![]()

柳澤大輔著 出版:プレジデント社 / 定価:1500円
会社案内って、もらっても、なかなか心に残らないですよね。
せっかくつくるのに、ちらっと見て捨てられてしまうようなものをつくるはもったいない。
何か気付きがあったり、心に残るようなものはつくれないかな…
そんな雑談から本が生まれました。
その名のとおり、この本の中身は、いわゆる「会社案内」の項目に沿って描かれています。
その形式を踏襲しつつ、今まで面白法人カヤックが、
楽しく働くために工夫してきたこと、それを余すことなく書きました。
―本書「代表のごあいさつ」より
編集者からのオススメ!
目指せ「会社案内」コンテスト!
はい、変わった本です。まず見た目。そしてタイトル。でも、直球の経営書です。経営理念はなぜ大切か、楽しく働くための組織はどうあるべきか、新しいものを生み出し続けていくためにベストな事業構成とは・・・・・・そんな「人と組織」の問題に、まっすぐに答えています。
カヤック。面白い会社だとは聞いていました。わざわざ不便な(すみません)鎌倉に本社を置いているとか、ダイバーシティより似たもの同士優先で社員をとるとか。でも私が一番面白いと思ったのは、代表の柳澤さんが、「10年先、この会社があるかどうかはわからない」と明言していることと、成功した事業を惜しげもなく売却していることでした。「変わり続ける」「生み出し続ける」ために、不安定性や不確実性を意図的に会社の中心に据えているのです。カヤックという会社を見ていると「絶え間なく壊され続けながらも、もとの平衡を維持する」という生命のシステム(『生物と無生物のあいだ』福岡伸一著)そのもののように思えます。
この会社の「あり方」を最もストレートに見せるには、どんな本にしたらいか。そう考えたときに「会社案内」というコンセプトが浮かびました。私はつい最近まで、ビジネス雑誌の編集をしていたので、「会社案内」や「アニュアルレポート」をいただく機会が多かったのですが、ほぼ例外なく数ヵ月後にはゴミ箱行きでした。会社情報はホームページで入手できるので、なくても困らないのです。これだけ手間隙かけてつくったわりに「読まれない」印刷物も珍しいのではないでしょうか。この本で、その「常識」まで覆せたら面白いな、とも思いました。
買ってでも欲しくなるような会社案内。社員が持ち歩いて人に見せたくなるような会社案内。そんな一冊ができたと思います。これに刺激を受けてどんどん面白い会社案内が出てきたら、そのうち会社案内コンテストもできるかもしれませんね。もちろんカヤック主催で。
中嶋 愛さん(プレジデント社 書籍編集部)
装丁家のこだわり!
デザインテーマは「変わる/変える」
初めてカヤックを訪れた時のイメージが「変わる/変える」会社だなあ、というものでした。「変わっている」ではありません。もっと能動的な何か。
その「変わる」を表現できないかと考えてデザインしました。
本は元祖インタラクティブかつモバイルなメディアであるので、そこに本ならでは機能と「想い」を重ねていきました。中でもその機能と「想い」の一部をご紹介します。
「変わる/変える」その1
カヤックからのアイデアで、池上遼一先生のマンガを帯とカバーの2面展開で使うことがまず決まりました。
そこからカヤックの原点である「それってマンガっぽい?」をイメージさせる罫線で区切ることで「マンガ感」を、そしてカヤックの自社HPのデザインにも重ね、それらを組み込みデザインをスタートさせました。
自ら帯を取った人にだけその変化を認識できるという仕掛けに、カヤックの能動的な「変わる」を感じてほしいと思います。またカラフルな色使いにはカヤックスタッフの個性の乱舞といった意味を込めています。
「変わる/変える」その2
カバーに使用されている用紙は「Mag」という主に雑誌の古紙をリサイクルした用紙です。
雑誌というメディアは沢山の情報のカタマリです。またカヤックが手がける仕事も情報のカタマリ。そして、そのカタマリをいかに届けるか。そこにコミュニケーションサービスとしての原点の相似をみました。情報のカタマリ扱っているんだという想いを用紙にも包含させる。それがこの用紙を選んだ理由のひとつです。
また雑誌の古紙だけに、冬に漉造された「Mag」は暖色のインキを含んだ色合いになり、夏に漉造されたものは寒色系のインキを含んだ色合いになります。季節によって変わり続けるが用紙としての本質は変わらない。これも「変わり続ける」カヤックにふさわしい用紙として選んだ理由です。
「変わる/変える」その3
帯とカバーを外したものが、「表紙」と言われる部分です。ここには「光にあてることで周りの空気を浄化する」作用のある「エスプリコートAC(エアクリーン)」という用紙を使用しています。書籍でこの紙を利用したのは日本初(※紙の問屋さんに今、言質取りました)!
カバーを外して読んでいる人の空気を快適にしつつ、棚に収まっているときも周りの本の空気すら変えてしまうこの用紙は、「快適に」世界を「変え続ける」カヤックの表紙にふさわしいと思いますし、「初モノ」好き(というワケではないでしょうが)のカヤックらしいと確信しております。
まだまだいろいろな仕掛けを忍ばせていますが、それは読者の皆さんに「能動的」に感じていただければと思います。
最後に同じ世代(ちょっと違うけれど)のみなさんとエキサイティングな仕事ができたことを誇りに思います!
僕も変わり続けるぞ!
渡邉 民人さん(TYPEFACE)






