渋谷おとなりサンデー「おとなりサンデーパーク」 | 面白法人カヤック

渋谷おとなりサンデー「おとなりサンデーパーク」

渋谷おとなりサンデー「おとなりサンデーパーク」

ご近所付き合いをサポートする、渋谷区発のストリートファニチャーが登場!

渋谷区 区民部 地域振興課では、毎年6月の第1日曜日を「渋谷おとなりサンデー」の一斉開催日とし、地域のつながりを深める取り組みを行っています。この活動を通じて、ご近所同士の交流を促し、いざというときに助け合える関係づくりを目指しています。

「渋谷おとなりサンデー」のモデルは、1999年にフランス・パリで始まった「隣人祭り(Neighbours' Day)」です。「おとなりさんと仲良くなろう!」を合言葉に、地域の人たちが集まり、手作りのパーティーを開くという素敵な取り組みが元になっています。

本プロジェクトでは、「自分も何か企画してみたい」「道具はないけれど、交流の場をつくってみたい」と思っているものの、まだ一歩踏み出せていない人たちを対象に、新たな企画者の創出を目指した、ツールがなくても手ぶらで参加でき、“開催者 気分” を気軽に体験できるパークアクティビティを企画し、自然と交流が生まれる空間デザインの支援を行いました。

 

渋谷区民が使い倒せるストリートファニチャーを

渋谷おとなりサンデーの特徴は、みんなが外に出て、お家の軒先や公民館などのパブリックスペースで、ご近所さんと空間をシェアしながら過ごすところにあります。

ただ、そこでちょっとしたハードルになるのが、「テーブルや椅子は誰が持ってくるの?」「設営や片付けは誰がやるの?」といった問題。実はこうしたことが、イベントをやってみたいと思っても、気が重くなってしまう一因です。

そこで私たちが考えたのは、誰か一人に負担を集中させるのではなく、「一緒に道具を運び組み立てること自体を、共通体験にしてしまおう」というアイデア。それなら自然に会話も生まれて、アイスブレイクにもなるはず。そんな思いから、みんなで協力して組み立てられる、渋谷おとなりサンデーオリジナルのストリートファニチャーをデザインしました。

今回制作したストリートファニチャーは、3つの要素から構成されています。

  1. ボロノイ レジャーシート(グリーン、オレンジ)
  2. ちゃぶ台 テーブル
  3. CAPTAIN STAG の折りたたみパラソル

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まず最初のステップは、3枚のボロノイレジャーシートを外側の辺どうしでつなげます。シートの角にある穴に青いロープを通し、留め具で固定すれば、シート間を接続できます。これで、あぐらをかいたり、ごろごろ寝転んだりできる快適な床が完成です。

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次に、ちゃぶ台テーブルの天板裏に畳まれている脚を、ロックを外しながら伸ばします。

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3つ伸びている脚を土台の方の穴に差し込み、丸落としでカシャっとロックし、ちゃぶ台のテーブルがスポっと抜けるのを防ぎます。

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最後に、上からパラソルをちゃぶ台の中心にさし、グリグリとねじを横から締めたら、完成!

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最高のアイスブレイクと、コミュニティビルディング!

このストリートファニチャーを一緒に組み立てる体験には、自然と人との距離が縮まる理由がたくさん詰まっています。

まず、共通のゴールがあることで、初対面同士でも自然と協力し合う関係が生まれます。「このシートとちゃぶ台、パラソルを組み立てて完成させる」という明確な目的があることで、仲間意識が芽生え、打ち解けやすくなるのです。作業中には「そっち抑えててくれる?」「留め具どこだっけ?」といったやりとりが自然と生まれ、会話のきっかけにも困りません。無理に話題を探す必要がなく、気づけば会話が始まっています。

さらに、共同作業を通じて心の距離がぐっと近づきます。沈黙すら心地よく感じられる時間が流れ、相手の人柄や個性(几帳面さや気配りなど)にも触れることができます。そして、組み立てが終わったときには、達成感や喜びを一緒に味わえるという、ちょっとした成功体験も共有できます。その過程では、失敗や戸惑いから生まれる笑いやボディランゲージも自然と混ざり、リラックスした雰囲気に包まれるのもこの体験の魅力。まさに「おとなりサンデー」の本番企画の前にぴったりな、最高のアイスブレイクです。

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おとなり同士で盛大にカンパイ!

渋谷区オリジナルで制作したこのストリートファニチャー。ただ置いておくだけでは、ご近所交流は生まれません。そこで今回は、お披露目とユーザーテストを兼ねて、2025年6月1日、渋谷おとなりサンデー一斉開催日に、渋谷本町さくら公園に初出動をしました。

今年の本町地区では、3つの企画がコラボ。不動通商店街の名物イベント「くるくる商店街」、新設の本町コミュニティセンターのオープンイベント、そして私たち渋谷区&KAYACチームによる自主企画が連携し、力強い体制が実現しました。

“ハード”(空間やツール)の魅力を伝えるには、それを最大限活かす “ソフト”(象徴的な活動やプログラム)が欠かせません。訪れた区民もツールも共に輝くよう、長谷部区長・杉浦副区長も招き、「おとなりカンパイ!」という企画を盛大に開催。地域のにぎわいと交流を生み出す1日となりました。

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どうせカンパイするなら、カーンと心地よい乾杯音が鳴る方が気持ち良いよね!ということで、THERMOSさんとコラボした、おとなりサンデーロゴ入りのドリンクジョッキもつくりました。

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お昼12時に、区長が乾杯の音頭を取る「おとなりカンパイ!」の時間に向けて、渋谷中のさまざまな地域から人々が公園に続々と集まってきました。親子連れ、町内会の皆さん、商店街の方々、区役所の職員、学生ボランティア、そしてシニアコミュニティの皆さんまで、幅広い顔ぶれが勢ぞろい。

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長谷部区長も杉浦副区長も、乾杯ジョッキを片手に、日頃から関わりのある本町の方々はもちろん、初めて出会う人たちとも笑顔で交流されている様子がとても印象的でした。世代や立場を超えて、さまざまな人たちと楽しそうに語り合う姿が、この場の温かさを物語っていました。

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渋谷区では「おとなりサンデーパーク」を自分たちの地域で開催・運営してみたい方や、おとなりサンデーに絡む企画にこの紹介したストリートファニチャーを活用したい方を大募集しています!

「これならできそう!」「イベントを企画したいけどツールがなくて困っていた」といった方はぜひ、これらのツールをレンタルし、イベントのアイデアをカタチにしてください。

気になる方はぜひ コチラ まで!

 

支援内容

  • 要件定義 / リサーチ
  • 企画プランニング
  • オリジナルツール 企画 / 設計 / 制作
  • 開催内容 案内チラシ 企画 / 制作
  • 開催日イベント 体験設計 / 運営

プロジェクトチーム

  • 全体プロデュース : 松本 亮平、井野 貴亮
  • プロジェクトマネジメント : 松本 亮平
  • クリエイティブディレクション : 松本 亮平
  • オリジナルツール企画 : ArchTank (林恭正)、松本 亮平
  • オリジナルツール設計 : ArchTank (林 恭正 + 横尾 周)、飛騨の森でクマは踊る (門井 慈子)
  • オリジナルツール制作 : 飛騨の森でクマは踊る (門井 慈子、鈴鹿 裕子)
  • 開催内容 案内チラシ デザイン:松本 亮平
  • 開催日オペレーション : 井野 貴亮、松本 健太郎、松本 亮平
  • 写真撮影 : 高嶋 佳代

 

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メンバーズボイス

渋谷区の事業に携わってくれて誠にありがとうございました。
当日はボロノイレジャーシートはじめ、カヤックさんが構想してくれたツール達が、公園の雰囲気とばっちりハマり、また使っていた区民の方も大変喜んでくれていて、大成功でした。当日は天気も相まって、おとなりサンデーも過去一番の盛り上がりを見せ、区としても非常に嬉しい限りです。渋谷おとなりサンデーは今後も続きます。渋谷区全体の活性化を、是非引き続き一緒に目指していきましょう。

渋谷区 区民部 地域振興課 仙北屋 匠

初参加しかも主催者側での「渋谷おとなりサンデー」無事終了しました!
この数日は「雨降ったら中止か!?」とドキドキでしたが、天に祈った結果、なんと快晴!
準備中は「本当に人来るの?」と不安だったこともあり、家族も巻き込んでの参加でしたが、カヤックチームにも助けられ、当日は大盛況でホッとしました。日焼け&筋肉痛はお土産ですが、心はほっこりです。ありがとうございました!

渋谷区 区民部 地域振興課 花嚴 ゆたか

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