組織戦略から事業戦略が生まれる、それがカヤックです
~何をするか、より誰とするか〜

一般的に会社を作るときに普通は、どんな人と働きたいか?が先ではなく、
どのような事業をするか?というのを先に考えることが多いと思います。
面白法人カヤックは、最初に事業のことは考えませんでした。
価値観の一致する仲間と出会い、まず会社を立ち上げました。

そして、どんな事業をするかよりも、どんな性格の人と働きたいか?どんな職種が多い組織にしたいか?
どういう価値観のどんな職能の人間が評価される組織にしたいか?すなわち、どのような会社にすべきか?そんなことばかりを徹底的に考えてきました。

つまり事業戦略よりも組織戦略を先に考えてきました。
もちろん、組織が大きくなるにつれて、そんな組織戦略からスタートした会社でも事業戦略が重要になります。
いまではメインのプロジェクトはすべて事業戦略を構築しています。
たとえどんなに小さなプロジェクトであっても事業計画書があります。

しかし、事業戦略と組織戦略のどちらからスタートしたか、これは法人の性格を大きく分けます。
カヤックは、「どんな人と、どんな信念のもと、どんな組織(法人)をつくるか?」にこだわり、その後に「どんな事業をしたいか?」を考える。
組織戦略ありき、その上に事業戦略がのる。

極端な話、互いに尊敬しあえる仲間同士ならどんな事業だってよい。
それがカヤックの本質であると考えています。

カヤックの組織戦略の核は、「Webクリエイターの集団」であること。

では、カヤックの組織戦略の最大の肝は何でしょうか。
そもそも、「戦略とは絞ること」と言い換えられます。
であれば、それは、社員の9割が「Webクリエイター」という職種で構成されている点です。
そして、『Webクリエイタ」が天職です』という人を極力集めるようにしています。
ビジネスに関わる人を2つのタイプ「売る人」と「つくる人」にわけてみたとしましょう。
そうしたとき、「よし、僕らの会社は、つくる人の集団にしよう」、これがその最初の出発点です。

人にはそれぞれ、どういう人を尊敬するか?という軸があるものです。
売ることに重きを置いている人と、つくることに重きを置いている人とでは、それも異なるはず。
であれば、つくる人だけの組織をつくったら、例えば社内の評価制度ひとつを構築するにしても基準はわかりやすくシンプルになる。
なぜなら、つくる人として、どういう姿勢が望ましいのか、つくるプロセスはどうであるべきなのか、何をつくったら評価されるのか?それが評価軸になるからです。
もちろん、働く人の職種を限定することだけが組織戦略ではありません。

組織を強固なものにするために、社内文化共有を目的として、カヤックでは価値観やキーワードを日頃から共有すべく、ユニークな社内制度を導入し、積極的にイベントを実施しています。
制度&行事

そして、社員の活動や行動指針を明確にするため、経営理念を明文化しています。
社員が記憶できるほどの短くわかりやすい言葉で提示し、年に2回はそれを見つめ直すために全員で合宿をおこないます。
経営理念は組織をまとめ、組織を強くするものです。
経営理念

一方、採用においても、カヤックではきるだけオープンに社内の情報や方針を発信して、同じ価値観をもった仲間を集めることに力を入れています。
前述した経営理念も、社内で共有するだけではなく、このコーポレートサイトでも詳細に語っています。
また、鎌倉に本社があるというのも価値観を示すメッセージです。
このように、良い組織をつくるための「人」を引き寄せることに情熱を注ぐのも戦略のひとつです。

なぜ、つくる人の中で「Webクリエイター」に絞ったのか?

面白法人カヤックの経営理念は「つくる人を増やす」です。
「増やす」というキーワードを含めたのは、規模の拡大も目指すという覚悟を決めたからです。
「良い仲間のいる良い組織をつくりたい」、それだけでいいのであれば、自分の性格に合った仲間を集めて好きなことだけをやることが一番幸せかもしれません。

つまり、組織を大切にする会社では、規模を追わないという選択も可能です。
必要以上の成長スピードは不要と考え、規模の成長に重きを置かないという選択もできるからです。
ですが、僕らは、売上規模、社員数など規模も含めて含め社会に貢献できる組織になるという高い目標をもって活動したいと考えています。
だからこそ、勝てる組織を作るために組織戦略を考え、その結果同じ職種に絞るという組織戦略をとることで、価値観がいっしょの仲間と働くことで楽しくなるという思いだけではなく、チームがまとまり強くなるだろうという狙いもあるからです。

ただ職種を限定しても、万が一その職種が、社会において相対的に今後価値が低下していく職種だとしたら、それは事業規模の拡大は目指せません。
その職種が活躍できる市場そのものが伸びていないと難しいものです。
そのように考えた時、Webクリエイターという職種の価値はどうでしょうか。
マクロ環境を鑑みてもまだまだWebクリエイターの活躍するこのIT業界は黎明期だと考えられます。
であれば、今後少なくとも10年間は、他の職種と比較しても価値は高い職種なのではないでしょうか。

すなわち、これがWebクリエイターに絞る理由であり、さらには、「Webクリエイターとしての職能が、より高い人材を採用すること」「今いる社員は切磋琢磨しその職能を高めていくこと」、この2つを達成し続ければ、高い成長率を実現できると考えています。

どのようにして「Webクリエイター」が事業を生み出すのか?

Webクリエイターに絞った集団にして楽しく働けるようにしたとしても、組織の中から次々と事業が生み出されていかなければ組織は成長しません。
また、伸びている事業があれば、そこに速やかに資源(人)を投入し、伸びてない事業からは素早く撤退するといったことはカヤックにおいてもて重要だと考えています。

新しいビジネスの種を生む14%ルールと3%ルール

前述のようにカヤックが「つくる人を増やす」という理念にしている以上、売上規模も社員規模も、スケール拡大路線を掲げています。
そのために導入するルールが「14%ルール」と「3%ルール」です。

組織の全Webクリエイターの14%を新規事業開発に注力させる14%ルール

カヤックに所属するWebクリエイターの総リソースの14%分を翌年以降の新しい事業の研究開発に充てることにしています。
それをカヤックでは「14%ルール」と呼んでいます。
これはGoogle社の20%ルールのように、各社員が均一に自分のリソースの14%を自由に研究開発に使えるわけではありません。
全社員をまとめたリソースの14%分としています。
その四半期に限っては100%研究開発に従事するといったように変動することもあれば、1から100にする運用に長けているため基本的には0%という場合もあります。

一方、新規開発に特化できるクリエイターであれば100%をそのリソースを活用する人もいます。
個人戦よりもチーム戦を意識したルールと言えると思います。
カヤックのいまある事業は、ほとんどがこの14%ルールから生まれています。

つまり、事業戦略は何もなく、「技術的に面白そうだから作ってみた」というような思いだけで始まったものも決して少なくはありません。
最初から事業計画ありきのプロジェクト以外も生まれるのは、この14%ルールがあるからです。
サービスのβ版を出してみて、反応がよかったら、プロジェクト化して、後から事業戦略が加わるそんなケースが非常に多い。
これはIT業界においてはある意味よくある成功の方程式でもあります。

世の中にない価値を創造・発信するための3%ルール

そして、14%ルールと並んで忘れてはならないのが、この3%ルールです。
面白法人であり続けるためには、世の中の誰もつくらないようなオリジナリティがあるものをつくったり、収益を度外視してでも世の中のためになるようなものをつくることを通して発信し続ける必要があります。

そういう気概を見せることで、「つくる人」が集まってきます、「つくる人」が集まる仕組みがあることこそ、組織としての成長の源泉でもあると思うのです。
その仕組みが、前年の売上の3%をその翌年に新しい価値の創造のために充てると3%ルールです。

参考事例:

2010年 貧乏ゆすりプロダクトYUREX(明和電機とコラボ)2009年度の売上の3%3000万近くを投入。
YUREX

2011年 東北震災支援のために急きょ立ち上げた仙台支社
仙台支社ブログ

※ちなみに3%と14%の数字は、過去の実績から概算した数字です。今後事業の拡大とともに変更する可能性はあります。
大事なことは周知のラインを設けることであり、新しい事業が生まれる仕組みをつくることだと考えています。

Webクリエイター中心組織のマネージメント法

14%ルールから次々と生まれえくる新しい事業をどのように伸ばしていくのでしょうか。

ソーシャル
ゲーム
こえ部総務
社員A108010
社員B05050
社員C501040

四半期に見直し

ソーシャル
ゲーム
こえ部総務
社員A504010
社員B305010
社員C90010

課題は・・・・
所属メンバー全員がそれぞれ10%のみ
配分されているチームなどは、
コミットが弱くなる傾向があります。

タイムリーな人的リソース配分

カヤックでは、Webクリエイターが生み出した各サービスについて、事業としてのポートフォリオとライフサイクルを的確に判断し、 市場を見据えて、スピーディに最適にWebクリエイターのリソースを配分しています。 結果、Webクリエイターの1人当たりの利益率が高い事業に最適な配分をしていきます。

プロジェクト制

その前提として、カヤックでは、プロジェクトチーム制を導入しています。
社内には、約40のチームが存在し(2011年現在)社員は平均すると約2.5のプロジェクトに所属し、自分の持つ100%のリソースを配分しています。
たとえば、プロジェクト●●に50%、プロジェクト▲▲に30%、プロジェクト■■に20%といった具合です。

これらの%配分に対して、あらかじめ目標を定め、限られたリソースでそれを行い、評価、改善する、というシンプルなPDCAサイクルを四半期ごとという短いタームで繰り返します。

この%の配分を各個人/プロジェクト単位で、半期ごとにダイナミックに変化をさせていきます。
そして、通常人事異動では、引き継ぎなどに時間がかかりますが、%の上下という形で対応することで、例えば「明日から、3人から30%づつ集めよう」という方法が可能で、より迅速な人事リソース異動が可能になります。

つまり、事業の成長スピードにあわせて、迅速にリソース配分を変化させていくわけですから、即席で組むことになったメンバーがすぐに機能するようなチームビルディングのノウハウもカヤックの特徴と言えます。
これが可能なのは、職種をWebクリエイター(ディレクター、プログラマー、デザイナーの3職種)に絞り込んでいるためともいえます。
同職種だからこそ入れ替えが容易に行えるのです。

プレイングマネージャー

このリソースマネジメントの特徴は、あるプロジェクトのマネージャーが他のプロジェクトではプレイヤーとして活躍できることです。
そして、管理系のスタッフも数%であればプロジェクトに関わりWebクリエイターとして活動する時間をとることができます。

事業を推進するときに意識していること

事業を考える上で少しだけ意識していることがあります。

1:他社との事業提携を積極的に行っていく

Webクリエイターという職種に絞った組織というのは、資本主義の社会に貢献しようと考えた時に組織としては不完全だともいえます。
時に、つくる人だけでは売る人がいなければ商売はなりたたないこともきっとあるでしょう。
それゆえお互いにシナジーのある会社とは積極的に提携をしていきたいと考えています。

カヤックとの事業提携にご興味をお持ちの方へ

2:インフラよりではなく、コンテンツで勝負する

一括りにWebクリエイターと言っても、コンテンツをつくるのが得意なクリエイターもいれば、インフラをつくるのが得意なクリエイターもいます。
どちらかと言えば、カヤックは前者の集団です。
そのため、インターネットビジネスを下記の4層に見立てた時、カヤック上の2層で勝負します。
各サービスがその層で事業を展開できる可能性があるのか?
それがカヤックでは本格的に事業化を目指す戦略の大前提となっています。

オリジナリティあるコンテンツメーカー、あるいは、ソーシャルサービスを目指す。
これが、Webクリエイターが生み出すたくさんのサービスに共通するカヤックの事業戦略です。

  • コンテンツ
  • スーパー
    インフラ
  • 通信インフラ
  • HOUSECO
  • ART-Meter
  • Wonderfl
    jsdo.it
  • こえ部
  • 受託
  • mixi
  • Google
  • docomo
  • au
  • softbank

Google は研究者の集団、Facebook はハッカーの集団 と、マーク・ザッカーバーグはいったようですが

KAYACはクリエイターの集団である。

と言いきって、世界で勝負していきたいと思います。