“ゲームトレーナー”という新しい職業が「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN 2021」を受賞 | 面白法人カヤック

Information

2021.12.08

“ゲームトレーナー”という新しい職業が「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN 2021」を受賞

Information

38カ国で発行されているForbes誌が世界的に展開しているアワードで、世界に影響を与える30歳未満の30人を選出する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN 2021」。

プロ野球選手の大谷翔平選手、オリンピック金メダリストの大橋悠依選手、GENERATIONS from EXILE TRIBEのリーダーも務める白濱 亜嵐さんが本アワードに選出される中、カヤックグループのゲムトレでトレーナーをしている東 佑丞(あずま ゆうすけ)さんも選出されました!

そんな東さんと、ゲムトレ代表の小幡和輝さんにお話を聞いてみました。

レールが敷かれた道と正反対を歩んできた2人の出会い

私は学校が苦手でした。人が多いところは得意でなかったし、他の人と同じことをするのが本当に嫌いで、異質性を出したりして人と同じじゃないことをアピールするような子どもでした。中学3年生のときに学校に行く意味がないと思って、他にできることがないか父親と一緒に考え始めました。
小幡
柳澤さんとの対談でも触れましたが、僕も型が決まりすぎているのが嫌で、約10年間は不登校の生活を送っていました。東くんとの共通点は、ゲームを幼少期から始めていたことですよね。
2~3歳の頃からゲームに触れていました。オンラインゲームでも遊んではいましたが、マインスイーパーやソリティア、パズルゲームなど一人で遊ぶことが多かったですね。
小幡
東くんのご両親は学校に行かないことに対してどんな反応だったんですか?
父親が自由な発想の持ち主で、「行かなくていい。その代わり、行かない時間を何に使うかはしっかり考えて行動に移しなさい」と言われました。そんな父からGFTDのDE-SCHOOLっていうフリースクールを紹介されて、中学3年生の最後の一年間は毎日通ってました。
小幡
DE-SCHOOLに通いながらもゲームはずっとやってたんですよね。東くんが出場した「STAGE:0」を通してゲムトレとの繋がりもできましたよね。

2019年大会のエントリー総数は1,475校 1,780チーム 4,716名 © 2021 『STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 実行委員会』 All rights reserved.

そうですね。プロゲーマーの道に進みたいけど現実的じゃないと思ったんです。そこで知ったのがゲムトレです。ゲムトレですでにトレーナーとして活動していたメンバーからの紹介で、「紹介はできるがしっかり人間性をみて採用しているから、受かる保証はない。頑張れ」と言われながら応募しました(笑)。
小幡
そうですね、厳しいと思います(笑)。でも、東さんは丁寧で思いやりがある人だなと第一印象からすごく良かったです。「とりあえずバイトできたらどこでもいい」ではなく、「ゲムトレで働きたい」と思ってくれていることが強く伝わってきました。

ゲームへのネガティブイメージと逆をいくゲムトレのサービスとして、そして習い事としてのあり方。

小幡
ゲムトレは、サービスを開始して約2年が立つゲームのオンライン家庭教師サービスです。累計トレーニング回数は15,000回を突破しました。ゲームの家庭教師サービスって海外では広がりつつあったんですが、日本にはまだなくて。「だったら僕が日本で最初にしよう!」と立ち上げました。僕自身の不登校の経験があることで似た境遇の方から申し込みを受けるケースもありますし、最近ではプロゲーマーになりたい、ゲームが上手くなりたいと夢をもった方からの申し込みを受けるケースも増えてきました。
年齢層も幅広いですよね。
小幡
一番若い子で5歳の頃からゲムトレを利用してくれている生徒もいますね。平均年齢は11歳ぐらいです。ゲームを習い事とするという文化はまだ根付いていないですが、そこを作っていきたいですね。同じゲームをやっていないと、何がすごいのか分かりにくい。すごく実力のある子どもがいても、親御さんがそのゲームをプレイしていなければ何がすごいのか分からないんです。
そうですね。私も、家族に理解してもらえた瞬間は「STAGE:0」の観戦にきてもらったときでした。
小幡
「この子めちゃめちゃゲームするんです」ってネガティブになってしまって、子どもたちも自己評価が低い状態になってしまうという悪循環が生まれます。だからゲムトレでは、ゲームを通して脳と心を鍛えたり、コミュニケーション能力の向上を目指すだけでなく、子どもたちとのコミュニケーションの中で笑顔と自己肯定感を育成することを意識しています。
ゲムトレでのトレーニングは、グループで行ったりもしてるので生徒同士でのコミュニケーションが生まれてますよね。年齢の異なる生徒が一緒にトレーニングを受けることで、人としての成長にも繋がっているんじゃないかなと思います。
小幡
子どものころに好きなことに没頭できたか、年齢の違う方々とたくさんコミュニケーションをとれたかというのが、将来的な人間性に繋がると思っています。あとは、生徒の親御さんとのコミュニケーションも大切にしています。オンラインサービスだからこそ、チャットグループを活用して親御さんとゲムトレ運営、親御さん同士、親御さんとお子さんといった形で関係者全員の関わりを生み、理解を深める。そうやってお互いに理解したりコミュニケーションを取れる環境を提供したいんですよね。

ゲームって「夜中にやってる」みたいなネガティブなイメージが色々あると思うんですが、ゲムトレでは午前中に授業をしたり、ゲームへのネガティブなイメージの逆を全部いってますよね。
小幡
ポジティブなイメージを作っていきたいですね。習い事って、授業のときだけじゃなくて余白が大事だと思うんです。オフラインでの習い事だと、帰りにお茶をして帰るとかあるじゃないですか。でもオンラインではそれができにくいんです。だからこそ、トレーニング以外の時間でもチャットで会話できる場所があるなどの余白を用意しています。
イメージと逆のことをやるだけじゃなくて、「習い事」に関連する利用者の想いまで汲み取っているんですね。

プロ野球選手の大谷翔平選手、オリンピック金メダリストの大橋悠依選手も選ばれた、世界を変える「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN 2021」への選出とゲムトレの今後

「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN 2021」受賞したと知ったときはすごくびっくりしましたし、嬉しかったです。
小幡
ゲームメディアではないForbesさんで選んでいただけて、しかもeスポーツ業界では一人だけだったんですよね。ゲムトレを作って良かったなーって思いました。東くんはゲムトレの看板トレーナーですね!様々なメディアで東さんの取材をしてもらうことでゲムトレの活動を知っていただけることに繋がりますが、そもそも取材を通して東くんの人間性も成長しているんじゃないかなと、彼を見ているといい連鎖に繋がってるなと思います。
そうですね!ゲムトレでゲームスキルを活かした仕事ができていることもそうですが、取材の対応をさせていただいたり日頃の授業で生徒とコミュニケーションを取ることで僕自身成長できているなと思います。あと、親御さんとのコミュニケーションもですね。ビジネスマナー、一般常識、人と話す上での考え方や言葉の選び方など、そういった大切さも学ばせてもらっています。それも全ての原点はゲームでした。
小幡
人への思いやりみたいな「できた方がいい常識」と、学校にいくことの常識は僕の中で感覚が違うんですよね。学校にいくことが本質なんじゃなくて、学校で学ぶことを学べればいいですよね。学校に行っても、そこで学んでなければ意味がないと思います。そういう意味では、東くんがゲムトレを通して学んでくれていることが嬉しいですね。
トレーナーとしてまだまだやれることがあると思っていて、ゲームをエンタメとしてでもスポーツとしてでもそれぞれの形で普及していきたいですね。先駆者というか、そういうトレーナーになれればいいなと思っています。私にはまだまだやりたいことがたくさんあります。アイデアが湧き出てくるというか。eスポーツ業界での起業も私の今後の目標です。
小幡
夢を応援したいですよね。ゲームトレーナーという経験を通して、次のステップに活かせる人が増えるといいなと。eスポーツはプロゲーマーが目立ちがちですが、周辺に色んな職業があります。これからもっとゲームトレーナーという職業がメジャーになっていけば嬉しいです。今はまだ新型コロナウイルスの影響などもありますが、落ち着いたらチームを組んで遠征に行ったりもしたいですね。ゲムトレに関わる人全員がゲームを通して今より豊かな人生を送れるようなお手伝いをしていきたいと思います。

小幡 和輝

1994年、和歌山県生まれ。約10年間の不登校を経験。 当時は1日のほとんどをゲームに費やし、トータルのプレイ時間は30000時間を超える。その後、高校3年で起業。SNSのプロモーション企画やイベント事業などを行う。 ダボス会議を運営する世界経済フォーラムより、世界の若手リーダー『GlobalShapers』に選出。2019年10月より、日本初、ゲームのオンライン家庭教師『ゲムトレ』を立ち上げる。

著書に 『学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」』『 ゲームは人生の役に立つ 生かすも殺すもあなた次第』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』など

東 佑丞(あずま ゆうすけ)

2003年、山形県生まれ。N高等学校在学。ハンドルネームは「くろむ」。第1回高校生eスポーツ大会「STAGE:0」フォートナイト部門で6位入賞。「ゲムトレ」所属 ゲームトレーナー。Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2021に選出。
eスポーツという文化を、一つのエンタメ・スポーツとして確立できるよう活動している。

関連ニュース

© KAYAC Inc. All Rights Reserved.