰もが使える「やさしい決済」を実現
コロナ禍で疲弊した区内事業者の「産業振興」を最優先課題として、2022年11月にハチペイは産声を上げました。
カヤックは、事業戦略の策定からサービスコンセプト設計、アプリ開発、そして事務局の構築・運用まで、事業の成功を共に創るパートナーとして全行程を支援しています。
アプリ・サービスの提供においては、株式会社ポケットチェンジの決済プラットフォーム「PokePay」を基盤としながら、利用者が直感的に操作できるUI/UXを追求した渋谷区独自のオリジナルアプリを実装。現地窓口やコールセンターを含めた手厚いサポート体制と合わせ、高齢者やデジタル機器に不慣れな方でも迷わず利用できる環境を整え、「デジタルデバイド(情報格差)の解消」に向けた基盤を築いています。
また、店舗側で端末導入が不要となるQRコード決済を採用し、店舗側のオペレーション負荷を最小限に抑えることで商店街のDXを推進。さらに、大型還元キャンペーンやデジタルプレミアム付商品券の運用を戦略的に支援することで、リリース直後から多くのユーザーと加盟店を巻き込む「垂直立ち上げ」に成功しました。

ハチペイアプリのホーム画面。シニアの方まで親しみやすい、やさしいデザインを意識。


渋谷区役所内に設置しているサポートデスクの様子。スマホやアプリにまだ慣れていない方へのサポートを行っています。
2023年度 - 街の顔として、愛される地域通貨へ
初年度の立ち上げを経て、「一過性の消費喚起」に留まらない、日常生活に深く定着するサービス品質の深化に注力しました。
加盟店網の更なる拡大により、生活圏のあらゆるシーンで利用可能な「サービス規模の最大化」を推進。主要な商店街から路地裏の名店まで、ハチペイが使える場を広げたことで、渋谷を歩けば必ず目にする「この街の顔」とも言える存在となりました。単なる決済手段を超え、「渋谷区といえばハチペイ」と住民の方々に自然に想起され、愛着を持って日常使いされるサービスへと成長を遂げています。
また、サービスの成長に伴い、多様化するユーザーニーズに応えるための「継続的な品質改善」を最優先事項として取り組みました。利用者の声に真摯に耳を傾け、アプリの操作性向上や細やかなUI修正、事務局の対応品質のブラッシュアップを徹底。機能拡充のみならず、「いつでも、誰でも、安心して使える」という普遍的な品質を磨き続けています。
さらに、コミュニティ通貨(まちのコイン)「ハチポ」との連携を強化。消費活動の活性化だけでなく、街の魅力の再発見や地域活動への参加を促すツールと深く繋がることで、「デジタル住民サービスのハブ」として、多角的な街のにぎわいづくりを支えています。

渋谷区内のあちこちに加盟店さんがいっぱい。ハチペイの加盟店シールやのぼりが目印です。

ハチペイ導入当時からハチペイののぼりを日頃から活用いただいている、公園どおり近くの「TEXTILE WORLD TOA」さん。

渋谷センター街の一角にある塩ラーメン屋さん「ミズノボル」さん。ランチ決済にもハチペイは相性抜群です。
2024年度 - "届ける" から "つなげる" へ
導入から3年目を迎え、ハチペイは「広く普及させるフェーズ」から、より「区民および区内事業者への還元を最適化するフェーズ」へと移行しました。
これまでは、誰でも利用可能なキャンペーンを中心に展開してきましたが、区民・区内事業者に一層フォーカスした施策へとシフト。住民と地元店舗の結びつきをより強固なものにしました。
さらに、他の区事業との連携を一層強化。ハチペイやハチポを効果的に活用することで、行政施策の推進剤としての役割を果たしています。
また、「ふるさと納税」の返礼品としてハチペイを活用する仕組みが浸透したことで、区外から訪れる方々が区内の飲食店や商店を巡る新たな動線を創出。これにより、域内の経済循環を活性化させるだけでなく、渋谷区の魅力を直接体験してもらう「関係人口の創出」に大きく貢献しています。

渋谷区政の施策である区民の方を中心に参加できるお得なキャンペーンも、カヤックが企画と実施の伴走をしています。

ハチペイ専用チャージ機がある区の施設の一つ、リフレッシュ氷川。キャンペーンに参加されたい方の相談にのっています。
2025年度 - 生活支援とデータ還元。地域を支えるインフラへの進化
4年目は、物価高に立ち向かう「生活支援」としての取り組みを強化。同時に、蓄積されたデータを地域へ還元する新たな試みを開始しました。
物価高騰等の影響を受ける住民への生活支援として、お米の購入補助施策を実施。これまでデジタル利用が比較的少なかった高齢者層の利用率が大幅に向上しました。これにより、地域住民の生活を直接的に支えるとともに、地域密着型店舗への来店・利用増を創出し、地域経済のセーフティネットとしての役割を鮮明にしました。

2025年の秋と冬に開催されたお米キャンペーン。加盟店向けの開催キットや販促ツールも提供し活用いただきました。
また、従来の還元施策に依存しない自走型の仕組みづくりとして、ハチペイを通じて蓄積されたマーケティングデータを区内事業者に還元する取り組みを始動しました。購買傾向や人流の分析データを店舗経営の改善や販促に活かせるよう、プロトタイプ版のデータ提供プラットフォームの開発を推進。単なる支払い手段ではなく、データによって地域経済のDXを支援します。

自店舗の状態やエリアとの比較、消費者の購買傾向がみえる分析ツール。
住民・事業者とともに進化する「地域共創型」のプラットフォームへ
地域通貨で大切なのはシステムそのものではなく、地域社会の中にいかに深く根を張り、住民や事業者とともにサービスを「育てていけるか」にあります。
単なる便利な支払い手段の提供に留まらず、行政が目指す姿と住民・事業者のリアルな声の双方に耳を傾け、改善を積み重ねていくプロセスこそが、地域に根付くために不可欠な要素です。
カヤックでは、戦略立案からアプリ開発、さらには現場の窓口サポートに至るまでを一貫して運用することで、多角的な視点やフィードバックを迅速に反映し、サービスを変化させ続けることを重視しています。
ハチペイはこれからも、決済という枠組みを超え、渋谷区の豊かな未来を支える不可欠な「地域インフラ」として、住民・事業者の皆様とともに進化を続けていきます。
支援内容
事業戦略 / コンセプト 策定
各 実施施策 詳細設計
加盟店 開拓
プラットフォーム 開発 / 運用
┗ iOS / Android アプリ
┗ 加盟店 ツール
┗ 事務局 ツール
┗ WEBサイトデータ分析・活用基盤
販促ツール 企画 / 設計 / 制作
事務局 構築 / 運営
┗ キャンペーン運用
┗ 対面窓口
┗ コールセンター
┗ ふるさと納税
┗ 資金管理
プロジェクト コアメンバー
- 事業統括 : 宮瀬 忍、藤田 昌春
- プロジェクトマネジメント / ディレクション : 松本 亮平、橋本 直希
- 開発マネジメント : 藤田 昌春、橋本 直希
- デザイン : 岩瀬茂樹、大瀧 迪子
- 事務局統括 : 大和久洋人
- 事務局マネジメント : 功刀 悠花、松本 健太郎
- ハチポ運営 : 中村 圭二郎、井野 貴亮、松本 健太郎
- データ分析/活用提案 : 藤田 昌春、井野 貴亮、渡邊 晴奈

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